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邪神復活

続き物の小説でルビ振るのってどうやるんですか(^_^;)

タグが受け付けなかったよー(´・ω・`)

神と書いてルシファーと読むと良いです。

 バーギルを両手で抱え、ミカエルが立っていた。


「…それは何のつもりだ?ミカエル」


 ロンドが問う。


「今、この者たちを消去するのは得策ではありません、『サタン』にエデンへの入り口を

 開いてもらい、神の降臨を速やかに行うのが我々の仕事のはずです、それに…」


 と、続く言葉をミカエルは止めた。


 このコモナーを殺してはいけない、と自分の思考回路が命じている…と。


 しかしロンドはミカエルの思考を読める。


 ミカエルの思考を読んだロンドは怒りで顔面中の血管が浮き出した。


「ミカエル!貴様、ルシファーに仇なすか!」


 ぶわっと両翼が開き両手を突き出す。


 黒い黒い、ロンドの心の塊のようなどす黒い炎が掌に集まる。


「裏切り者には制裁を!エターナルコアなどもう必要ない!!

 この僕がバークレイ様の傍にいる限り!!」


 暗黒の炎がミカエルに向かって発射された。


 その炎は触れてもいないものを燃やし、蒸発させるほどの力を持っていた。


 だがミカエルは冷静にバーギルを降ろし、杖を炎へと向ける。


「ミュラ」


 巨大な障壁が姿を現し、炎と衝突する。


 黒い炎の塊は100以上の細かな粒子に分断され地面に降り注いだ。


「では…互いのために戦うしかないですね…『ウリエル』」


 ミカエルは既にロンドの背後へと回っている。


「フレーミア」


 詠唱の声に反応してロンドが手を振り払う。


 巨大な閃光とロンドの振り払った手がぶつかり合う。


「ぐ…ぐぐっぐっぐぐぐ……!」


「ディスパーション」


 ドドドド…ン!!


 ロンドの手に当たっていた閃光が四散し、流星となり横からロンドを襲った。






「凄い…これが…エターナルコアの戦い方…ですか…」


 クレシスは驚嘆していた。


 自分の尊敬する人と同じ戦いをする者に。


 それはクレシスの部下たちも同様だった。





 濛々と噴き上げる煙幕からロンドの腕がミカエルに向かって伸びる。


 ミカエルは支点だけをずらし、その腕を避ける。


 そのまま杖を腕に押し当て詠唱を行う


「ファイアーボール」


 零距離でマグマがロンドの腕を直撃した。


 …が、ロンドは怯まない。


 ドロドロに融けた腕はそのままに半身を捻り、ミカエルの体に蹴りを加える。


「……!」


 エターナルコアを内包するパティーシアやミカエルは何も唱えてなくても

 強力な「魔法障壁」が絶えず体を守っている。


 そのことが幸いした。


 吹き飛ばされ、脇腹に痺れを感じながらもミカエルは空中で静止する。


「とんでもない力ですね…『ウリエル』…」


「僕の方こそ褒めてやろう、ミカエル…この姿になった僕にここまでダメージを与えるんだからな、流石はエターナルコアと言った所か」


「だが、それももう終わる」


 ロンドが力を込める。


 大気が震えて、世界全体が脅えるような魔力がロンドの中心に渦巻いた。


「僕の本気を受け止める覚悟があるか…?」


 ニヤリと笑い、ロンドが残った片手を突き出す。


「容易い挑発ですね、『ウリエル』、そのような事を私が受け入れるとでも…?」


「よぉく、位置関係を見てものを言うんだな、ミカエル、後ろを見てみろ」


 ミカエルはロンドの言葉にちらりとだけ振り返る。


 そこには気絶したままのバーギルがいた。


「魔力のないコモナーの居場所にまで気が回らなかったなぁ、どうする?

