表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

詩集〔心を謳う〕

短詩〔陽炎の歌〕〔時の自室〕

作者: 文月

〔陽炎の歌〕


夏は来る

待たずとも来る

自由に来る

私は逃げない


暑い夏

長い夏

そしてそれは

悪い夏


それでも私は逃げない

決して逃げない

陽炎が揺れて笑う

汗は止まらない


こんな夏だけど

私は前を向く

冬のように居たいけど

それでも空をみる


あんな大きな雲が

流されている

それでもそこにある

ちゃんとある


夏を生きる人よ

汗を流す人よ

涙すらこぼれるだろう

崩れ落ちることだろう


そんなひととき

ふと空へ口ずさむ

揺れて乱れるも

強き陽炎の歌

私達はここにいる


〔時の自室〕


朝になる

私は朝を見る

似た景色を見る

この自室で


昼になる

私は昼を見る

変わらない景色を

この自室で


夕暮れて

微かに浮かぶ

思い出に

手を伸ばせばそっと

消えていく


夜になる

私は夜を見る

見飽きた景色の

この自室で


景色は変わらない

思い出は戻らない

ただ暦が変わる

それだけだ 


それだけでいいのか

それだけでいいのだ

変わらなくていいのか

変わらなくていいのだ


そんな当たり前を

ふと振り替えれば

思い出す

同じ時など一つもない


朝になる

私は朝を見る

変わらない

いつもと違う自室で


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