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最底辺冒険者VS上級冒険者 2

前話ですが。

投稿後、23時頃に加筆しています(+500文字)


「お、お前、その目は、なっ、なんだ…」


驚くギルデイン。

俺の目を見てガクガクと震えている。


「それにこの感覚。まさか……お、お前…加護もちかっ!」

「ご名答」


俺はギルデインを見る。

すると可笑しなことに気づく。


(奴の精霊因子の動きが明らかにおかしい)


(普通の加護持ちの動きとは異なる)


(その違和感の源は……奴の腕輪かっ)


(……)


そして気づく。


「ギルデイン、お前、加護が離れかかっているな。いや、そもそも今のお前の加護は…偽物だな」


「な、何故それをっ!」


苦々しい顔をするギルデイン。


(やはりか……)


「その腕輪が偽物の加護を与えているようだな」

「……」


とっさに腕輪を抑えるギルデイン。


「そういえば、『元』B級だったな。加護がなくなってランクが落ちたのかな。ギルデイン、何があった?加護はそうそう簡単に剥がれるものではないはずだが?」


「うっ、うるさいっ!黙れっ!」


「元の加護はどうした?精霊に見捨てられたのか?随分自分の冒険者ランク、加護にこだわりがあったようだが」


「違うっ!この…黙れっ!F級ごときがっ!」


「それと、その腕輪を何処で手に入れた?」


「お前などにいう必要はないっ!。それにだ。そうだ、知ったからには、お前は生かして返さない。はははっ」


「なんだギルデイン、俺に勝つ気か?」


「当たり前だ。いくら加護を持っていようと…最底辺の生産職…それなら、この偽者の加護で十分だっ!!!」


ギルデインは腕輪をさらに光らせる。


「いけっ、ジェネラルっ。奴を殺せっ!かみ殺せっ!」



俺は『ウィンディーネの瞳』の能力を発動する。

いや、正確には先程から発動させていた。


ピピピピピッ……


ピピピピピッ……


頭の中で音がする。

声が聞こえる。


===============


対象個体の精霊因子計測を開始します。


種族測定開始。


…………

…………


種億測定終了。


個体特性測定開始。


…………

…………


個体特性測定終了。


属性特性計測開始。


…………

…………


属性特性計測終了。


魔力特性計測開始。


…………

…………


魔力特性計測終了。



計測結果を表示。


==結果====

894075656907869

3270057907-6-39

678-89468675782

678098-74662578

389646409476066

9786930-6279866

-----------------------

----------------------

-----------------------

----------------------

-----------------etc

========


===============



俺は計測結果を見る。

全て数字で表示されているが、そこから意味を読み取る。

俺にはその能力が備わっていた。


(いや、備わされた……)


すぐさま計測結果を、手元のポーション属性に反映させる。

拒絶反応を、目の前のジェネラル・ヘルハウンド用にあわせるのだ。


具体的には、ポーション調合の4段階の一つ、固定段階での調整を行う。


~ポーション調合の4段階~~~


集約:各属性の精霊因子を集める 

形成:精霊因子を固定化させて枠を作る

放出:枠の中で精霊因子を現象に転化して出力する  

固定:液体の中に放出状態を固定化する


~~~~~~~~~~~~~~


通常のポーションは固定状態になれば性質を変更出来ない。

でも俺は、固定状態になっても性質を変化できるように、変数パラメータを加えていたのだ。


相手の魔物を数値データとして見られるからこそ出来る芸当。

俺にしか出来ない技。


変数を変更し、ジェネラル・ヘルハウンド用にあわす。


(よし、できたっ!)


その証拠に、ポーションがわずかに光り輝く。


(これで・・・終わりだっ!)


襲いかかってくるジェネラル:ヘルハウンドに向かって、ポーションを投げる。

2つのポーションがぶつかり、拒絶反応で爆発する。



―――ドゴンッ!



目の前のヘルハウンドは消滅した。



「ば、ばかな……なぜ……お前、今何をした?それは効かなかったはずっ!まったくの別物じゃねーかっ!」

「2度も言わせるな。ギルデイン。お前に説明する必要はない」


「こ、この……化け物がっ!!!」


呆然とするギルデイン。

奥の手が一瞬で消えて放心しているのだ。


「どうした?さっきまでみたいに笑わないのか?まさか、余裕がないのかな?」

「う、うるさいっ!…なんで…どうなってる…なんで俺の魔物達が……」


混乱するギルデイン。

頭を抱えて後ずさっている。

現状を認識できていないのだろう。


「終わりだギルデイン、投降しろ。ティアから奪ったものを全て返せっ」


「ぐっ…こんなはずは…こんなはずがあるわけない…やつはただのF級生産職で…俺は……加護持ちで…天才で……元B級だぞっ!こんなバカなことがぁあって…たまるかっああああーー!!!」


ますます混迷を深めていくギルデイン。

なにやらブツブツ呟いている。


だが俺は一歩ギルデインに近づく。

奴の遅れた現状認識に付き合っている暇はない。


「もう分かっただろ。ギルデイン、お前の魔物じゃ俺には勝てない。これが実力の差だ。俺とお前のなっ」


「…ぐっ…バカな…この俺が…ルーキー如きに…最底辺の生産職如きに…負けるわけが…そんなことが……認められるかぁああああっーーー!!!」


ギルデインの腕輪が光りだす。


(むっ、まずい…)


(あの光は……加護の固有能力か)


(偽物の加護だと思って油断した…)