 こいつを避ければそのコモナーが消滅するぞ?死んで欲しくないんだよなぁ!?」


 ミカエルは杖を構えた。


「ならば…本気の一撃とやら、受け止めるのみです…!」






「その喧嘩、ちょっと混ぜてもらうわよ」


 転移方陣の方から声がした。


 さっきまで何にも目をくれず呪文を詠唱し続けていたパティーシアが放った台詞だった。


 地面の方陣の輝きが数倍に膨れ上がっている。


「『サタン』…やはり邪魔をするか…!」


 ギリギリと歯を食い縛り、パティーシアを睨みつけるロンド。


 そしてパティーシアの心を読んだロンドは躊躇なく手をパティーシアに向ける。


「ちょっと遅い!」


 パティーシアが杖を頭上に掲げた瞬間、辺り一帯が紫色の光に包まれた。











「くっ…ここは、どこだ!?」


 ロンドは目の眩みを懸命に振りほどくと辺りを見回す。


 草もない、土もない、あるのは水、そしてその水の上に数個の魔方陣が浮き出ていた。


「ここが、エデンよ」


 ロンドの頭上からパティーシアの声がした。


 咄嗟に上を見上げるロンド、既に漆黒の翼が攻撃態勢に入っていた。


 だが、右から伝わるマグマの衝撃がロンドの翼を鈍らせる。


 ミカエルが放ったファイアーボールだった。


「サンダーボルト!」


 続けざまにパティーシアの雷がロンドに走りぬける。


「が…あぁ…」


 ロンドはそのまま水の上の魔方陣へと落ちる。


 魔方陣は床としての機能をしているのかロンドが水に落水することはなかった。


「転移させたのは私たちだけ、心置きなく戦えるわよ、ロンド」


 そう言ってパティーシアはロンドを見下した。


「き…さ、まらぁ…よくも…人間を超えたこの…僕を…地べたに這い蹲らせてくれたなぁ…」


 怒りにわなわなと震えるロンド。


「おあいにく様ですが…」


「私たちも、ただの人間じゃあないのよね」


 と言い放つは2人のエターナルコア。


 ロンドの怒りは沸点を超え、叫びにならない叫びを上げる。


 片方が白かった翼が次第に黒く、黒く染まっていく。


 水の上にある魔方陣が次々と消えていった。














「ここは…どこ…だ」


 右腕が変な方向に曲がっている。


 どうやらやつの攻撃で折れたらしい。


 目を覚ましたバーギルがいたのはどこかの聖堂らしき場所だった。


 そこにあるのは一本の剣。


「俺の獲物は見当たらないし…こいつで我慢しておくか…」


 そう言うとバーギルは左手で剣の柄を握る。


 と、剣の柄の先端の宝玉から光が漏れた。


「なん…だぁ…!?」












 エデンにいたパティーシアたちもその光を確認する。


「なに…?」


「『サタン』、あそこから不可思議な波動が…」


「あそこが…ひょっとして神の祭られている場所?」


「喋っている暇があるのかぁ!!」


 ロンドが一足飛びでパティーシアに襲い掛かった。


 もうロンドの目にはパティーシアとミカエル以外映っていない。


 漆黒の翼で何度も何度もパティーシアを防御している腕ごと叩く。


「こ…の…!」


 ロンドの翼とパティーシアの魔法障壁がぶつかる度に、大気が振るえた。


「フレーミア!」


 ミカエルから閃光が放たれる。


 ロンドはその場で回転し、もう片方の翼で閃光を打ち返した。


「!」


 その時、信じられないスピードで光の上がった方向から迫った何かが閃光を弾く。


「よぉ」


 バーギルだった。


 見たことも無い剣を持ち、しかも空中に浮いている。


 いや、剣からフィールドが形成され、

 それを足場として利用しているようにパティーシアには見えた。


「バーギル…どうしてここに…それにその剣は…?」


「あ、知らねぇよ、気付いたら神殿みたいなもんの中にいた、

 で、こいつはそこにあったんでかっぱらった」


「私のフレーミアを簡単に弾くなんて…何で出来てるんです…その剣」


「それも知らねぇ、分かってるのはこいつを掴んだ瞬間にこいつの使い方を理解したってことだけだ」


 ガギィイイイイイン!


 話しは漆黒の翼によって中断された。


 しかし、バーギルの剣は翼の威力を持ってしてもビクともしなかった。


「で…だ、反撃開始だぜ…『ウリエル』さんよ」







 ロンドは肩を震わせ笑った。


「くくくくく…反撃開始?笑わせる、終わりなんだよ、もう、お前たちは」


「やってみなきゃわかんねぇだろうが、このタコ!」


「分かるさ!お前は自分が何を持っているのか分かっているのか!?」


 ロンドは剣を指差す。


「さぁ、出番だよ、ミカエル!」


 そう言うとロンドの指先から光が照射されバーギルの剣の宝玉を経由してミカエルに当たる。







「あああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」







 ミカエルは絶叫した。


 己の中に黒い意識が高まる。


 「何か」がミカエルの中から突き破るような衝動に襲われた。


 刹那、ミカエルの背中が裂け、黒い光が天に伸びた。


 黒い光は天に昇った後、エデンに降り注ぎ、禍々しくも神々しくも見えた。


「さぁ…神の降臨だ…」


 ロンドは黒い翼を広げそう呟いた。

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