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狐面は伊達じゃ無い!  作者: 遮二無二
1章 開幕!俺!
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幕間 ユリィはイズナを可愛がる 後編

ユリィ視点です。

「お父さん、今夜はイズナちゃんを泊めていこうと思ってるわ」

「そうか。こんなデカイオヤジがいると小さい娘は落ち着かんだろう。俺は今夜は酒を飲みに出掛けるから二人でゆっくりしてな」

「もう、お父さんったらそんな事を言ってお酒飲みたいだけでしょう!」


「はは、バレたか! ステーキ食ったら酒が欲しくなってよ。じゃ、行ってくるよ!」

「飲み過ぎないでね! 行ってらっしゃい」


 イズナちゃんの入会試練が終わり、皆が帰った後お父さんも酒場に飲みに行った。

 そうつまり、今この家に居るのはイズナちゃんと私のみ!

 一人っ子で妹が欲しかった私はこれで誰の目にも憚る事無くイズナちゃんを愛でる事が出来る!


 まずはイズナちゃんを泊める所からね!

 何か不満げな顔をしながら料理の片付けをしているイズナちゃんに話し掛ける。


「イズナちゃん、今日は暗いし私の家に泊まっていきなさい!」


 そう言うとイズナちゃんは嬉しそうにする。

 よし、首尾は上々ね。


「お、良いんですか? じゃ、お願いします。それはそれでちゃん付けはやめてくださいよ! 言ったじゃないですか! 俺は男だって!」


 あぁ……また言っているわ。

 容姿は面のせいか何故か印象が残り難いけど長い金髪を(なび)かせて、うっすらと服を膨らませる小さな胸。

 この二つだけでも普通に女の子って分かるわよ。

 指だって白魚みたいで綺麗だしね。

 まぁ良いわ。


「いぇーいお泊まり決定ね! はいはい。イズナちゃんは男の子男の子~分かった分かったわ~」

「分かったなら良いんですけど……」


 ふふ、()()()だって分かっているわよ。

 二人で片付けを行ったのですぐに終わった。

 よし、例の作戦を決行するときだわ。


「イズナちゃん。お風呂が沸いたから先に入って良いわよ」

「あ、どうも」

「タオルと着替えは後で私が持っていくわね~」


 私はこうしてイズナちゃんを送り出した。

 ふふ、計画通り……例の作戦とは〔イズナちゃんの素顔を見る大作戦!〕よ。

 あのお面の下には何が隠されているのかを知りたい。

 例え大きな傷だろうが何でも私は受け入れるわ!


 着替えとタオルを持ってお風呂場の脱衣場に入る。

 イズナちゃんの服は畳まれて置いてあった。

 よし、このまま私も入って素顔を拝んでやるわ!


「イズナちゃんタオルと着替え置いとくねー」

「はーい、ありがとうございます」

「イズナちゃんお風呂上がったら冷やしたミルクがあるから一緒に飲もうね」

「はーい」


 私は適当に話し掛けながら服を脱ぎ、三つ編みを解く。

 多分普通に入浴を誘っても断られるだろう。

 こうなればスピード勝負でお風呂に一緒に入ってやるわ!


「イズナちゃん入るね!」

「は……いっ!?」


 よし、言質は取ったわ! 私はそのまま風呂場に突入する。


「背中を流しに来ました~なんてね。って、ちょっとイズナちゃん!大丈夫!?」


 何故か泡だらけのお面を着けたイズナちゃん。

 って、何でお風呂にお面を持ち込んでるのかしら?


「あ、泡が目と鼻に入ってしまって。お構いなくっ!」


 慌てたように喋るイズナちゃん。

 待てよ……これはイズナちゃんからお面を取るチャンスなのでは?洗い流したら素顔を確認しよう!

「! あら大変、シャワーで洗い流すわよ!ちょっとお面取るね!」


 泡まみれのお面は簡単に奪い取る事が出来た。

「あ……」と呟くイズナちゃんを無視し、シャワーで顔についた泡を洗い流してあげる。


「ほら~落ちたわよ~って、あれ?」


 さっきまで金髪だった髪がみるみる黒髪に色が変わっていく。

 もしかしてさっきのお面は変装用の魔道具(マジックアイテム)


