外伝1話 王国騎士アベルの日記
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王国騎士新人アベルの日記一より部抜粋
△月1日
僕、王国騎士の新人アベル=アマンドは故郷の島に帰省していた。
アーネスト王国は騎士と呼ばれる王都の守護を任される大事な役職がある。
これはただ強ければなれるものとは違い、誇りや気品、礼節が出来ていないと騎士団には入れない。
僕は昔、物語の騎士に憧れ、将来は騎士になることが夢で、血が滲むような努力の末に騎士団に入れた僕は 数年間騎士団で訓練に明け暮れた。
そして久しぶりの長期休暇を貰い、故郷の島に帰ることにした。
僕には二人の幼馴染がいる。
その二人とは僕別々になってもこの二人とは文通を続けている。
一人はフリッツ=イオニアス。
彼は故郷の島で対魔ギルドに入り、狩人と呼ばれる村の外に出て魔物を狩っているそうだ。
もう一人はフランチェスカ=シュットラー
彼女は魔法の適正が優秀だったので魔法都市メルクニアで魔法学院で魔法を学んでいたが、ついこないだ卒業したようだ。
この二人も僕の帰省に合わせて出身の村に集まるみたいだ。
久しぶりに会えるから僕は非常に楽しみにしていた。
△月2日
問題が発生した。
島の周りに謎の障壁が発生したのだ。
調べて見たところ、何者かの能力だろうと断定する。
しかし、この島は結構広く、全てを囲い込むとなると普通の人間が何人集まろうが不可能だ。
まさか『魔王』? 幼馴染の二人が島の何処かにいるなら会って話したいが、障壁のせいか魔物が活発化している。
僕は港の町を守るのが精一杯だった。
△月3日
対魔ギルドのメンバーがやって来て新しい情報をくれた。
どうやら島の東側にある断崖絶壁に囲まれた廃城に何者かが住み着いたようだ。
対魔ギルドのメンバーが確認して、魔物に襲われたところ、命からがら逃げて来たようだ。
よし、僕は城に向かおう。
道中魔物と戦闘中のフリッツとフランチェスカを発見し、共闘し、合流する事が出来た。
どうやら二人も僕と同じ情報を聞いたようだ。
夜は夜営を行ったが、久しぶりに話した二人は顔立ちや身長は変わっても中身は全く変わっていなかった。
この二人となら例え廃城の主が魔王だろうと倒せる。
僕はそう確信した。
明日は廃城の近くに着く。ゆっくり休もう……
△月4
日廃城付近には大量の魔物が湧いていた。
フリッツはロングソードで前衛の魔物を次々切りつけていく。
僕は大盾と剣でチェスカを守り、チェスカが魔法で大量の魔物をなぎ払う。
フリッツやチェスカが傷ついた時は僕が治療魔法を使用し、長期戦でも誰も倒れること無く魔物を殲滅することが出来た。
しかし、思った以上に戦闘が長引いたので一旦引くことにした。
しかし、撤退中に奴は唐突に地面から現れた。
土の塊で出来た人形――ゴーレムだ。
全長5m程と非常に大きいく、こいつは僕らが魔力を使いきるまで待っていたのだろう。
この大きさのゴーレムを作った、又は使役してる奴はやはり魔王なのだろう。
普通、人間が作り、戦闘に耐えうるとすれば大きくても2mが限界だと言われている。
ゴーレムが形をなすための魔力、核に刻む命令式や操作式だってここまで大きい物を操作する研究は発展していないとチェスカは言っていた。
僕達は魔力が尽きかけながらも戦い抜いた。
しかし限界はやってくる。
ボロボロになり、核も露出しながらも器用に戦うゴーレム。
奴の拳がフリッツの剣を弾き、遠くの草むらに落ちる。
これではフリッツは戦えない。
どうにか逃がそうとフリッツを説得するが、一切聞かない。
ゴーレムがこれをチャンスと見てか、こちらに走ってくる。
あわや絶体絶命と思った時、ゴーレムの後ろから声が聞こえてきた。
まさか援軍だろうか、はたまた魔物側の方なのだろうか?
声は徐々に近づいて来る。
ァァァァァア―――!!! と雄叫びが聞こえる。
その瞬間ゴーレムの胸にはぽっかりと穴が空いたのだ。
ゴーレムの胸を貫いた物体は僕らの後ろまで飛んで行き、凄い音を立てて地面を抉って行く。
その物体は止まったと思ったら半身を起こし、こちら側向いた。
それはフリッツの剣を持った黒髪黒目の若い男だった。
まさか、この男が僕達を救ってくれたと言うのか?




