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ワールドゲート  作者: MA
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第7話


夏音は街の人に聞いたこの都市の一番安い宿の前にいた。


宿に入るとスキンヘッドの親父が暇なのだろう居眠りをしていた。

わざと音をたてながら近づくと夏音に気付き親父は寝てたわけじゃないと言わんばかりに口をひらいた。


「すまんな…考え事をしていて気づかなかった。宿泊か?1泊銅貨5枚で朝食は朝6時の鐘から8時の鐘の間。夕食は夜6時の鐘と8時の鐘の間だ。湯桶と水桶は無料だから言ってくれ」


「あの…この都市ははじめてなんですが鐘ってなんですか?」


「なんだ坊主!珍しい見た目だから国は違うと思ったがあんた鐘を知らないのか?」


「えぇ。恥ずかながら遠い国なのもありますがかなり田舎だったもので。」


「鐘ってのは2時間おきになる鐘のことである程度規模がある街ならどこにでもあるぞ。ちなみに今は夜6時の鐘から少しだ。どうする?泊まって行くか?」


この親父…どこにでもある鐘を知らないほどの田舎者だって内心笑ってやがるな…


夏音は被害妄想を暴走させるが泊まる場所がないのも困る。


「2泊お願いできますか?」


「あぁ構わんぞ。2泊で銀貨1枚だ」

成る程…銅貨10枚で銀貨1枚なのか。他の硬貨の価値もそのうちわかるだろう。


夏音は銀貨を一枚渡すと依頼で宿にはあまりいないことを説明して宿泊中の食事とベッドメイキングなどの部屋の掃除がいらないことを宿の親父に伝えた。


これは地球に戻るための言い訳であって夏音がいないことを不審がられないようにするための嘘だったが宿の親父は面倒が少なくなって良かったと小さくぼやいていた。


6時の鐘がすぎても晩飯を作らず居眠りしてる店主…


恐らく客は俺だけだろう。


この宿は本当に大丈夫なのか?主に経営的な意味で。


部屋に入ると思ったよりも綺麗で無駄なものはなくベッドとテーブル、ランプに姿見くらいなものだ。


夏音はすぐにベッドに横になり作りたてホヤホヤのギルドカードを見ていた。



ギルドカードには名前と年齢とランクが書かれている。


ん…?


名前とランクはわかるが年齢はなんでわかったんだ?

しかも14歳になっている。



あの魔玉か?恐らくあの光りの線は個人の読み取りをしていたのだろうけど年齢を読み間違えている。成人男性を14歳に間違えるなんてまだまだだな…


なんてくすりと笑いながらギルドカードをしまいごろごろしながら明日からのことを考える。


まずは依頼を受ける前に装備を整えてこの世界のことを調べたいな…


情報を征する者は異界を征すなんて言っていたが1日じゃこの世界のことはほとんどわからない。

早いうちにこの世界のことを調べなければこれからのこちらでの生活に悪い意味で大きな影響を及ぼすだろう。


それに一般常識も大事だがやっぱり魔法が使ってみたい!!


未だに使い方がわからないし誰に聞けばいいかもわからない。


これも明日から調べよう。


さてと…今後の動きも決めたし地球に帰るかな。


夏音はシートを手にとり壁に近づいた。


壁の近くには姿見が立て掛けてあり夏音の姿がちらちらとうつっている。


それに気づいた夏音はシートをひろげる手を止めた。


そこには少し身長はあまり変わらなかったがかなり若返った自分の姿があった。


目をこすり自分の目が悪くなってしまったのでは…と何度も確認するが姿見にうつる自分の顔は若返ったままだ。


何故だ?確かに異世界転移門の設定で年齢は22歳で固定されていたはず…


意味がわからずゲートを開き説明書を読むために地球に帰る。


地球に帰るとそこは真っ暗な自分の部屋にいた。


時計が淡く光り深夜0時50分をさしている。


時差は6時間くらいか…と頭の隅にいれておく。


時計の淡い光を頼りに手探りで電気をつけた。


電気がつくと急いで洗面所に走り鏡を確認する。


異世界とは違い22歳相応の顔がそこにはあった。


夏音はふぅーと息を大きく吐いてほっと胸をなでおろした。


だがほっとしたのも束の間すぐにさっきの部屋に戻り説明書をひろいあげ読み返す。


説明書には小さく地球の年齢から±10でランダムに設定されるとあった。


こんな大事なこと小さく書くなよ!とつっこみを入れる。



だけど俺はまだましなほうかもしれない。


10歳が100万も出せるかわからないがもし10歳がやっていたら0歳で野垂れ死ぬかもしれないのだ…

その場合は誰かから産まれてくる設定になるのか?


でもそれだと90歳のお爺さんがやった場合は100歳スタートでいきなり寿命なんて報われないことも…


例が極端だがそう考えれば中々恵まれているかもしれない。


ちょこちょこ子供扱いされたこともこれで納得できた。


まさか起動すると思っていなかったから説明書もちゃんと読んでなかったしな…


今からちゃんと説明書を読み返そうと決めてベッドに横になるが夏音は眠気には勝てずに睡魔に意識をまかせた。



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