大男の謎
「再起動まで後4分」
「どうしてこいつがここにいるんだ?」
「っ!」
「大丈夫か静穂?」
「はい少しよろけてしまって足が崩れてしまっただけですので」
静穂が立ち上がろうとした時俺は手を出した途端静穂は何故か俺の手をじっと見ながら上の空状態になっていた。
「ど、どうかしたか?やっぱりどこか怪我でも?」
「い、いえ、何でもありません…」
静穂は俺の手に差し伸べて握り何とか立ち上がったが今度は握ってきた手を恥ずかしそうにしながらギュッと握りしめていた。
私こんな風に誰かから手をさしのべられたのって何年ぶりになるのかしら?この人の手あたたかったな…
「むぅ静穂さんまさか一夜さんの事、いえあの静穂さんが一夜さんの事を気にかけるはずがありませんあんなに人嫌いな人がそんな簡単に信用するはずありませんから」
しかし後に静穂は一夜の事を意識し始める事になる事をリリスはまだこの段階では知るはずもなかった。
「………」
「……おいココリス」
「あら一夜どうかしたの?」
「お前何かしってるんじゃないのか?あの大男についてさっきからだんまりになってるからもしかしたら何かしってるんじゃないかと思ってな」
「ええ知っているわけれどこれはまだ任務外の事だからまだあなた達に喋るわけにはいかないの」
「稼働時間残り2分」
「本当にそうか?俺達には知る権利があると思うんだけどなこいつを倒すにはその任務外の事を話して貰う必要があるどうして生きてるのか?何故ここにいるんだとかいろいろ聞きたい事は山積みだ!」
「それもそうね…ならこいつが稼働する前に手短に話すわ」
「ああ頼む」
ココリスは俺達に手短にこの大男の秘密を話してくれた。
「こいつは私達四つの組織が追いかけてるひとつの秘密なんでも人の脳を使って動かせている事がわかったの」
「脳を使っての機械人形って事か?」
「ええ、だけどその機械を操っている組織が人間の脳の売買を知ってる事がわかったそれもまた違う組織での密輸売買私達は四つの組織を分担し後を追った。結果わかった事はその機械人形でのシステムによって作る構造の仕方ぐらいだった。後はまだどこの組織が関わっていていったい誰が黒幕なのかもまだわからない私達がこの大男について黙っていたのはまだ何もわかってなくてどうやって説明したらいいかわからなかったからこうやってシステムによってどんな仕組みでつくられていたのかを研究していたのだけど…」
「菜々さんが何かシステムみたいなのを弄ったせいかはたまたここのシステムで不具合が起きたから勝手に出てきたあたりが正解なのかな?」
「そうね半分正解かしら恐らく彼女も今予想外な事が起きて慌てて操作を弄りまわしているでしょうけどね」
「稼働まで後30秒」
「まずいぞ!このままじゃ起きてしまう!とりあえずここから離れて一旦作戦を立てようここにいたら俺達がやられてしまう。」
「いいえ一夜リリスのスキルが効いてるって事はもう1発その大男にリリスのスキルの弾丸で細工をすれば」
「そうか!動きをもう一度封じる事ができる!」
「リリスもう一度あなたのスキルの弾丸で!」
「はい!お願いもう一度きいて!」
リリスは弾丸に自分のスキルを込め大男に放った。
バン!
見事頭部に命中したのだが…
「ガガガギーーぷしゅーー!!」
「再起動成功このまま通常運転により一部の力を向上します。」
「一部の力を向上ってまさかリリスのスキルが無効化されてしまったっていうの!」
大男が再び起動し自分がいる辺り一面に拳を大きく振りかざし叩きつけようとした。
なんだ?あいついったい何を?
大男が何か力を溜めているというのが分かった時辺りを見回したすると所々に静穂が弾丸を爆弾に変えていたものが散らばっていたのを確認した俺は…
「まずい!みんな今すぐここから離れるんだ!」
俺の大きな声でみんな気づいたのか大男が拳を地面に叩きつけた瞬間にみんなそれぞれ違う方向に走りだした。
ゴーーン!
チャキ
ピン!ピン!ピン!ピン!ピン!
ヒューーーン
かん!
ドッカーン!!
ドッカーン!!
ドッカーン!!
ピンがついていた爆弾は全部大男の拳の反射によって外され爆弾は宙に飛び地面に落ちたと同時に爆発し今いる俺達のいた層が崩れ始めていった。
「いたた、ここは?」
俺は何とか崩れた大きな瓦礫に乗り違う階へと飛び移る事ができた。皆んなと離れてしまったが無事かどうか気になる。
「ここは11階か…3階も下に落ちてしまったのか………!!」
俺は急いで何かが歩いてくる方向から違う方向に行き隠れて身を潜んだ。
何かが近づいてくるしかも大きい足音と物音だこれは…
俺は隠れながら何かが歩いてくる音がする方向を確認した。
やっぱり大男だ!やっぱり俺達を探しているのか?瓦礫を少しずつだが壊してどこにいるか確認しているみたいだ。ここの階は危険だな上の階にいって何とかやつをやっつける手段を……あれ?あいつの頭何か窪みみたいなのがあるような?
チャリン!
ぐわん!