~~~~~~~~~~


加護には基本能力と、固有能力がある。


基本能力は、加護を持っていれば誰もが使える恩恵、能力。

固有能力は、加護を持った本人の特性と、加護の相性によって生まれる特別なもの。


獣の加護の場合、魔物を従えるのが基本能力。


固有能力は……人の数だけあり、未知数だ。


~~~~~~~~~~



「はははっ、きたきたきたああぁあっー。力が、ヘルハウンドの力がっーーー!!!」


光につつまれ、活力をましていくギルデイン。


(あれは……)


俺はウンディーネの瞳でギルデインを見通す。



(あいつ…ヘルハウンドの能力を自分に付与させている)


(いや、あれは憑依か……)


(自分の個体情報を、ヘルハウンドの個体情報で上書きしている)


(無理やり体のスペックを底上げしているのだ)


(特に身体能力が異常な程上昇している)



(まずいな…)


(だがあの状態…人と魔物の間)


(さしづめ…キメラといったところかな)



「ふははははっ!、力が…力が溢れてくるっ!」


生命力に満ちたギルデインが俺を見る。

体の表面も黒く変色している。

まるでヘルハウンドだ。


「どうだ、F級っ!これが才能の力、加護の力だっ!固有能力だっっ!はははっーー!」


(だが甘い。奴の加護は偽物、それ故安定していない)


(それならばっ)


(チャンスは奴が油断している、今しかないかっ)


ポイッ ガシャン


俺はポーションを地面に投げて爆発を起こす。

土煙がまう。

ギルデインの視界を奪う。


「うっ、お前っ」


俺は腰のナイフを持ち、疾風のごとく駆け出す。


パリンッ


ナイフを突き刺し、ギルデインの腕輪を破壊した。


「な、お前、あっ、腕輪が…加護が、あああっーーっ!、加護がっ!、俺の力がぁああああああーーー!!!」


「弱点を堂々とさらしている方が悪い」


「なぜ、バカなっ!生産職のお前が。そんな動きを…」


「油断していたようだな。生産職だからといって、身体能力が低いわけじゃない。武術訓練は幼い頃より受けている。ただ、滅多に使用しないだけだ」


「お、お前はっ……一体…、ぐぐぅっ…ちから…がっ」


加護の力が抜け、元の状態に戻るギルデイン。

いや、前より疲弊している。

無理やり加護を使用し、体のエネルギーを消費したようだ。

はぁーはぁーと荒い息をしている。


「ギルデイン、もう手品は終わりかな?」

「ぐっ……」


ギルデインは唇を噛む。

だが、その瞳は揺れている。


(もう手がないのだろうな)


「ギルデイン、投降しろ。でなければ、お前に当てるぞ。次ははずさない」


俺がポーションを掲げると。

奴は魔物がポーションで消えた姿を思い出したのか。


「ひいぃぃっ!ま、まてっ、やめろっ!!」


悲鳴をあげるギルデイン。


そして勝てないと悟ったのか…


「く、くらええっ!」


錯乱したように何かを投げてきた。


一瞬で辺りが煙につつまれる。


(ちっ、これは煙幕か……)


魔物から逃げる時に使うアイテムの一つだ。



視界の隅では、ギルデインが逃げていくのが見える。


(さすが元上級冒険者か……)


(混乱していても、勝てないと思った相手から逃げる程度には状況判断ができるようだな)



すぐに追おうとしたが…


(うぐっ。体が思うように動かない)


(精霊の加護を使った負担か……)


(まだ、使いこなせないな……)


(加護の連続使用はきついか……)




ギルデインが逃げたのは洞窟の反対側。

俺がいない方向。

もう一つの出口に向かった。



俺はギルデインが逃げた方向を『ウィンディーネの瞳』で読み取ると…


ある者の気配を捉えた。



そして思わず呟いてしまう。


「ギルデイン…そっちは…ダメだろうな。悪手だ」

エクトの秘められた力…


WEB拍手&感想&評価ありがとうございます。



ハイペースで投稿してストックが…

次回は…

明後日、25日の夜に投稿予定です。


■その他

止まっていましたが、週一更新始めました

『7人の聖女召喚~料理スキルLV80の俺は、おねえちゃんと世界最強になる』

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