武器の準備はバッチリ! 後悔させてやるわ!
その後、私の指揮のもと、敵の兵力やこの国に待機している兵士たちの数を調査するよう指示を出した。
その間、スキルの使い方を少しでも覚えようと、教えを受けながら練習を続けていた。
「なるほど、頭の中で念じるだけでスキルが発動するのね。ちょっと試したいから、その剣を貸してもらうわね」
剣を手にして集中しながら念じてみると、思った通り剣が見事に姿を現し、私は思わず歓声を上げた。
「おっ! すごい、すごい! できた!」
この調子で続けるうちに、スキルの扱いがだんだんわかってきた。そして――1時間ほど練習を続けていると、ふと「どれだけ成長しているか確認したい」と思い、頭の中でスキルの状態をチェックしてみた。すると、【武器投影魔法 Lv.3】という表示が浮かび上がっている。
おっ! レベル3になってる! やったあ! たくさん使ったから上がったのかな?
どうやら、使うたびにスキルレベルが上がっているみたい。これからどれだけ応用が利くようになるのか――期待に胸が高まる。
「よしっ! とりあえずこれだけ揃えられたなら、戦いの希望が見えてきたわ!」
「な、なんと! この短時間でこれほど大量に作るとは……いやはや驚きじゃ」
試していないことはまだ山ほどあるが、スキル【武器投影魔法】の能力は、意識を集中し、目の前の武器をイメージして念じることで、魔力を消費しながら同じ武器を再現できるものだ。スキルレベルが上がるごとに、作成速度や耐久性も上がり、魔力の消費量も抑えられるみたい。
その後、私は王国の名剣を持ってきてもらい、それを大量生産することにした。この剣、見た目は平凡だけど、実は世界に5本しかない貴重なものだそうだ。そこで、私は伝令の兵士に王国内のすべての兵士を教会に集めるように指示を出した。
しばらくして、教会には兵士たちが列を作り、ひとりずつ名剣を受け取っていく。皆の表情を見ていると、剣を手にすることをどれほど待ち望んでいたかが伝わってくる。
「こんなに立派な剣を……アンナ様、本当に感謝いたします! これで俺たちも戦えます!」
そう言って深々と頭を下げる兵士に、私は微笑み、手を振って促した。
「お礼はいいわよ。さあ、受け取ったらすぐ門へ向かって!」
兵士は剣を握りしめ、決意を込めて真剣な眼差しで頷いた。
「この剣で……必ず国を守ってみせます!」
「ええ、頼んだわね。次の方、どうぞ!」
兵士たちは次々に剣を受け取ると、門へと急ぎ、彼らの表情には戦う覚悟がはっきりと見えていた。準備していた剣が行き渡ったのを見届けてから、私は教会内を見渡す。剣を手にできなかった者もいるが、必要な人数はしっかり揃っていた。
「よし、これで準備は整ったわね……それにしても、こんなにたくさんの兵士がいたのね」
小さく呟き、私は門へと急いだ。門前に整列する兵士たちは静かに私の到着を待っている。彼らの目には、戦いに挑む鋭い光が宿っていた。
私は軽く息を整え、彼らに向けて力強く呼びかける。
「みんな、準備はいい? 絶対にこの国を守るわよ! キール王国かなんだか知らないけど、私たちでけちょんけちょんにしてやりましょう!」
その言葉に、兵士たちは一瞬きょとんとした表情を見せて「け、けちょんけちょん?」と小声で首をかしげるが、私はすかさず笑顔で言い直す。
「つ、つまり、徹底的に叩きのめすってことよ! みんなならできるわ! この国に手を出したこと、思いっきり後悔させてやりましょう!」
「おう!」
兵士たちは一斉に剣を掲げ、その力強い声が私の胸に響いた。
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