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第8話S S編 見える彼女と寄り添ううちの非日常

 バクバクバクとうちの心臓が高鳴るのは聞こえる。


「お姉ちゃんねー瞳が見えるようになりましたーいぇい」

「省略しちゃダメだよ。まりっぺ、……あのね、ユーリちゃんが死期を――」

「まず、あの、あなたを教えてもらえますか」


 招かれた室内には、ラブラドールレトリバーの恰好をした人間がいた。


 エプロンと三角巾をしていることから室内の仕事をしていたのだろう。現実味の感じないこの場で頭がパ二パニパニックだわ。


 どこの誰かと聞いたところで、知らなきゃよかったって思うに決まっているのにね。


「この居室で手違いで自殺をしてしまった者です」

「ああ」

「ユーリちゃんからもらった贈り物のおかげで、まりっぺと一緒に暮らせて、あたしね、今、すごく幸せなんです」


 なんていい笑顔なんだろうか。


 いいな、いいな。


 うちも、あなたみたいな誰かに寄り添ってもらえたら幸せになれるんだろうな、幸せにしてあげられるんだろうな。満たされて笑顔でいられるんだろうな。


 いいな、いいな。


 いつかはうちにもそんな誰かが舞い降りる。

 うちが誰かの満たす存在にもなるんだ。


「すずなさん。これからもよろしくお願いします」


「あは! もちろんだよっ! で、あなたはユーリじゃないし、名前はなんて呼べばいいのかな?」


          ――了――

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