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あくまで親友の味方

私は昼休みの直前である授業が長引いて、購買で欲しかったパンを入手できない事を悟りながら意気消沈なままに廊下を歩いていた。

私の前方から聞き慣れた声が聞こえ、頭を上げると前方から友人と談笑しながら歩いてくる仲谷嘉代の姿に気付いた。

仲谷も気付いたらしく、驚いた表情を浮かべながら脚を止める事なく歩いてきた。

「おうっ、嘉代ちゃんも購買で済ますんだ」

「あ、美代菜ちゃん。はい、そうなんです。美代菜ちゃんも購買ですかぁ……あの、後で聞きたいことがあって、お時間いいです?」

「あぁ、うん。別に良いよ、あぁーっとその……」

私が仲谷の隣で困惑の表情を浮かべて無言でいる彼女の友人に視線を移した。

「ああ、千江(ちえ)ごめん。先輩と話したいことあるから、私のことは気にせず先に食べてて」

「うん、分かったよ。じゃ、先に戻ってる」

千江と呼ばれた女子生徒は、素直に促されるままに私に対して頭をぺこりと下げてから廊下を歩いて去っていった。

「ひとまず、昼食を買ってきていい?」

「はい。どうぞ」


私が購買で売れ残っていた焼きそばパンとチョココロネを購入し、待たせる仲谷が腰をおろしたベンチに駆け寄り隣に座った。

「で?」

「蜜牧先輩のことを。拓海が警戒してて……」

「あぁ、そのことね。莉奈は嘉代ちゃんが彼と親しげにしてるのが不安であんなマネしたんだって。悪気はないから、責めないであげてよ莉奈をさ。要するに嫉妬心だね、あの娘は貴女に彼を盗られるんじゃないかってのが溢れてあんなことをしでかしたの。貴女が彼と距離を置いてくれたらね……」

「拓海が怯えずに済むなら、一定の距離は保つように努めます。拓海のことは諦めらんないです。そのことだけは覚えといてください、美代菜先輩。じゃあ、またです美代菜ちゃん……」

仲谷はベンチから腰を上げて立ち上がって、教室に戻っていく。

「ふっ、嘉代ちゃんらしいね……」

私は微笑み、そう呟いた。

私はベンチから立ち上がり、鼻歌を漏らしながら教室へと歩き出した。


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