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怠惰な姫君と隣国の王子様  作者: カナリア
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暴露ネタやばし!の件について。

「ーそれでアーテ様、今日はどういったご用件で?」

「何だったかなぁ…。まあそんな事よりー」

「アーテ様…?」


ゴゴゴゴゴー…


「ひぃっ」

「ガチで追い出しますよ?ふざけないで頂きたい」

「どうもすみませんでした〜。(棒)」

「ギロリ…」


懲りない奴め…♯

…おっといけないいけない。


「まあまあ二人共落ち着きなさいよ。王子直々にうちの城に来るとは、相当な事がない限りあり得ない話よね。忘れたなんて嘘なんじゃないかしら?」

「テヘペロ!バレたぁー?」

「バレたぁー?じゃないです!もう、しっかりして下さいよ!そういう面倒なキャラは姫様だけで十分ですからぁ…」

「ベルク、部屋に戻っていいかしら?あんたなんかにかまってる暇はないのよ。もう寝たいわ」


うわぁ怒ってる…こうなったらしばらくこのままだからなぁー…


「姫様、今昼です。そして怒らないで下さいよ〜」

「姫様ぁ、私は姫様と共に今日を過ごしたいですわ!ベルクなんか放っといて私とティーパーティーでもしましょう!ね?」

「I can't!」

「いきなりの英語!」

「我不能做!」

「もはや何言ってるかわからん!」

「つまり出来ないって言ってるのよ。しつこいわ」


あれ?今なんの話してたんだっけ?


目的を忘れた彼ら。果たしていつまでこんな話を続けるのでしょうか?そうです。気付いた時には日が暮れているという…


「ーでなんの話をしてたんだか覚えてる人〜?」


シー…ン


「…アーテ様の来国内容についてですよ〜」

「…あ!そういえば、アーテ様は書状も何も持ってらっしゃらないのですか?」

「うーん…あるねw」

「あるならあると言って下さいよ!!!全くもぉ〜…」

「許してちょんまげw」


私は思いました。こんな王子様聞いた事ないぞ…?最初からこんなキャラだったか?、と。


各国の王室事情はそれ程公にはなっていない為、どんな方がいるのかが分からないという現状。よって他国に出向くか我が国に出向かれるかしない限り、王家の者に会うことはないのです。それに、基本的には貿易やら何やらで国に出向くのは使いの者であり、直接会うというのは何か相当な理由があるという事。それをあの王子は…!おっほん。落ち着け落ち着け、ベルクよ。


だがアーテ様、あなたは今子供たちの夢を思いきりぶっ壊してますよ。


「えぇと、『先日は我が国の絵師を招き絵画展を貴国で開いてくれた事、ありがたく思っている。この度息子のアーテをそちらに送ったのは、貴国に頼みがあるからである。今度我が国で音楽祭を開こうと思っているのだが、貴国の音楽家を招きたいのだ。勿論もちろん貴殿やメロディ姫方も招きたい。きっと今頃、アーテにブチ切れてる方がいるとは思うが…すまない。我が息子の中では一番ましな奴を送ったのだが…。ともかく先日の御礼に是非我が国へー』だそうですけど」

「それは良いですね!是非行きましょう、姫様」

「そうね」


珍しく姫様が納得した…!

…と思いきや


「いってらしゃい」


爆弾発言。


「いやいや姫様が行かなくて誰が行くのですか!」

「お父様やお母様、兄様方に妹達が行けばいいじゃない」

「そうかもしれませんが〜…」

「姫様、文書は姫様宛てですよ?面倒なのは承知しております。ですが姫様、私が訪問後に…抹茶プリンを作ってさしあげると言ったら…」

「行くわ」


そ・く・と・う…!


そうなんです。姫様は抹茶プリンには目が無く、すぐこれに釣られてしまうのです。ただしこの技を使えるのはメストに限る…。そう、この技はメストにのみ許された禁断の技…!


「喜んで行こうじゃないの。抹茶プリン…嬉しいわ」


あぁなんと美しい満面の笑みでしょう…!長い間姫様は退屈そうな顔しかしなかったものですから、もう感動の一言に限ります…!


姫様は抹茶プリンでしかこんな表情を見せてくれないのです。


笑っていれば本当に美しい御方なのに…。あっ…。姫様の視線が痛い。汗


「あの〜、さっきから気になっていた事があるのですが…」

「なぁに?ベルク」

「そこのキラキラした小さいの、何でしょうか…?」


アーテ様の為にあらかじめ用意しておいたティーセットの陰からキラキラした小さいのが、ちょこんと顔を出しています。かと思ったら「はっ!」と言いながら焦って隠れる始末。


お姉さん、可愛い羽が見えてますよ。


夜水よすい、出ておいで〜」

「はっ?誰もアーテの言う事なんて聞かないんだから!」

「おっと、反抗期かい?」

「調子乗らないでくれる?いくらお互い腐ってるからって…BL本貸し借りしてる間柄だからってアーテなんかの言う事なんて聞きたくないわ!」

「夜水…それはタブーだよ。言っちゃいけないでしょ」


〜♪ぴーんぽーんぱーんぽーん

只今沈黙が広がっております、少々お待ち下さい。


アーテ様の表情は一気に引きつった笑顔に変わり、その場にいる全員が固まる始末。


明らかにこれは怒ってるだろw全力でその笑顔が怖いです。そりゃあまあいきなり腐ってる事を公言されてしまっては、怒るに決まってますよねぇー。


「…それは置いといて、紹介しよう!メイドという名のいそうろu」

「余計な事言わないで」

「ごめそ!華の妖精夜水でーす!もう!ほんと可愛いんだから!…悪態さえつかなければ」

「なんですって?」

「何でもないよ、夜水♡」


仲がよろしいようで。


「改めまして、夜水と申します!以後お見知りおきを…」


そう言うと夜水は静かにひざまずき、手を胸に添え姫様に挨拶をした。


「姫殿下」

「何かしら?」

「もうほんっとうに可愛いですね!!!姫殿下大好きです〜!」

「…ぽっ/////」


姫様が照れてる…!?(従者一同)


これはまさかの新たなる百合文化が発足する予感…?

なんてなw

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