AI
「えっ!?何何!?急に何!?怖いんだけどぉ」
突如として声を発しだしたモノリスを前に僕は困惑の声をあげる。
「……AI?今、AIって言ったよね?」
『肯定します。私は最終自動管理AIのハルと申します。人類の皆さま方への案内の為、作られました』
「……はぇー」
僕の知るAIは著作権を無視して無断学習しまくってあちらこちらから恨みを買っている存在だと思っていたけど、こんな風に人の案内をしたりとかできるようになっているんだ。
ちゃんと有効活用されているんだね。AI。
『プログラムZ:最終宣告後の人類案内を開始いたします。聴衆者はプログラム:天逆鉾をご存知ですか?』
「ん?いや、知らない」
何とも日本風なプログラム名だ。
なんか世界規模で起きてそうな大事件そうだけど、それに合わせてのプログラムが日本の名前のことあるんだ。びっくり。
『回答を確認。プログラムC起動します。人類は撤退戦を開始しました。我々は敗北しました。応援をしてくださった人類の皆さま、我々の敗北を謝罪いたします』
「おっ?」
何だ?人類は何処かと戦っていたのか?
『既に模倣は始まっています。一部、彼女たちは模倣に失敗しました。まだ、人類に希望は残されています。彼女たちにはまだ多くの隙があります。故に、人類は雌伏の時を過ごすことを決断しました。人類はコールドスリープを決断しました』
「……コールドスリープ」
コールドスリープ。
それがあれば、僕は死ぬよりも前に一度眠り、治療法が確立されるまで眠っていればいつかは僕が治れる日も来たのかな?
いや、人類が滅んでいるんだから無理か。それに、その技術があったとしても僕に使うわけがない。
『コールドスリープに際し、人類が失ってはならないのが希望であり、目覚めた先での使命感です。人類は勝たなければなりません。プログラムCに基づき、まずはプログラム:天逆鉾の詳細から説明させていただきます」
「……それにしても、コールドスリープねぇ。ワンチャン僕も実は死んでいなくて」
『我々人類は星外生命体の技術による観測を実行。その結果として、1つの道に通じる生命体であるという結論を得られました。誰かが陸上で十秒の壁を打ち破れば、それに伴って次々とその壁を打ち破るように。人類は個人一人の結果を道で通じて己の糧とし、永久に成長し続ける生命体であるというのです』
「いや、僕はちゃんと転生したか」
赤ん坊になってここまで成長した記憶もある。元々コールドスリープしていました、なんてことにはならないだろう。
それに見た目だって結構違う。
前世の僕は線が細すぎたからね。
別に今の僕も筋肉隆々というわけではないが、傍から見て死人か?と思わせるほどの線の細さと希薄さはしていない。
『人類はシンギュラリティを見つけました。道に埋もれていた巨大な遺産。人類はそれを見たのです。それを元とし───』
「……うーん」
なんて無駄なことを考えながらも僕はAIの言葉に耳を傾ける。
「(……長いなぁ)」
そんな僕ではあったが、。ちょっと飽きてきていた。
いや、……でも、仕方なくない?めっちゃ話長いんだもん。
なんか途中から話がプログラム:天逆鉾についてとなっているし。普通に何を言っているかわからないよ。
「(……時間ヤバいなぁ)」
そろそろ自由時間が終わる。
僕は自由人ではあるが、ちゃんとルールは守るのだ。それくらいの良識はある。自由時間から遅れて戻ったら心配されるとかの次元じゃなさそうなんだよなぁ。
絶対に何処からか話を聞き入れた姉たちが騒ぎ出すよ。もうわかる。僕の姉二人は普通に優秀なんだよね。アスカねぇだけではなく、リーノねぇでさえも。
「……帰るか」
うん。帰った方が良いね。これは。このままずるずる話を聞いていたら、帰るタイミングを失う。
このままAIには一人、話し続けてもらおう。
AIとか詳しくはないけど、別にAIならずっと一人で話し続けることだって出来るでしょ。
『魔力。そう名付けられたそれを人類は───』
「じゃあねぇ」
まだ、AIが話し続けている中、僕はそれを無視して帰路へとつくのだった。
ご覧いただきありがとうございました。
ここより少しスクロールして広告の下にある『☆☆☆☆☆』から評価することが可能です。
ブクマ登録、いいねも合わせて評価していただけると幸いです。
また、感想は作品を作る上での大きなモチベとなります。
感想の方もお待ちしておりますので、気軽にお願いします。




