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【パーティー:ティア】

復活~~~。


お待たせしました。

無事、問題部分の修正が終わりOK貰いましたので、検索除外解除です。

1、7話を修正しています。


時間は数日巻き戻る。

エクトが衝撃シーンを目撃し、心に傷を負った日に巻き戻る。



■パーティー:ティア



パーティー名『トロイ』


全員10代の若いパーティー。

メンバーは女騎士のティア、剣士のグラント、魔法使いのウィズ、生産職のエクト。

ティア、グラント、エクトは同い年。

ウィズは4歳年下である。


ティアとグラントが前衛で魔物の相手をし、ウィズが後衛で魔法をうつ。

エクトが戦闘を補助するアイテムを使用する。

バランスのとれたパーティーであり、ルーキーの中では成績の良いチームだ。



彼らはクエストを終えて宿に戻ってきていた。


その中の一人、女騎士、ティア・フロライン。

彼女は宿に戻ってきた後、いったん外に出たフリをして、同じパーティーの剣士、グラントと部屋でイチャついていた。

ベッドの上で絡み合っていた。


~~~~~


周りには秘密だが、ティアはグラントと関係を持っていた。

付き合っていた。


秘密にしている理由はエクトにあった。


ティアはエクトが自分に好意を持っていることを察していた。

そしてエクトの能力にも気づいていた。

生産職としての能力が圧倒的に高いと。


エクトは、「加護は持っていない」「偶々アイテム作成だけ上手く出来るんだ」といっていたけど、ティアは彼が何かしらの加護を持っているのではないかと疑っていた。

自分達に隠しているのではないかと。


幼い頃、近くで加護持ちと暮らしていた経験が、その感覚を後押しする。


しかし不思議だった。

通常加護持ちなら、それだけで冒険者のランクもあがる。

エクトが最底辺ランク、F級でいる必要もない。

それに有力パーティーからの引抜にもこまらないし、待遇も良い。

なのに何故私たちのパーティーにいるのか。


しかしそんな疑問よりも大事なことは、エクトと上手く付き合えば、自分の目的のために役に立つことだった。


だからエクトとは仲良く付き合う必要があった。

エクトは純朴な雰囲気があり、女性に慣れていないことが明白だったため、どう接すれば好意をもってくれるか分かりやすかった。


ティアは頻繁にエクトに触れ、彼に好意があると思わせた。

他の男にはそっけいない態度をとり、エクトだけ特別扱いしたし、他のメンバーの前でも仲の良いフリをした。

そしてエクトとの仲を深め、ついにアイテムボックスまで共有する仲になった。

エクトの財布が手に入ったのだ。


そもそもティアがこのパーティーにいる目的は一つ。

目標額のお金、1000万Gを集めることだった。

エクトの分の資産を含めれば、今ではほぼその金額が貯まっていた。

後一つでもクエストを成功させれば、目標額に到達する。


このままこのパーティーにいれば、自分の資産だけでも目標額はたまるが…ティアには時間がなかったのだ。

とある目的のために、一刻も早くお金を集める必要があった。


だからエクトの資産を持ってこのパーティーから逃げようと思っていた。


それに本来ティアはグラントと付き合う気などなかった。

いずれ抜けるパーティー、エクトと良好な関係を築くには邪魔になる。

もし、自分とグラントの関係にエクトが気づけば、アイテムボックスの共有をやめ、今、私の管理下にある資産を引き下げられる可能性があったからだ。


でも…ティアはいつの間にかグラントと関係を持っていた。

それは何故か…


答えは簡単だ。


彼女も温もりが欲しかった。

一人だと寂しかったのだ。

誰か欲しかった。

安心できる相手が欲しかったのだ。


エクトを騙していることに一抹の罪悪感があったし、自分の目的を叶えられるか不安だったのだ。


このパーティーにいるのは、小さい女の子のウィズ、純朴なエクト、剣士のグラント。

この中で頼れるのは誰か?


ウィズは良い子だけど、小さくて不思議っ子だから頼れない。

エクトは騙す相手。

なら頼れるのは、心を落ち着けられるのは、グラントだけだったのだ。

ティアの選択は必然だった。


~~~~~


部屋でティアがグラントといちゃついていると…

外から騒がしい足音が聞こえた。


「ティア、誰か戻ってきたかもしれない」

「かもね。服直さないと」


2人とも服の乱れを直す。


ガチャ

ドアが開く。


現れたのはウィズ。

いつもは落ち着いているが、今はちょっと動揺している。


「ティア、グラント、いたのですか?」


「さっき戻ってきたんだ」

「わたしもだよっ。さっきね」


ウィズがじーっと2人を見る。


「2人とも、汗かいてるのです」

「えっ」


驚くグラントだが…


「ちょっと訓練してたの。剣でね。ねぇ、グラント」


ティアは冷静に返す。


「そ、そうだ…特訓だ」


グラントが続く。


「そうなのですか」


ウィズは特に何も疑うことなく頷く。


「それで、どうしたのウィズ?何かあったの?慌ててるみたいだけど」

「そうなのです。そうでした。実はエクトと宿の前であったのです」


(エクトと…)


ティアは悪い予感がした。


(まさか…)