しまった!いつのまにか弾薬を足で蹴ってしまって奴に気づかれたこのまま奴と対等には戦えないなんとかこの場を切り抜けないとって……げ!上の階に上がる階段も下の階に降りる階段もねぇ!しかも俺がいる場所って行き止まりじゃないか!
ガシャガシャガシャガシャ
「や、やばい!」
大男が一夜に向かって勢いよく迫ってくる。そして壁の所をゆっくりと覗きこんだが…
「ぷしゅーー!!」
誰もいなかった。大男は結局誰もいない事を確認し元の場所に戻りつぎの階へと登っていた。
「…………」
「ふぅ!!助かった!」
俺は何とか天井裏に隠れる事ができ奴の模索を回避できた。
「危なかった助かったよココリスお前が天井裏に潜んでいて本当に良かったよ」
「本当よ私がいなかったらあんた今頃死んでたわよそれに弾薬の弾で自分の場所がバレるってどんだけドジなのよ」
ココリスが天井裏にいたおかげで大男から戦闘を避ける事ができ命は助かった。
「いや俺自身もビックリしたさまさか弾薬が転がっていたなんて誰が気づくと思うんだけどダクトがあったのは奇跡だったよ」
「ここのダクトを通り抜ければ誰かに会うかそれとも安全な場所に到達するかと思ったんだけどまさかアンタと会うとは…」
「おい!それは失礼じゃないのか!」
「まあいいわ離れてても話す手段はあるから」
「話す手段?」
「これ?何かわかる?」
ココリスは何故か片耳につけていた無線イヤホンを取り外し俺に見せつけてきた。
「無線イヤホンか?けど俺はそんなのもってないぞ」
「当然よだってこれ3つしかないものだからあの時あの大男が地面を落下させる前リリスと静穂にこの無線イヤホンを渡したの恐らく2人ともどこにいるか確認して合流し始めてると思うわ………」
「どうした?」
「2人と話す時わたしだけ聞くのも不公平だからこの有線イヤホンで私の無線イヤホンから声を聞き取っていいわよ」
「ああ、ありがとう?」
ココリスは何故か恥ずかしながら有線イヤホンをココリスの無線イヤホンにさし身体に触れる事はなかったがそれぐらいの距離までは近付きリリスと静穂の安否の確認をした。
「すーー!!ハーーー!!」
「何で深呼吸なんかしてるんだ?」
「う、うるさいわねあんたが近くにいるからいけないんでしょ!」
「どういうこと?」
「だあ!!もういいわ!」
「こほん!2人とも話しが筒抜けですイチャイチャしないでくれますかね?」
「リリスか!無事なのか!」
なんとかリリスの安全を確認する事ができたのだが俺はリリスのイチャイチャという言葉を無視して話を続けた隣にいるココリスはなんかモジモジと下を俯いてはいるがそんな事より次は静穂の安否の確認をしなければならない
「リリス、静穂は無事なのか?」
「私も無事ですよ一夜さん」
「静穂か!よかったどうやら皆んな無事みたいだな2人ともいっしょなのか?」
「いえ私達2人はまだ合流していませんですからこのまま無線で話す事をオススメします。いつあの大男の襲撃に会うかわからりませんから」
「それもそうだな…2人も何処か安全な場所に隠れているのか?」
「まあそんなとこです静穂さんも恐らくは私と同じ考えで隠れていると思うはずでず少し似たスキルを持っていますからね」
「リリスさんの言う通りです。私もリリスさんと同じスキルで身を隠しています。なんとかあの大男を倒す方法を自分のスキルで何か無いかと考えてはいるのですが…」
「なかなか浮かばないって事よね…」
俺達は身を潜めながらあの大男を倒す方法を考えていた。しかしNPCよりも遥かに装甲が硬くなかなか弾が当たらないのを俺とリリスは知っている。しかもリリスのスキルではやつには二度通じなかった。だとすればあいつを倒す術は他に無いんじゃないかとそう思った。
「いや待てよそういえばあいつの頭部…」
俺はリリスがスキルを使って頭部に何か凹んでいたのを思い出した。
「どうかしたの一夜?」
「もしかしたら…奴を倒せるかも…」
「本当ですか!」
「それ本当なの!」
「………」
「いやこれは相当危ない賭けだ手段は3つあるだけど奴に効かない可能性があるこれは俺自身の命の賭けをしないといけないのもあるんだ。だから三人とも無理にとは言わないだけどこれはお前たち三人の力が必要なんだ……本当はメルティにもここにいてくれたら物凄く助かるんだが今はここにいる三人にお願いしたいんだ頼む!」
「もちろんですよ一夜さん私は一度あなたに命を救われています。ですから断る理由なんてありません。」
「私もあいつを倒してあの女に何故こんな無茶な事をしたのか問い詰めないといけないから協力しないわけにはいかないでしょ?」
「………本当に信じてもいいのですね?」
「ああ、俺は絶対に皆んなを静穂を裏切らないこれだけは約束する。俺の命に代えても!」
「わかりました私も賭けに出ます。ですからあなたを信用できるに値する人かどうかその試させてもらいます。」
静穂は少し躊躇っていたが自分も賭けに出ようとしていた。一度心を許してしまったこの人を信じていいのかどうかあの大男でどれだけの信用を私に覚えさせてくれるのかと心の中で期待を抱きながら一夜の事を信じ賭けの勝負に出た。




