予想外なことに火照るひますらなく
登校し、高校に到着するとスニーカーを下駄箱に突っ込み、スリッパを足元に落とし履く。
スタスタと長い歩幅で歩み始めた俺だった。
階段を上り、三階の二年生の教室が並ぶフロアに着いたと同時に階段の手摺付近から女子に声を掛けられた。
「昨日の後輩くんだよね、君?てっきり欠席かと思ってたから驚いたよ......」
「蜜ま、き先輩......昨日はご迷惑をお掛けしてすみませんっ!......て、ありがとうございましたぁっっ!」
勢いよく頭を下げて、謝罪と感謝を彼女に伝えた俺。
「意識が戻って何よりだよ。注目を浴びてるから......ちょっと来てっ!」
周囲から視線が集まったようで、彼女にしては荒々しく俺の右手の手首をガシッと掴み、歩きだした。
「えっ?あっちょっ......」
返すのもままならず、彼女に手首を掴まれたままで連行された俺だった。
廊下で談笑中の上級生が俺と彼女に視線を向けてきた。中にはコソコソと囁きあう連中もいた。
四階を通り過ぎ、屋上に続く階段を上がりきった彼女はそのまま屋上の扉のドアノブを回して、扉を開け放ち、屋上へと出た。
数歩進んで掴んでいた俺の手首を離し、クルッと振り返って俺に屋上へと連れてきたことを謝ってきた彼女。
「ごめんね、いきなり屋上まで連れてきて」
「驚いたくらいで......謝られるほど気には、してないです。それに、むしろ......先輩から触れてもらって、嬉し......かったで、す......」
目を合わせられず、ポリポリと後頭部の髪を掻いて照れながら後半の言葉を呟いた俺。
他作品のちょっとしたお知らせですが、今月中におさこくの方でのクリスマスの話は書けるかは分かりません。
なので、今月中はたぶん無理かもしれませんがご了承ください。
クリスマスの展開は番外編にはならず、付き合って初のクリスマスパーティーでしっかり本編なのでご安心を。