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違う世界にきたのはいいが規制がかかって自由に技が使えない!  作者: Fantome
2章 第1世界 人と獣の世界 Line warrior
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武器無しの始まり

俺達は結局、店の代金を支払うことができず支払う代わりにお店の手伝いをする事になった。


「ほら!にいちゃん!まだ皿洗いはのこってんぞ!」


「ひぃー!!!」


そう、俺は皿洗いをしていた。何故かこの店は忙しかったのだ、その理由はどうやら彼女が原因らしい…


「いらっしゃいませ!お客様何名さまですか?」


そう彼女がウェイトレスをやってフリフリのスカートと可愛いエプロンを着て接客していたからなのだ。それがもう大繁盛して、男性客がわんさかわんさか入ってきて大忙し。


「あの子…もしかしたら戦士よりこっちの方が向いてるんじゃないのか?」


俺は皿洗いに追われながら彼女の働く姿を見ていた。


「まあ、確かに可愛いな、普通に彼氏とかいてもいいぐらいのレベルだし…けどな…」


「姉ちゃん!これ3番択な!」


「はーい!よいしょ……」


彼女は要領はいいのだが難点といえば


「きゃー!!」


盛大にころんでしまった。そう彼女は超が付くほどのドジっ子なのだ…


「いてて……ご、ごめんなさい!今すぐ片付けますね!」


「いいよいいよ、姉ちゃんのドジっ子ぶりがみれるだけで俺達は満足だから!」


「?ありがとうございます?」


接客自体はそれなりに問題はないのだが…やっぱり作った料理がことごとく、床に散らばっていくそんなのお店の人が怒るにきまってるのだが…


「ねぇちゃん……」


「す!すみません!また作った料理を落としてしまって…」


彼女は本当に申し訳なさそうに謝ったが、店長さんは…


「気にすんな!むしろ良いものが観れるのと引き換えにお金も貰えたんだ!うちとしては大繁盛だ!」


本当に何故かは知らないが彼女が転ぶ度にお金を払ってくる客がいるのだ。まあ見せ物かなんかと勘違いしてるのだろう、そのおかげで俺達が食べた分の料理の代金もなんとか消し済みにできた。


「まあ、料理を作って食べて欲しいのがうちとしてのもっとだからあんまし、落とさないでくれるとありがたいな、お皿もそこまで多くはないんでな…」


「す、すみません!!」


とまあ、なんとか食べた分の料金も支払うことができたし、これからやっと俺達のやる事ができるのだ。


「本当にいろいろとすみませんでした。」


「おうよ!これに懲りたら二度と無銭飲食はするなよ!」


「すみません親父さん本当はお皿やら何やらとまだ弁償しなければならないのがまだあるって言うのに…」


「だから気にすんなってにいちゃん!まあ、確かにあそこまで皿が割れてはうちとしてもちょっと困ったがまあ何とかそこの姉ちゃんのお陰で割れた皿代の半分は返ってくるから今回はいいさ」


ほんとうにいいひとなんなんだよな、無銭飲食しといてあれ何なんなだけど、ここでよかったと俺はホッとした。


「おう!そういえばお前さんがたなんでも世界を救う旅とかなんかするんだろう?一文無しじゃ流石に不安だろう?これは少なからずの選抜だ。」


まさかの世界を救う話を聞かれていた。その話から親父さんから少し膨らんだ巾着袋を渡されたのだ。その中身は無銭飲食した代金分のお金が入っていた。


「けどこれは…流石に…」


「そうですよ!私達はその食べた分を働いて返したんですから流石にこれは…」


俺達はどうしようと顔を合わせて悩んでいたのだが親父が。


「なーに!世界を救った後でたんまり返して貰うさ!これはうちからの旅の祝い金だ!遠慮せず持って行きな!」


「ありがとう親父さん!」


「ありがとうございます。」


俺達は頭を下げながら親父さんにお礼を言って、メルティの言う戦士通信?とかいう集まりがある町へと案内してもらった。


「こっちですよ!ご主人様今度は迷いませんから大丈夫です!」


「ははは…」


そりゃそうだ、だって一本道だからな。しかもわかりやすく戦士みたいな人たちが集まってる場所がある。そこで迷ってしまったら俺はこの子と一緒にいたら何処かで迷ってモンスターに食われて死んでしまうんだろうなと思ってしまった。


「ここが、戦士通信か…」


見た感じスマホのラインパンに似ている。グループを作ってそこで、一緒に参加しませんかと言う案内板みたいなのが書いてある。恐らくここで募集すれば大抵の人は集まるという事か。


「ご主人様早速募集してみますね!」


「ああ!頼む!」


俺はドキドキしながらどんな人が集まるのかと心待ちしていた。しかし……


「誰も来ない!!」


「おかしいですね?なんできてくれないんでしょ?」


1時間待っても全然誰も参加してくれないのだ。何が原因何だ?俺はもう一度掲示板に目を通してみたのだが…


「おい…メルティ…お前掲示板になんて書いたんだ?」


俺は恐る恐るメルティに聞いてみた。すると


「はい?私は普通に、私の救世主様をどうかお救いくださいませ!技をすんなり覚えさせてくれてレベリングもすんなりあげてくれる方募集!尚!救世主様をたぶらかす方は御遠慮お願いします。もし、そんな事をすれば胴体ごとバッサリ消えてなくなるでしょう…と私は掲示板にかきました。」