 泡を洗い流されたイズナちゃんが顔を恐る恐る目を開ける。

 私は鏡でイズナちゃんの素顔を確認する。


 そこには美少女がいた。

 腰まで届く長い濡れ羽色の髪がしっとりと濡れていて幼げな容姿だが色気を感じる。

 石鹸の泡が入り、涙目の瞳は黒―――オニキスのような輝きを放っていて、反対に肌は透き通るような白。

 陶器のように繊細な滑らかさを持っている肌は石鹸の泡とのコントラストで見事に映える。

 瑞々しい唇はシャワーを浴びたので、うっすら血色の良くなった桜色であり、まぶたの幅より小さく結ばれている。

 将来は美人になる事が確定してるような可愛さだ。


 え? 何これ? 滅茶苦茶可愛い? ヤバい、嘘でしょ。

 ヤバすぎでヤバいわ……私の語彙力が崩壊するほど可憐な美少女が目の前にいる。

 びっくりしすぎて目を見開きその場から縫い付けられたように動けない。

 あぁ、こんなに可愛い子を見るとフリーズするのね……


「ユ、ユリィさん……?め、面を返して……」

「かっ……!」


 今までの勝ち気な態度と声が違い、身を縮こませ、震えて気弱な声で喋り描けてくる……あっ、もう私、我慢の限界だわ。

 手元からイズナちゃんの面が落ちる。

 もう良いわ! 私、感情の赴くままに動くわ! 私は後ろからイズナちゃんを抱き締める。


「可愛いわ! 可愛いわよイズナちゃん!」


 私に後ろから抱きつかれたイズナちゃんは顔を真っ赤にする。


「ユリィさん!むむむ胸が当たたたって!」


 もう! 女の子同士なんだから気にしなくても良いわよ! まさかお面の下にはこんなお宝が隠されているなんて!


「イズナちゃんの素顔見るためにお風呂に入って正解だったわ! こんなに可愛いなんて! あぁもう! 家の子にならない!?」


 あぁ凄い、お肌もまるで絹を触っているみたいに滑ってきめ細かい。

 感触も泡を触ったのように柔らかく、いつしか融けてしまいそうだ。


「お肌もスベスベで髪も艶々! こんなに素材が良いのにあの黒い格好なんて勿体無いわよ! あぁ! もっとイズナちゃんを輝かせるファッションなんていくらでも有るのに!」


 私は様々な服装をしたイズナちゃんを想像する。

 あーでもない、こーでもないと考えていると、イズナちゃんが声を大きめに叫ぶ。


「ユリィさん!俺の話を聞いてくれって!」

「……あら?」


 はっ! 正気を失っていたわ! イズナちゃんの可愛さと触り心地で私は少し暴走していたみたいね。

 あぁ……本当に最高な肌触りよイズナちゃん……


「と、とりあえず離してくれませんか?」

「あ、ごめんね」


 本人に離して欲しいと乞われたらしょうがないわ。

 名残惜しいけどイズナちゃんを私の胸元から解放する。


「さっきも言ったでしょう?お、俺は男なんです!」


 イズナちゃん、それまだ言うの? 私、さっき全身触ったけど男の子の()()が着いてなかったわよ。


「え? …………でもどう見ても着いて無いわよ」


 鏡越しに股間を注目するとイズナちゃんは体を丸めて言葉を遮る。


「えーと? 良く分からないですけど、それでも男なんです! 少なくとも心は!」


 何故にここまで頑なに男の子に拘るのかしら? ……!! わかったわ! 私は全身に衝撃が走る。

 私が道中イズナちゃんから聞いた話……イズナちゃんは両親が居なく、魔の森で独り暮らし……恐らく一人でも逞しく暮らせるように乙女心を捨てて強く生きてきたのね!


「……ふーん。あぁ、そう言うことね~分かったわ」

「おぉ、分かってくれましたか!」


 うぅ……おいたわしやイズナちゃん……これからは私が女の子としての人生の楽しみ方を教えてあげるからね!


「お姉さんは全部分かったわ!えぇ、何も言わなくて良いわよイズナちゃん。そう、これは確かにしょうがないわ。そんなに可愛いもんね!」

「……ユリィさん?」


 そんな不安そうな顔をしないで!これから女の子らしさを少しずつ取り戻せば良いのよ!素材は一級(エット)よ。

 すぐに取り戻せるわ!


「皆まで言わないでイズナちゃん!お姉さんは全て理解したから!」


 まずは体を洗わなくちゃね!


「さぁイズナちゃん!お姉さんが頭と体を洗ってあげるわよ」

「いやいやいや、俺は自分で洗えますから!」


 あら、まだ恥ずかしがっちゃって……大丈夫よ……イズナちゃんは立派や女の子にしてあげるから。


「良いの……良いのよイズナちゃん。お姉さんに全てを任せなさい。少しずつ、少しずつで良いのよ……」


 私の言葉を皮切りにイズナちゃんは覚悟を決めたのか、または全てを諦めたような顔をした。


 その後、滅茶苦茶全身を洗った。

次回2章プロローグです。

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