反射
神の御業。
そう、評する他ないほどの絶技が目の前で行なわれていた。
「ガァァァアアアアアアアアアアアアア!」
地面に倒されたドラゴンはそれでも、ウィアドに対してその口を開いてブレスを放つ。
ドラゴンのブレスが、弱いはずない。
それをただの、剣による一振り。
それで打ち消すばかりか、跳ね返してみせた。
「ァァァアアアアアアア!?」
どういう原理。どういう絶技が。
相手の魔力に対し、自分の魔力を叩きつけることで乗っ取り、一時的にその指向性へと変質を加えることで跳ね返したのだ。
「流石です」
理解出来ぬ御業。
他者の魔力の乗っ取りという前代未聞の絶技を前にただこの場に居る少女たちは感服する。
だが、感動こそすれ、驚きはしない。
自分たちの頭が万能の主であると、誰よりも彼女たちが理解していた。
「ガァァァアアアアアアアっ」
自分のブレスを浴び、大きく傷を負ったドラゴンはその場で頭を下げ、ただ喉を鳴らす。
「この程度か」
その、下げられた頭をウィアドが斬り落とす所作は、何処までも自然と素早かった。
当たり前のように斬り落とされたドラゴンの首はゆっくりと、地面に落ちていく。
「これで終いだな」
実に容易くドラゴンを斬り捨ててみせたウィアドは地面へと足をつけ、そのまま丁寧にその腕の中にいたモードレッドを地面に寝かせる。
「ハッ」
そんなウィアドへと跪くウィアドは静かに頷く。
「この女は襲ってきたから返り討ちとした。利用すると良い」
「流石です。既に敵の首魁を討伐なされていたとは」
暗黒商会の頭であるモードレッドも歯牙にもかけない様子の主へと、当然と思いながら、それでも消えることのない尊敬の念を口にする。、
「……?」
「ウィアド様?」
「この程度が……頭であったとな」
「……ッ。この者は、道をも知らぬ者でした。もしやすれば、別の頭がいるかもしれません。気を抜きすぎておりましたっ」
「いや、何もそう大きな組織でもない。この程度であることに、そこまでの違和感もない」
「さようで」
「だが、追跡の手を緩めるべきではないだろう。証拠品を集め損ねるなよ?奴隷販売を行っているのを見つけた。程よく、この商会が国からお咎めを食らうように」
「ハッ。利用可能な部分は残す形で」
「仔細は任せよう。出来るな?」
「もちろんにございます……!」
主から頼られている……!それだけで絶頂しそうになるベルカナは恍惚とした表情でその命令に頷く。
「では、我は……そうだな。姉を迎えに行くとしよう」
その様を見て小さく頷いたウィアドは、ゼノンとして姉を迎えに向かうのだった。
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