再会…と意外なカップルらしきフタリ
蜜牧先輩と麻生の二人の間に交わされた約束が無事に終わりを迎えた、翌日の土曜日。
俺は、一人でショッピングモールに赴いていた。
蜜牧先輩は、妹と親睦を深めるためと、妹と二人で自宅にいる。
昨夜から今朝の朝食時にかけてと、彼女の俺に対する接し方が、素っ気ないというかよそよそしさを感じた。
彼女に視線を向けても、視線を向けられた彼女がすぐさまに眼を逸らすのだ。
一体、何が原因か……恐らく、麻生に俺の何かしらを吹き込まれんだ。
そうに違いない……絶対っそうだ!
CDショップであるバンドのアルバムを手に取りながら、そんなことが脳内をぐるぐる駆け巡っていた。
「——うはらぁーっ!……ょうはらだよなぁ?——條原っ、おぅいっ!」
「……わぁっ!……えっとぅ、どちら様……ですか?」
肩に手を置かれたことで我に返り、振り返ると身に覚えのない若い男性が立っていた。
驚き、男性に誰なのかを訊ねた。
「はあ〜っ?覚えてない、だとぅ……同中なんだけど」
中腰になりながら膝に手をついて、落胆の表情を見せて呻いた男性。
「そうなんですか……?」
「そうだよ、そんなんだよ。俺はよし——」
彼が名前を告げようとしたところに彼の元に女子が小走りで駆けてきた。
「またせ〜吉ヶ瀬っ!……って、四條原?」
満面の笑みを浮かべていたがすぅーっと笑みが消え、取り繕った表情に切り替えた麻生。
校内で見せないような、幸せそうな満面な笑みを浮かべていた麻生の登場に、げぇっと声を出してしまった俺。
「知り合い、なんだ……二人って」
俺と麻生の反応でなんとも言えない表情を浮かべ、苦笑と取れる笑いを漏らした吉ヶ瀬と呼ばれた彼だった。




