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「それはそれとして」


 まぁ、でもとりあえずこの状況を片付けるところからだね。


「な、何故!?封魔の手枷をつけていたはず!?」


「あんなの、すぐに壊したよ」


 封魔の手枷は相手の魔力の操作を阻害する中々に強力な代物だ。

 それ一つで多くの人を無力化出来るだろう。

 だけど、あれはちょっと多くの魔力を流しただけで壊れてしまうような代物だ。僕をずっと閉じ込めておくにはちょっとばかし力不足だ。


「だから、魔力も使い放題さ」


「ぶぼっ!?」


 魔力で全身を強化した僕はそのまま膝蹴りでまずは一人の女看守を処理する。


「フハハハハハッ!」


 そして、そのまま流れるように僕は他の四人も処理する。


「造作もないな」


 その間にまともな時間もかからなかった。


「……さて、と」


 女看守を処理し終え、僕がお姉ちゃんたちの方に視線を向ければ、そこには黒装束の少女たちが立っていた。

 お姉ちゃんは再び気絶させられている。


「ベルカナか」


 黒装束の彼女たちは僕の配下ということになっている秘密組織『ルーンコード』の手の者だ。顔は隠しているが、それでも背丈格好でわかる。


「ここに」


 少女たちの上に立っているベルカナが僕の元へと近づき、そのままこちらへと膝をつく。


「手の者か?」


「……よくぞ、お気づきで。ウィアド様の救出の為、忍び込んだところ、ある部屋を見つけました」


「素晴らしい」


 良いね。良い……素晴らしいよ。

 今、最高に僕は影の実力者しているよ。アニメで見た通りの、暗躍組織そのままだ。素晴らしい。めちゃくちゃカッコいいじゃん!

 さいこー!


「明かせる証拠だけは明かしておけ。後片付けに巻き込まれるのは我が家も含まれる。そのサポートのほどもしてやらねばな」


「ハッ」


「さて、代償を払わせるとしよう。商会に、血の雨を降らせるのだ」


「承知いたしました」


「僕は僕で動く」


「こちらの方はお任せあれ」


「うむ」


 よぉーし!お金だ。お金。

 商会のお金をかっぱらおう。別に母にねだればいくらでもくれるだろうけど、自分が好きに使っても出所を疑われないお金が欲しい。

 稼ぎ時だぞーっ。


 

 ■■■■■



 無法者の刹那主義者が檻から解放され、自由に荒れ狂っている中。


「私たちは、真実を求めているのです」


 ルーンコードは自分たちの役目をしっかり果たしていた。

 自分たちの役目とは何か?

 それはゼノンが与えてくれた世界の真実の切れ端。それを辿り、世界の真実へとたどり着くことだ。


「私たちは、道を知りたいのです。すべてがつながった先にある道が何であるか。私たちの敵は一体誰なのか。何故、私たちがあの森に捨てられたのか。そのすべてを知りたいのです」


 この世界にはいくつかの秘部があった。

 まず、何故男女比が正常ではないのか。そこからして疑問だ。

 この世界は疑問に満ちていた。

 

 この世界で幾つも起きているあまりにも多い未解決の誘拐事件。

 何処にでも蔓延している違法薬物の出所。

 世界中で何者かによって引き起こされているテロ事件。

 この世界の、幾つもの惨禍はある一つの道に繋がっている───そう、ゼノンはベルカナに告げた。

 

 それ以来、ベルカナの生きる意味はその道の先に居る者が誰であるのか。

 それを探る為のものになった。


「どうでしょう?その、すべてを私たちに語ってはくれませんか?暗黒商会を統べる者。モードレッド卿」


 今日は、その道を進む歩むの中の一歩であった。


「貴方はまず、何歳なのですか?」 


 リリボン商会の地下に広がっていた巨大空間。

 その最深部にいた一人の女性に向け、ベルカナは疑問の言葉を投げかけた。

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