「そんなの誰が来てくれるんだよ!ただの脅しじゃないか!そんなの助っ人でもなんでもないだろう!」


「そうでしょうか?」


「なんで、不思議顔なんだ…」


俺は呆れてもう言い返す言葉も気力も失ってきていた。


「だけど、大丈夫です!もし来なくても私がご主人様をお守りしますので!ご安心下さいませ!」


「いや、そうじゃなくてね…」


俺はもうこのまま技を習得する事もレベル上げもできないまま旅をする羽目になるんじゃないかとそう思っていた時だった。突然、俺達に喋りかけてくるやつがいたのだ。


「あのー?言い争ってるとこ悪いんですが?話してもよろしいでしょうか?」


身軽そうな短パンと可愛いマントを羽織った銀髪のふわふわした感じの幼い女の子が喋りかけて来たのだ。


「えーと君は?」


「むむ女の子がきましたね?」


メルティは若干むすっとした表情で彼女の顔を見た。


「私の名前はリンネ…リンネ・カラーといいます。掲示板に技を身に付けたいと言う案内板を見たのですが」


彼女はどうやら俺達の掲示板を見て来てくれたらしい、あの掲示板で来てくれるってこの子も相当変わった子だなと俺はそう思った。


「えーとリンネだっけ?技を身につける手伝いとレベル上げの手伝いをしてくれるんだな?」


俺は再度掲示板に書いてあった事を彼女にもう一度確認した。


「はい…私もレベル上げと技の練習をしたいと思っていたのでそれでお手伝いができればと思い声をかけたのですが?」


「ご主人様!私は賛成です!仲間は1人でも多い方がいいですし人数が多ければ多いほどレベルも上げやすいですし早くわざも身につきやすいですよ!」


さっきまでのむすっとした態度はどこに行ったのやらと思いながら俺としてはありがたいのだが…本当に技の練習とレベリングだけなのだろうか?と、俺はこれまでの経験を見に染み少し疑心暗鬼になっていた。


「わかった。ならこれから宜しく!えーとリンネだっけ?、まずこれからどうしようか?草原まで行って雑魚の殲滅をしながらレベリングを上げていくか?」


と俺は相談したのだが、リンネ自身どうやら俺の考えとは予測不可能な事を言い出した。


「いえ、レベリングを上げるのは確かに大切な事ですが…まず…」


「まず?」


「武器はどうするのですか?」


リンネは突拍子も無いことを言った。俺はてっきり彼女自身武器かなんかを持っているのかと思ったのだがそうではなかったらしい。


「え?武器持ってないの?」


「はい…私はあなた方が待っていると思い手ぶらで参加させてもらったのですが…」


「まじかよ……」


俺は地面に項垂れながら頭を抱え込んで考え始めた。

どうする?武器も持たないままどうやって戦闘をしろと言うんだ。と思ったのだがよくよく考えたら、メルティが武器を持ってるし親父さんから貰ったお金もあるじゃないかと安心しメルティに声をかけたのだが


「メルティ!あれ?メルティは?」


俺はメルティがどこにもいなかったのであちこち見回したらリンネが指を指しながら


「あそこじゃないですか?」


指を指した方向に顔を向けると


「ご主人様!すみませんお待たせしました。」


メルティはなにやら食べ物か何かを持ったままこちらに走ってきた。


「メルティその食べ物どうしたんだ?」


俺は恐る恐るメルティに聞いてみたら


「親父さんから貰った有り金を全部使って買ってきました!3人でやっとレベリング上げする前のお祝いです!」


「貰ったお金を、全部だと………」


俺はメルティに目が離してしまった事を後悔した。だがまだ、方法はある!しかし俺は今頃気づいたのかメルティの着ていた鎧と剣が無くなっていて普通の女の子が着るような服を着ていたのだ。


「そう言えばメルティ、今更なんだが鎧と剣はどうしたんだ?」


俺は再度恐る恐るメルティに聞いた。すると


「えーと剣と鎧は無銭飲食で食べた分の半分の支払いで消えました。てへへ」


俺は空いた口が開かず、がーんとショックを受けた。


「それを先に言え!てか、前祝いでもお金全部使って飯を買う奴がどこいるんだ!」


「もぐ、もぐ.ここにいますけど?」


「そうでした……」


彼女は買ってきた食べ物を食べながら、何も問題がなかったように返事をした。俺はメルティの事少し勘違いしたのだ。天然でドジっ子でアホな子だと!ようやく再認識できた。


「それでどうするんですか?これから?」


リンネはクールにあしらいながら話を元に戻した。


「そうだな…とりあえず…今持っている有り金を集めよう。」


メルティが全部使ったとはいってもまだ、釣り銭が残っているかも知れない、それにリンネもお金を持っていないわけでもあるまい、俺もまだちょっとだがお金はある。とりあえずこれでかき集めて買える武器は買おうと土壇場の勢いで思いついた。


「しかし、この先本当に前途多難だな…」


俺は溜息つきながら、俺達はとりあえず今あるお金を集めて武器を買った。


しかし、たかが集めたお金はそんなに多くはなく安い武器しか買えなかったため3人の武器はしょぼくて、戦えるかどうかわからなくなった。これから先彼らは安い武器をどう扱ってレベリングしていくのだろうか?

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