サメの魔物
「おっほぉ~」
海で泳ぐのは始めてだ。
「海で泳いでいるよぉ~、僕は今ぁ……普通に、泳げているけど」
だが、川で泳ぐのとそう大きくは変わらない。波は強いけど、川も川で水流はあるし、流れの中で泳いでいるという事実は変わらない為、何の問題もなく僕は海での水泳を楽しむことが出来た。
「いや、でも水がしょっぱいのは凄いな」
とはいえ、川とは違う神秘が海にはあった。
見渡す限り一面に広がる水。そのすべてがしょっぱい何て何事!?だよね。一体、どういう理由でしょっぱいんだろう?うぅん……日本だったらAIに聞くだけでわかるんだけどなぁ。
「……ァ?」
そんなことを思いながら楽しく泳いでいた折、魔物の気配を感じた僕は泳ぐのを止め、一旦水面に顔を出す。
「ガァァアアアアアアアアアア!」
その瞬間、僕とほぼ変わらないタイミングで水面へと一気に顔を出してきたサメのような生き物が、此方に向かって突撃してくる。
「そんな鳴き声なのっ!?」
それに対し、まずはその口から出てきた咆哮に驚いた後、こちらへの攻撃を回避する。
「いやはや、びっくり生物だ」
サメのような生き物の鳴き声が『ガァァアアアアアアアアアア!』という子供なら泣いてしまうようなものであることもそうだが、その他にもびっくりポイントはある。
まず、ひれが2つあり、口も2つある。双頭のサメだった。どんな生物だよ。
ツッコミを入れたくなるトンデモ生物。だが、そのような生物がごく当たり前のようにいるのが魔力を糧に生まれた存在『魔物』なのである。
「うわっ、ゴーグルほし」
僕の周りをサメの魔物がグルグル回っている中、自分の願望を口にする。
海に沈んでいる間は目を開けて居られないんだよな。
「まぁ……別に海の中に戻る必要もないか」
僕の足元でぐるぐるしているサメの魔物の上をぷかぷかしながら静かに魔力を練り上げる。
「……来た」
そして、サメが僕への突撃を行う為に浮上してきたその瞬間、拳を繰り出す。
「ぎゃっ!?」
僕の拳より放たれた魔力の風圧がその場を駆け抜け、海へと浮かび上がってきたサメの魔物の体を宙へと吹き飛ばす。
「海中から僕に向かってくればいいのに、何でわざわざ浮上するんだが」
最初の攻撃でも思ったが、何でわざわざこいつは水上に上がってくるのだろう?
海の中からこちらに向かってくれば、もうちょいこちらも苦戦すると思うんだけど……まぁ、こちらとしては楽になるからいいんだけどね?
「じゃあね」
空を舞うサメの魔物に向け、僕は魔力の刃を伸ばし、その体を斬り裂いてやるのだった。
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