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あなたのその姿にその言葉を浴びせてくるのは反則です

「ただいまー……って、うわあぁー!!」

ショッピングモールから帰宅し、玄関扉を開けた俺は衝撃を受け、思わず叫び声を上げた。

俺を出迎えた人物が——メイド服に身を包み、アレな物品(ブツ)を手にして、微笑み立っていた。

「おかえりなさいませ、ご主人さま。ご主人さまが門限破りをなさいますとは……よっぽど、お・し・お・き、されたいようですわね、ご・しゅ・じ・んさま

〜ぁっ。ご覚悟は宜しいですかーぁっ、ご主人さま」

メイドに振りきった姿勢に、一文字ずつはっきり発音するところで右手のひとさし指を突き立て画面をタップするような仕草を繰り返したメイド服姿の蜜牧先輩だった。

「えっ……あっ、いやっ……ご冗ぅっ、蜜まっ——」

距離を詰めようと近付いてくる彼女から逃げ出そうとドアノブに手を掛ける寸前に、しおらしくなった彼女の謝罪が背中越しに聞こえ、足を止める俺。

「ごめん……なさい、四條原くん。しぃーちゃんに……」

振り返り、俺を翻弄しようと画策した人物が隠れているだろうリビングに向かって声を掛ける。

「おいっお前、隠れてねぇで姿現せよッ!蜜牧先輩に毒牙をみまうなッ、いつまで隠れてやがるつもりだぁっ!」

「怖〜ぁいぃ〜オニイチャンがいじめてくるぅ〜っ」

妹がリビングから飛び出してきたかと思えば、蜜牧先輩の胸に飛び込む勢いで抱きつく。

「テメェっ、この期に及んでまだッッ——」

俺の怒声を制するように静かに首を左右に振って、宥める蜜牧先輩。

「おにぃちゃんは、怖いとこもあるかもしれない……だけどね、しぃーちゃんはやり過ぎなとこがあると思うの。だからね……おにぃちゃんのこと、考えないと……どっかに行っちゃってそのまま会えない。なんてことになったら、しぃーちゃんは悲しいでしょ?」

「う、うん……すみませんでした」

蜜牧先輩の背中に腕を回し胸に顔を埋めてた妹が、彼女の身体から離れ、俺と彼女に頭を下げて謝った。


メイド服は、妹の所持品で蜜牧先輩が手にしていたリード付きの首輪もその一つである。


それにしても、蜜牧先輩の演じたメイドはMな方であればご満足するだろう。


蜜牧先輩(かのじょ)が言ったお仕置きの内容が気になるのだった……多少、多少だけど。


彼女にメイド服の感想を告げるタイミングを失い……まあ、一言、刺激的だったと。





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