冗談抜きで死にそう……
俺は午後の授業が終わり、SHRが始まる前の10分ほどの休憩の合間に教室を抜けた麻生の後を追い掛けた。
「麻生さんっ蜜牧先輩の件だけど——」
俺が蜜牧先輩と発した刹那に麻生が振り返り、キスするかのような勢いで迫り、両手で俺の左手を包み込みながら捲し立てるように訊ねてきた。
「四條原ッ、蜜牧先輩はなんてっっ?やっぱ無理って断られたっっ?こんなブスに話し掛けられたくないって?」
「……良い、って。今週の金曜の放課後ならって……」
「今週の金曜ねっ?放課後ぉぅ……どこに行けば良いの?ねえどこにッッ?」
「中庭だってぇっ!中庭に行けば話せるからっ!」
彼女の勢いづく追及にヤケクソになりながら返した俺だった。
「中庭ね。金曜の放課後……蜜牧先輩に、蜜牧先輩と……やっとこぎつけたぁぁ……」
彼女がブツブツと呟き続ける様子に恐怖を感じる。
ふふっふふふっはっははっはははっっっ……と、不気味な笑い声を上げ始めた彼女に、蜜牧先輩の身に危険が及ばないか不安だ。
「そういうことだぁ——」
教室に戻ろうと話を切り上げて踵を返そうとした俺の身体を強引に振り向かせてきた彼女が抱きしめてきた。
「ありがとう四條原っ!ありがとう四條原ぁ〜っ!四條原のおかげでッッ——!」
締め殺すつもりかと言いたいほどに呼吸が危うくなっていた俺だった。
「やッぁ……やめぇっ……めろっ……ろぅよぅッッ」




