ロウ系なろうしゅハーレムエンドがこの先生きのこるには
いや、ハーレムとか余裕でしょ? と思うのが全員だと思うかもしれない。だがちょっと待ってもらいたい。
強くてかっこよくて品行方正なイケメンなろうしゅであり、女の子には優しいのでモテる←ここまでは分かる。
しかしながら、ハーレムエンドやらとっかえひっかえ処女を散らして歩くレベルになってくるとなると認知的不協和が発生するとサクーシャは考えている。
大抵、ロウ系なろうしゅは善意で美少女の抱える問題を解決し、美少女の好意によって詰め寄られる形で関係を持ってしまうのが定番だろう。これが一回目ならハッピーエンドで済む話だ。だが、二度も三度も同じパターンが続き、なろうしゅは流されるままに美少女とキスし始めてしまう。
例えば「私って魅力ない?」的な誘い文言から「そんなことないよ!」が定番句だが、稀に良く「〇〇に悪いな」などと前に散らした美少女のことを思い浮かべて普通にオフォックス初めてしまうとかザラだろう。
おくさん、これ浮気やNTRですよ。裁判所に引っ立てて慰謝料ふんだくりましょうよ!
サクーシャは美少女Aとの恋仲を応援していたのに、ロウ系なろうしゅが美少女Bとオキッスなされてしまわれたとしたらどうだ。もはや戦争だろうが!
なのに美少女Aは浮気を受け入れた上に美少女Bと普通に仲良くしているのだ……。こうなってしまうともはや恋愛とは言えない。(話の都合とか言ってはいけない)
訓練された読者諸君ならば美少女Aと同じようになろうしゅの在り方をありのままに受け入れるのは世の常だろう。しかしながら、その代償としてなろうしゅの品行方正イケメンというロウ系キャラがブレてしまう所が嫌でも目につくのである。
どちらかと言えば、八方美人で断捨離の出来ず問題を先送りにする男という印象になってしまう。これは誰にでも優しいのではなく、誰に対しても特別な感情を持たないからこそ出来るムーブなのだ! ああ!
これはむしろカオスよりのムーブ、つまるところ金・暴力・セックス・自由だ! これが最初から「ぐへへ、美少女食い散らかしたるでぇ」みたいなメンタルの持ち主のなろうしゅだったなら何とも思わないし、むしろもっとやれと声を大にして言うのがサクーシャであるのだが……。
ここで追い打ちでなろうしゅより性格のよい非モテ仲間の男がいたりすると目も当てられない……、美少女さん、そっちの物件の方が遥かによさそうですよと言いたくなるし、サクーシャの中でメインヒロインが野郎になってしまうという妙な現象が発生し始める。(言っておくがサクーシャはホモではない、相対的に一番キャラクターへの好感度が高くなってしまうだけだ!)
まぁ、現実問題美少女に詰め寄られて拒絶できる屈強な精神の人間はあんまりいないだろうし、恐らくサクーシャもロウ系なろうしゅ君と同じ場面に居合わせた場合100%目の前の美少女を食い散らかす自信がある。(サクーシャ自身がカオス極寄りだというのはおいておいてな!)
と、散々ロウ系なろうしゅによる美少女食い散らかし現象を非難しておいて終わるのも歯切れが悪い。ではどうすればこの認知的不協和をロウ系なろうしゅのままキャラを"ブレさせず"に解消できるのかという所が重要だろう。
個人的になろうしゅの株を落とさない方法を列挙してみよう。
①個別ルートエンド
ある意味これが一番真っ当かつ安牌だろう。美少女に言い寄られてもきっちり拒絶できる男、そこに痺れて憧れるのだ。現代人の感覚とも乖離しないので素直に祝福できる終わり方だと言える。フられて傷心中の美少女=サンはサクーシャがお持ち帰りしますn(殴
②我関せずエンド
平等に関係を持たない。鈍感を貫くなら最後まで貫け、美少女が突如発情しても見るな、聞くな、知らぬフリをしろ(暴論
③コロシアムナイスボートエンド
草食系を貫くなら美少女同士の血を血で洗うなろうしゅ争奪戦を開始した上で最後の勝利者にならなろうしゅを喰らう権利を与えてもいいかもしれない。流されるがままな男には丁度いい末路だろう(暴論
④緻密なハーレムエンド
なろうしゅのキャラをカオスにブラさず、美少女を発情させないまま、ハーレムになる経緯をきっちり納得させること。つまるところ、ハーレムは簡単なようで非情に難しいのだ。
美少女同士の対立もあるし、イイ男なのに非モテな奴らが居るのにそれをそっちのけでなろうしゅ一人にだけ群がる説得力が必要。その説得力が金・暴力・権力だったりするのは論外だ。
力に頼る者は力によって負ける運命にある。それらに群がるヒロインというのはペラッペラで魅力を感じにくい。極端な話で言えば、なろうしゅより金・暴力・権力を持ってる男が居るのにそいつがモテなかったら世界による接待としか言いようがないので認知的不協和が発生してしまう。
また、全美少女を"平等"に相手する必要がある。が、これは逆に言えばなろうしゅに与えられた時間を"美少女の数で等分"しなければならないことを意味する。
つまり、ハーレム構成員となる美少女の数が増えれば増えるほど、ハーレムにするのは困難な道なのだ。小説という媒体で表現するなら多くても4人までが限度だと思っている。それ以上は恐らく、殆ど水同然まで薄めたカルピスくらい薄いヒロインにしかならないのではないだろうか?
