拗ねるわけ……
夕飯を済ませ、風呂から上がった俺と蜜牧先輩は俺の自室のベッドに腰を下ろしていた。
「私は平気だよ、四條原くん。あんなに妹さんを責めなくても良かったのに……」
「平気って……蜜牧先輩は言いますけど……それにっあいつは——」
「厳しいね、妹さんに……私は気にしてないよ。だからさ、妹さんを許してあげてよ四條原くん」
「歳下に甘いよ、蜜牧先輩は……」
「アハハ……そう、かな……?」
苦笑を浮かべ、かわいた笑い声を僅かに上げながらひとさし指で頬を掻いた彼女。
「……う、ですよ。庇うことないですよ、あいつなんて……」
釈然としない表情で返した俺。
「四條原くん……拗ねてるの?」
「拗ねッ、拗ねてないっスよ……子供じゃあるまいし」
彼女が発した投げかけに動揺して、唇を尖らせ視線を彼女の居ない方に移した俺。
「ふぅーんっ……」
からかおうと画策したニマニマした笑みを浮かべた彼女が意味ありげなトーンで顔を近付けてくる。
「違いますって、先輩ぃ……咲苗さんみたいな笑顔やめてぇよぅ〜」
「うぅっ……ああぁーごめん。こほっんっ……今夜なんだけどさっ、そのぅー……に、……るのは、かな?」
一瞬短い呻き声をあげて謝り、可愛く咳払いして……咳払いしたのに裏返った声でしどろもどろに訊いてきた彼女。
呻くほどに咲苗さんに似ていると指摘されるのを嫌うって……
「ふぇぇええぇぇええええぇぇーッッ!」




