卑怯で気がひけるが、致し方なくなんです
俺と蜜牧先輩は並んで登校した。
彼女に一緒に登校しようと誘ったら断られたが、諦めずもう一度誘うと渋々といった表情で首肯してくれた。
咲苗さんのにまにました笑みのおかげでもある。というか、咲苗さんが促してくれなければ、成功していなかった。
「あぁ、もうぅ……」
ため息を漏らし、項垂れる彼女。
「卑怯なことして、すみません。咲苗さんなら俺の方についてくれそうだったので……」
「いいよぅ……もう。マっお母さんがああいう母親でごめんね。恋愛のことになると食いつきが凄くて参っちゃうよ」
半ば諦めたような声音で返してから、肩を竦める彼女。
「アハハ……大変そうですね」
苦笑しながら返す俺。
「他人事、みたいに言ってるけど四條原くんの母親になるんだよ。はぁ……」
ため息が多いなぁ、彼女。
蜜牧先輩は母親には逆らえないようだ。
通う高校に到着した俺らは、下駄箱で別れ、それぞれの教室へと歩み出した。
俺は席につき、午前にある授業の教科書などを机の中に突っ込み、机に突っ伏した。
俺は机に突っ伏したまま、いつのまにか眠りについていた。
肩に何か触れている感触があり、揺さぶられている感覚で目覚めた俺だった。
上体を起こすと、肩を揺すっていたであろう女子が片手を腰に当てながら訊いてきた。
「四條原、くんって蜜牧先輩とどんな関係?」
「どんな……?」
呼び捨てにしようとしたな、この人。