4人以上のハーレム構成員を管理するのであれば、1回の重厚なエピソードに参加させたらそれ以降は物語に登場させずフェードアウトする現地妻システムを導入するくらいだろうか。(ある意味我関せず鈍感エンドに近い)
メインは同行、サブは現地妻という変則的なハーレムだとすると、よくも悪くもヒロインの中でも序列が発生する。が、同行するヒロインを作るとそれはそれで"話の都合やテンポの都合"で全肯定BOTにせざるをえなくなるという問題を孕んでるので、下手するとキャラがブレない現地妻の方に人気が出てしまうかもしれない。
ヒロインや仲間を主人公に無理矢理同行させるのは必ずしも良いとは言えない。商業作品で例を載せると閃の〇跡シリーズなんかがその問題にぶち当たってたりする。
多人数をまとめて管理するのは非常に難易度が高いですし、これに小説という媒体の性質まで加わるとそもそも台詞だけではキャラが判別できなくなりがちだし、判別させるために一々地の文が山盛りになるという地獄だし、キャラに出番を与えるために台詞を用意するとただでさえどんくさい展開がより遅くなる。
小説という媒体で1シーンに登場させられる人物は精々2,3人が主で、それ以上は無理矢理出番を与えるために台詞をぶちこむとテンポが悪くなるだけなのだ。これがハーレムの難しさを各段に引き上げてる要因ともいえるだろう。
ちなみにサクーシャは3000文字を1シーンとした文章の間で4人以上のネームドを管理するのはほぼ無理だと悟った。ぶっちゃけ1人称小説ではなろうしゅが単独行動してる時は一番テンポがよく、仲間が増えれば増える程話のテンポがもっさりし始めると思った(経験談)
・終わりに
巷ではトロフィーヒロインだとか散々なことを言われてるなろうしゅハーレム界隈ではあるが、やはりストーリーのテンポの都合でキャラをぶらしたり全行程BOTにせざるを得ないという問題と、単純にキャラ(なろうしゅとヒロイン両方)が雑にブレまくるという問題がある。
うち、前者は登場させるキャラを絞るかフェードアウトさせるという決断を強いられるし、後者はキャラをブラさらないように計算されたストーリーを作らなくてはならない。
美少女全員に愛情を注いでやりたいというのがぜいいんだろうが、人間の手は二つしかないように、一人を両手で抱きしめるか、片方の腕で二人の腕を掴むにとどめるのか、とリソースは有限であることを認識しなくてはならないだろう。
その上で、それでも「俺は二つの手で美少女10人抱きしめるんだぜぐへへ!」 という理想を貫こうとして溺死するもよし! 出来ないわけではない、難しいだけなので自身の技量と相談しつつハーレムライフをエンジョイ&エキサイティングするべきだろうな!
というお話。
結局の所、ハーレムと言いながらピラミッド的なヒロイン序列が出来上がる。底辺になるほど出番は与えられないし、最悪物語からフェードアウトしてしまう。
だったら個別エンドにするのが一番ベターなお話なのでは? とサクーシャは訝しんだのである。
とも思うのだが、そもそも"恋愛"が前提の上での話であって、トロフィーとして所持する事自体が重要と考える価値観も認められるべきなのかもしれない。だがそれやるならカオス系なろうしゅで好き放題やった方がなろうしゅに対する好感度高くならね? って思う今日のこの頃である。