調査
僕とナターシャが共に賭博店を訪れたあの日に襲い掛かってきた連中。
「……ふーん、で?」
その連中の素性調査の結果について、この国の王様であるターニャから詳しい話を聞いていた。
「まず、捕まえてくれた彼女たちなのだけど、その日のうちに全員が服毒自殺。取り調べを行うよりも前に聞けるような状態ではなくなってしまった」
「うん」
「だが、それでもその死体には情報が残されている。それらを精査し、必ずやその素性について調べあげてみせるわ。それで、もうその初報が入って来ているわけだけど……」
「はぇー……」
「というわけなんだけど……聞いているかしら?」
「えっ、あっ、うん」
「……興味ない?」
「いやいや、そんなことないよ?」
いや、まぁ……ちょっと興味ないかなぁ?
犯罪者は犯罪者で、それ以上でもそれ以下でもないでしょう?ラスボスを志す身ではあるものの……それでも、僕はちゃんと幼少期に両親の教育を受けているのだ。
人様に迷惑をかけちゃいけないと教わっているのだ……え?自分はいいのかって?なんかこの世界の人たちは許してくれるからいいのだ。
「き、気を使ってもらった……?……で、ではこれから王家に伝わる魔力の活用法についての解説を!」
「おぉ!」
「何言ってんのよ!」
僕が女王陛下の言葉に歓声をあげようとしたところでナターシャが何処からともなく飛び出してきて、実の母であるはずの彼女の頭を全力で叩く。
「そんなこと、許すわけないじゃない!何を考えているのかしらっ……魔力の活用法は文字通りの力であり、私たちの権威を高めるものの1つであるのよ!それを軽々しく話そうだなんて!」
それもそうだ。
普通に考えて、そうほいほいと話していい内容ではまるでない。
「技術の独占は辞めろー!人類の発展につくせー!」
でも、教えてくれるなら教えてもらう。
邪魔しやがって……!
「貴方も何を言っているのよ!そもそも、そろそろ私たちにとって初めての校外学習があるのよ?二泊で行くかなり大掛かりな授業……そのための荷造りはしたの?早くやらないと間に合わなくなるわよ?」
「……?別に、特に荷物なんてないし、時間もかからないと思うけど?」
男の荷造りなんて前日の夜にドタバタやるくらいでちょうどいいでしょ。
今の僕はお金を使える立場なので、全然手ぶらでもいい。現地調達こそ至高だよね。
「えっ?……いや、男の子何だし、荷物は多くなるでしょ?服とか」
「別に着回しで良いでしょ。家ではお姉ちゃんたちが洗濯してくれるけど……別に洗濯されないならそれでいいでしょ」
「い、い、いいわけないでしょ!?」
「えぇー……だとしても、別に服なんて行先でも売っているんだし、それを買えばいいじゃん。現地の服を。全然それでいいでしょ」
「……貴方はほんと……男の子らしくな……いや、貴方を普通の人の尺度に収めようとしているのが間違いないなのね」
「なんとっ」
何と酷い言い草じゃないか。
まぁ、僕はこの世界の住人から見れば異世界に当たる地球で暮らしていた時代の記憶があるから、その感想になるのも自然と言えるんだけどね。
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