第2話:魅力の余波
### **第2話:魅力の余波**
カフェでカレンとの時間を楽しんだ帰り道、ユウは奇妙な感覚に包まれていた。
「本当にあの香水のせいなのか……?」
カレンとのやり取りは心地よかったが、普段の彼女らしくない積極性に違和感が残る。
カフェの帰り際も、彼女はこう言い残していった。
「ユウくん、また誘ってね。いつでもいいから。」
これまで友人以上の関係になることを特に意識していなかった彼女が、今では明らかに特別な視線を向けてくる。
それが、たったひと吹きの香水で起きたものだとしたら……。
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次の日、ユウはいつも通り大学へ向かった。
しかし、教室に入るなり、いつもと違う熱気を感じた。
「おはよう、ユウくん!」
「ユウくん、お昼一緒にどう?」
「昨日の課題、わからないところ教えてほしいな。」
次々に声をかけてくる女子たち。
普段はクールで距離を保っているようなタイプもいれば、目立たないが真面目そうなタイプまでいる。
まるで彼の周囲にだけ、特別な重力が働いているような状況だった。
「えっと、順番に……」
ユウが軽く応じると、女性たちはそれぞれ満足そうに微笑み、そっと席に戻る。
その様子を見ていた男子たちは明らかに困惑していた。
「なんだ、あの状況……」
「ユウ、急にモテすぎだろ。」
その中でも、親友の**タクヤ**が近づいてきて耳打ちしてきた。
「お前、何かやったのか?」
「いや、特に何も……。」
ユウは困惑しつつも、香水のことを話すつもりはなかった。
いくら親しい友人でも、この状況を言葉にするのは妙に気恥ずかしい。
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講義が終わり、昼休みになった。
ユウがいつものように学食で昼ご飯を買おうとすると、後ろから誰かが声をかけてきた。
「ユウくん、ちょっといい?」
振り返ると、そこにいたのは**エリカ**だった。
エリカは大学の有名人。華やかな顔立ちと明るい性格で、多くの男子が憧れる存在だ。
だが、ユウとはこれまで一度も話したことがなかった。
「エリカ……さん?」
「ええ、そうよ。それより、ちょっと付き合ってくれない?」
唐突な誘いに戸惑いながらも、ユウは頷くしかなかった。
エリカはそのまま彼の手を取り、学食を抜け出していく。
「ど、どこに行くの?」
「まあまあ、いいから。」
エリカは微笑みながら振り返り、キャンパス内の少し人目につかない中庭へとユウを連れて行った。
誰もいない静かな場所に着くと、エリカは真剣な表情で言った。
「ねえ、ユウくん。最近、なんだか雰囲気が変わったよね。」
「そう……かな?」
「ええ。前から気になってたんだけど、今はもっと気になる。だから、私ともっと仲良くしてほしいな。」
エリカの言葉は、ストレートすぎてユウの心を掴んで離さない。
これまで高嶺の花だと思っていた彼女が、今では目の前で優しく笑いかけているのだ。
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その日の夕方、ユウは家に帰る途中で、さらなる異変に気づいた。
商店街を歩いていると、何人もの女性が彼に注目しているのだ。
「ねえ、あの子、結構イケてない?」
「うん、すごく素敵……。」
通り過ぎる女性たちの声が、耳に届く。
その中で、ある女性が話しかけてきた。
「ごめんなさい、ちょっといいですか?」
振り向くと、キャリアウーマン風の30代の女性が立っていた。
ショートカットがよく似合う洗練された雰囲気で、彼女は少し戸惑いながら続けた。
「突然だけど、少しだけ時間をもらえないかしら?」
「え? あ、はい。」
「ありがとう。実は、君のことを見た瞬間に……なんていうのかな、引き寄せられる感じがして。」
ユウは驚きながらも、彼女の話を聞いた。
名刺には「高嶋レイナ」とあり、大手企業のエグゼクティブであることがわかった。
「こんな若い学生に言うのも変だけど……君と話していると不思議と安心するの。よければ、これからも連絡を取り合えない?」
「……ええと、わかりました。」
気づけば、ユウは自然と頷いていた。
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その夜、ユウはベッドに横たわりながら考え込んでいた。
「モテモテール」の効果が思っていた以上に強力すぎる。
しかし、どの女性も幸せそうで、彼を困らせるようなことは一切しない。
「これが……俺の新しい日常ってやつなのか?」
そう思いながら、ユウは静かに眠りについた。
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### **エピローグ**
次の日、ユウはさらに多くの女性たちが彼に近づいてくるのを実感することになる。
これが始まりに過ぎないと、彼自身もまだ気づいていなかった。
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