帰宅
「ごめんね……ごめん。お姉ちゃんなのに守れなくて」
「ごめん……ごめんっ、ごめんっ……無理、言ってついてきたのにぃ」
リリボン商会の方から自領へと帰る馬車の中、僕はそこで両隣に座っているお姉ちゃんたちから抱きしめられながら
「別に僕は気にしていないからいいよ?」
あの、臭かったのだけは……ちょっと嫌だったけど。
実害と言えばそれだけだ。
その他の被害はなかった。
「汚されて……汚されてぇっ」
「勝手に汚されたことにしないで頂戴?」
僕は前世も今世も純潔だよ。
あいつらは所詮、僕から少し、服を剥いだだけだ。
こっちは看病の一環でナースさんから全裸にされることもあったし、全然その程度であればまったく気にならない。
……本当に臭いのだけがっ。
「だから、本当に二人とも大丈夫だよ?」
特に実害はなかった。
なので、僕は自分の両隣にいるお姉ちゃんたちに気にしないよう話す。
「駄目よ!貴方はただでさえ脇が甘いのよっ!」
「うぅんっ」
「……脇が甘い」
「そうよ!あまあまよ!そんなんだから……そんなんだから、私たちは心配しっぱなしなのよ!」
「心配だよぉ……悪い、悪い人に騙されて……うぅっ」
「……うぅん」
二人が心配しているというのもわかる。
だが、……何と言うか、普通に触り方が少しエロいのだ。
僕がされるがままに抱き着かれていることをいいことに、二人はさわさわ僕の足や腕を撫でている。
ここで脇が甘くない、と思われる為に二人を遠ざけたりしたら、二人はどんな反応をするのだろうか?
「「はぁ……はぁ……はぁ……」」
二人して息が荒くなっているし、その頬は赤く染まっている。
発情に、発情を重ねている様子だ。
「(……はぁー)」
そんな姉二人を他所に僕は内心でため息を吐く。
実の弟に発情するのは如何なのだろうか……?普通にやっていること自体はあの看守たちとそう変わらないぞ?
まぁ、これがこの世界のスタンダードであり、世の女性の在り方なんだけど。
「(別に、恋並びにその先に興味がないわけじゃないんだけどなぁ)」
僕も一応男の子だ。
別に性欲がないわけではない。
でも、僕が期待する恋というのはもっとこう、この世界のスタンダードなものと違うのだ……何と言うか、この世界の女性はみんな性欲が前に出すぎていて、僕の求めるものにならないのだ。
「……無理なのかなぁ」
「ゼノン?……どうしたの?」
「んっ?」
「いや、何でもないよ」
アニメで見たような、甘酸っぱい青春。
それを求めるのは強欲なのだろうか?……だとするなら、しばらく恋愛にはノータッチでいいな。
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