朝から二人してからかわれる
翌日を迎え、俺が自室を出ると階下におりようとする蜜牧先輩とぶつかりそうになった。
「あっごめんなさいっ……おっおはようござ——」
言い終える前に彼女も頭を下げ、謝ってきた。
「ごめんなさいっ……その、おはよう。四條原くん……」
俯きながら、緊張したようにひとさし指を重ねたり離したりを繰り返す彼女。
「おはようございます。その……昨夜はよく眠れましたか?」
「なんとか……四條原くんは、あまり眠れなかったみたいに見えます」
「アハハ……そうなんです。おかしいですよね……ハハ」
苦笑して、後頭部を掻いた俺だった。
「「……」」
ぎこちない会話を交わし終え、静寂になる廊下。
「おはよう。ぐっすり眠れたかしらぁ、莉奈とタクミくん?」
「おはようございます、咲苗さん。まあまあという感じで……美味しそうですね」
「おはよう、ママ……っお母さん、眠れたほう……」
ダイニングテーブルに朝食を並べていた咲苗さんの挨拶に返す俺と蜜牧先輩。
蜜牧先輩は、咲苗さんが腰掛けたダイニングチェアの隣に腰掛けようとしたが、咲苗さんに止められ俺の隣に座るように促される。
「……っ!もうぅ」
彼女が、渋々俺の隣のダイニングチェアに腰をおろす。
咲苗さんが終始微笑んでいた。