だから聞いてみる。


「それでどうしたの?」

「エクトは泣いていたのです。探さないでくれといって、どこかに走っていったのです」


(ついに…見つかっちゃったか)


ティアはウィズの言葉を聞いて悟った。

いつかエクトにグラントとの関係がばれるかもしれないと、心の中で思っていた。

いや、エクトを騙す罪悪感のためか、無意識のうちにばれて欲しいと心の内に願っていたのかもしれない


だが、とうとうその日が来たのだ。


(でも、ちょうどいい区切りなのかもしれないなぁ)


グラントとの関係がばれたなら、純朴なエクトのこと、かなりの拒絶反応をみせるはず。

ならアイテムボックスの共有をやめることになる可能性が高い。

そうなればエクトの資産が自分の手から離れてしまう。

再び管理下に置くことは難しいだろう。


となれば、その前にこのパーティーから抜けるしかない。

エクトの資産を持って逃げよう。


(パーティーから抜けるには…いいきっかけかも)


私としてはこのパーティーに長くいすぎたのだ。

それだけ居心地が良かったのかもしれない。


多分、このまま何も起きなければ…

ずっとこのパーティーにいて、自分の目的を果たせなかったかもしれない。

それぐらい心地よかったから。


ティアはそう思いつつも、すぐに気を取り直す。

自分の思いを周りの者に悟られるわけにはいかない。

だから、明るく振舞う。


「そうなんだ。でも、エクトなら大丈夫だよっ。待ってれば帰ってくるんじゃないかな。ねぇ、グラント」

「多分そうだろ」


「そうなのですか…」


ウィズは浮かない顔をする。

ティアとグラントと同じ考えではないのだ。

泣いて逃げていくエクトを実際に見たため、エクトが直ぐに戻ってくるとは思っていなかった。



だからティアはウィズに釘を刺す。

もしウィズがエクトを探しに行き、連れ戻してきたら問題だから。


「ねぇ、ウィズ、少し待ってみよ。エクトだってきっと色々あるんだよ。一人になりたい時とか。もし数日待っても戻ってこなかったら、その時探せば良いよ。ねぇ」


(その時、私はもういないけどね)


「そうだウィズ、心配することない。エクトだってうちのパーティーだ」


グラントも続く。



2人にいわれたウィズは…


「そうですね。心配しすぎなのかもです」


違和感を感じながらも納得するのだった。




こうして4人組のパーティー「トロイ」は、エクトが戻ってくることを待つことになった。



~~~~~~~~



暫くして。

宿の外でティアとグラントは2人で会う。


「ティア、どうするんだ?本当にエクトに見られてたんなら、すぐに探しに行った方がいいんじゃないか?」

「エクトなら大丈夫だよ。ウィズにもいったけど、ちょっと時間をおいてみようよ。グラントも賛成してくれたでしょ」


「それは…ウィズの前だからだ。ウィズは俺達の関係を知らないだろ。エクトがどんなにショックを受けているか」

「グラント、心配しなくても大丈夫だよ。エクトだって冒険者なんだし、少ししたら回復するよ」


「そうか…エクトの性質を考えると…それは楽観的過ぎないか」

「大丈夫大丈夫~。暫く様子を見ようよ、ねぇ?いいでしょ?」


グラントは暫く黙り。


「…そうだな。でも、次のクエスト期限があるだろ?エクトがいないとうちのパーティーは機能しないぞ」


「それは考えてあるよ。ほら、エクトが作ったポーションの予備はたくさんあるから、暫くはエクトがいなくてもやっていけるよ。戦うのは私たちなんだし。次のクエストで試してみよっ」


ティアはアイテムボックスにあるポーションを見せる。

エクトが作ったもので、各属性のポーションがそろえられている。

これだけあればどんな魔物でも対応可能だ。


「まぁ、確かにそうだな。一回ぐらいなら…エクトがいなくてもなんとかなるかもしれない。今までやったことはないが」


「うん。それに大丈夫。最後はわたしが謝れば、エクトは許してくれるよ。だってエクト、わたしのこと、すっごく好きだもん」

「それは・・・・見ていれば分かる」


「さっき確認したけど、まだアイテムボックスの共有設定も解除されてないみたいだし。私のこと信頼してるんだよっ」


グラントは渋い顔をしてから…


「…そうだといいな」


小さく呟く。



こうしてティアは、グラントを宥めるのだった。


彼女にとって、今エクトが戻ってくるの都合がよくないから。


きっとエクトが戻ってこれば、アイテムボックスの共有は取り消される。

そうなれば、私のアイテムボックスに入っているエクトの資産は回収される。

エクトの資産を持って逃げられなくなる。


だからティアは自分に言い聞かせる。


(エクトが戻ってくる前に、後1つ…)


(後1つクエストをこなせば…目標金額の1000万Gになる。そのためには、今の状況でもう一つクエストをやらないと)


(後1つでいいんだから…後たった1つで、数年間の努力が報われるんだから)


(絶対に失敗できない)


(わたしとグラント、それにウィズがいれば…クエストを達成できるはず。エクトのポーションさえあれば)


ティアは自分に言い聞かせた。


少し止まっていましたので。

明日は複数話投稿です。

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