男嫌い
「ねー!ゼノンくんって……こ、こ、婚約者とかいるのかな?」
「そ、そうだねーっ!」
「確かに気になる……!」
僕が通っている学園の、いつものクラスの光景。
「えー?どうかなぁ?」
クラスの女子から何時ものように囲まれている僕は彼女たちの質問に対し、あいまいな笑みを浮かべて誤魔化しに行く。
「まだ僕はちょーっとそこらへんわからないなぁ?でもまぁ、親は僕に甘いし……僕の知らない恋を教えてくれる子がいたら、多分その子と婚約するかな?」
「「「キャァァァアアアアアアアアアアアッ!」」」
からかうような僕の言葉に反応し、クラスの女の子たちは一気に僕の方へとにじり寄ってくる。
「アハハっ」
うーん、僕の望む恋愛の形ではないけど、これはこれでいいな!
別に僕は何もしていないのに、何故か女の子たちがわーきゃー言っている……これが、これこそがなろう系?みんななろう系のチョロインじゃないか。
また何かやっちゃっただけでハーレムを作れる気がするよ。
別に要らないけど。
「あっ、じゃあ、僕はトイレ行ってくるからぁ」
「と、とと、ととと」
「男子トイレ少ないから不便なんだよなぁ?もっと数が欲しい」
この学園に男子トイレは1個しかない。
僕のいるクラスの近くにはないから、トイレに行くだけでも不便なのだ。
もう女子トイレに突入してやろうかな?この世界のノリなら喜ばれる気がする。全然犯罪者にならないで済みそう……まぁ、流石の僕もね?
最低限の中の最低限の良識や常識というのは持ち合わせていますから。流石にそんなイカレ狂ったことはしないけどね?僕が手をかけるのは好きにしてよさそうな犯罪者連中だけだ。
「ふぅ」
周りの視線を浴びながらトイレにまで向かい、帰ってくるときは行き以上の情欲に染まった視線を浴びながら僕は再び自分のクラスへと戻ってくる。
「あれ?ナターシャ?」
そんな僕を真っ先に待っていたのは王女であるナターシャだった。
「……?」
僕の前に立っているナターシャはブスっとした表情でこちらをただ見つめているだけだった。
「もしかして、怒っている……ハッ、やっぱり何も言わずにドロンしたことを怒っている……?」
こうして顔を合わせるのはあの時以来。僕が王都に来た時以来だ。
同じクラスメートなのは知っていたけど、こうして顔を合わせることはなかったからね。
彼女の方から声をかけられることはなかったし、僕は何時もみんなを侍らせているから話しかけに行けるような隙はなかった。
いや、でも、僕は彼女の命を一度救っているのだ。あれくらいの自由くらい許してくれなきゃ嘘だよね?
「……あまり、調子には乗らないことね?」
「……およ?」
困惑していた中、真正面からナターシャに告げられた敵愾心のこもった言葉を聞いた僕は首をかしげる。
「……えぇ?」
そんな僕のことなど無視し、ナターシャは何処かへと歩き去ってしまう。
「何だったのやら」
そんなナターシャに困惑しながらも僕は自分の席に着く。
「態度悪いわよね!あの王女様!」
「……ん?あぁ、そうかも?にしても、あんな真正面から敵愾心を向けられたのは初めてかも」
「そうだよね!大丈夫だった?」
「うん。まぁ、平気だけど」
「あの王女様も信じられないよねぇー、……男が嫌いだとか。男に困ることのない王族の生まれだからってお高くとまっちゃってさ」
「……へぇ?」
ふーん、そうだったんだ。
男が嫌いなのか。だから、あの時あんな敵愾心を感じたのね。納得だ。
それと、男が嫌いのにも納得だ。この世界の男はカスでゴミなクズしかいないからね。
「ふんふん」
他とは違う要素を持った少女。ヒロインか、主人公か。ともかくとして、物語のメイン級を張るにはいい個性じゃない?良い感じだ。
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