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触れた友人の想い

私たちは午前の授業を終え、活気溢れる教室内で昼食を摂っていた。

机を二つ向かい合わせ並べた。

私は弁当箱からほうれん草のおひたしを箸で口へと運んで咀嚼して、天井を仰いでいた。

「おぉーい、莉奈ぁ!聞いてる?ずっと変だよ、今日は。なんかあった、莉奈?」

「あぅ……ごめん。なんだっけ?」

「あぁー、もうっ。あーっと、四條原と大喧嘩でもしたぁ?」

うわの空であった私に、夙坂が両手が頭をガシガシ掻きむしりながら、口端をピクピク震わしながら訊いた。

「四條原くんとは喧嘩するほどの距離は縮まってない……後輩から迫られてて、えっと……女の子から」

彼女が7割ほどの怒りを見せたことを敏感に察して、申し訳なくか細い声で返答する私だった。

「ふぅーん。莉奈ってどっちからもモテるよなぁ〜!手ェ出されたか、その相手に?」

「まっ、まあ。そんな感じ……べっ別に、傷つけられたとかそういうのじゃ……ないから」

彼女の口から出た言葉で、昨日の麻生が及んだ行為と夢でみた光景が喚び起こされ、頬が紅潮して、返答も震えた。

あの部分が微弱な電流が走ったように一瞬ビクっと疼いて、スカートを抑えた。

「莉奈、ほんとに?ヤバいって感じたら、抵抗しねぇと駄目だぞ。嫌なら、躊躇せずにソイツに言うんだぞ!分かったな、莉奈」

「うん、分かってる。侑恵菜ってば、マジすぎだよ……」

「マジすぎって……莉奈がズタボロになるまで我慢することを知ってんから、心配なんだよっ!傷みに気づかないフリとか無理なくせに、痩せ我慢して傷つき続けるおまえがみてらんねぇから言ってんだよッ!」

夙坂が涙をボロボロ流しながら、嗚咽混じりに訴えていた。

「ごめん……ごめん、侑恵菜。ありがとう、侑恵菜」

唐突に泣き出した彼女に、教室にいた生徒らが呆然とした。

私は椅子から立ちあがり、夙坂に駆け寄って、抱きしめながら左手で彼女の背中を摩り、宥めた。


夙坂侑恵菜は容姿で誤解されがちではあるが、本当は友人想いで素敵な女性なのだ。


私は、素敵な友人に出逢えて、友人には恵まれているなと実感した。




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