ピープル退治その5
バシャン!
バシャン!
バシャン!
「!?雷音!もしかして一夜さん?いやでもトマソの場合もある可能性が……」
いえそれは無さそうですね。方角的にも一夜さんがいる森が1番等しい…となればもしかすると…
千夜は急いで空間移動しながら、一夜のもとへ急いで走っていく。
「……ああ?なんだなんだ。」
「………」
バシャン!
バシャン!
バシャン!
一夜に纏いつつある電気。あちこち稲光が発生するが、それは生に対して何かを害する雷ではなかった。
「チッお前がさっさと始末しないからこうなるんだ。とっととトドメをさせ。」
「ふっ!ただの見かけ倒しだろ?単にビビらせる雷なら別に何とも…」
レッドキャップはそのまま手に魔力を溜め一気に光らせピカンとという音共に一夜の心臓目掛けて貫こうとする。
キュィーーーーン!
パシャン!
「な、何!」
「!?」
しかしその一撃を何と一夜は全身に放つ雷を纏いながら受けとめる。そして…
ギューー!!
バシュン!
「ぐぉぉぉぁ!!!」
「レッドキャップ!」
なんだ!いったいどうなっている。あんな人間にいったい何の力が……
ビリバリビリバリ…
「お前達…このまま終わると思うなよ。」
レッドキャップの突き出した右指をへし折り一夜は自分の力を今この瞬間最大限にいかそうとする。
「図にのるなよ小僧。お前如き俺の相手じゃないって事を分からせてやる。」
レッドキャップはずる賢く周りのゴブリンよりも恐ろしいと聞いた。だけど今はそんなの関係ない。あんなゴブリン達はこの場で…
ヒューン
クルクル!
ババババババ!
「だは!影で俺の位置が特定できるまい!お前はそのままやられてしまうんだ。」
「それなら全体イカズチを放つまで…」
キュィーーーーン
バシャン!
一夜は纏っていた雷のエネルギーを全体に放出させレッドキャップの位置が分からない所の部分等気にせず光の糸みたいに通らせる。
ビシャン!
バリバリ!
「あぎゃあ!!!」
しゅ〜〜〜
そして見事に必中しレッドキャップは黒焦げとなってその場に倒れる。
バチン!バチン!バチン!
「ふぅ〜使いこなせるか不安だったけど、だいぶマシにはなったな。」
「………」
残るはあのグリーンキャップ。コレなら問題なくいけそうだ。
レッドキャップが黒焦げになり何かにビビリだすグリーンキャップ。恐る恐るレッドキャップの近くにより様子を確認する。
「………事を」
「何?」
「な、なんて事をしてくれたんだ。お前コイツを殺す事でいったいどういう事なのか分かっているのか!」
レッドキャップつまり赤いゴブリンを倒しただけでいったい何をそんなに怯えている。コイツ本当はレッドキャップよりも弱いって事なのか?いやそんな事じゃないな。もっと別の何かに怯えている?
「どう言う事だ?お前はそのレッドキャップよりも強いんじゃないのか?」
「ああゴブリンの中ではコイツよりも強い奴はゴロゴロいる。だがな……その中でお前は1番してはいけない事をした。」
「………」
レッドキャップ…ゴブリンの中で1番凶悪。それは千夜が言っていた事がそのまま通りになったと言う事なのか?いやでも簡単に倒せたんだぞ。規制された力がコイツのおかげで目覚めと言っても過言じゃないというのになんなんだこの複雑な気持ちは…
「いや待てゴブリンはまだいると言っていたな。なら他のゴブリンは何処にいるんだ。」
「………おいそれ以上無駄な事は聞かない方がいいぞ。俺とそいつは例外でここにいるが、他のゴブリンは全員そいつに喰われた。」
無駄な事を聞くなって言うなりにはベラベラと話すな。いやそれは別にどうでもいい…喰われた?同じゴブリンを食っただと?
「………ゴブリンは全て何体いるんだ。」
「敵である人間にこんな事を話すのは癪だが…6人いる。そしてその内の4匹はそいつに飲み込まれた。理由はとてつもなく明白な事…他のゴブリンが弱かった為そいつに飲まれて自身に力を宿す形となって成立したんだ。だがそいつが万が一にも人間に殺されるなんて事が本当に万が一にでもあったとすれば……この場にいる全ての奴等いや森は壊滅となるぞ。」
「ならそうさせないように跡形もなく消し飛べば!」
グニョグニョグニョ〜
死んだレッドキャップの遺体から泥状となってまるで侵食するかのように地面に潜り込もうとする。
「まずいぞ本格的に進行を始めやがった!」
「させるか!」
ビリバリ!
「穿て!エレキボルショット!」
ドヒュン!
ヒューーーーン!
ズバババーン!!
一夜は地面に侵食しているレッドキャップの遺体に向かって規制解放された雷技を解き放ち一瞬で消滅させる力を撃ち込む。……だが
「……外した。いや既にその場にいなかったのか…」
「くくく、もうここでの逃げ場なんてないぞ。お前達がどう言う理由でこの場所に訪れたかは知らんが…やってはならない事をしたんだ。ここでピープルに対してどう思ったのかは知らんが人間考えが浅はかだったな。」
ゴゴゴゴ!!
地面いや森全体が揺れ始めていき、森全体の動物達が恐れて森から出ていこうと必死になって駆けていく。
「成る程な。ならここで何かが起ころうとするのを必死で止めないといけないわけだ。」
それはどうかな〜
「!?」
背筋が凍る程の悍ましい話し声。それは先程のレッドキャップに似た感じの陰湿な声じゃなく…何かに対して呪うような幽霊じみた声で俺の耳元で囁く。
う、動けない…いや正確には動けば殺されるという様な形での接近だと気付いてしまった。今俺の背後にいるのはレッドキャップの残滓?いや魂なのか…それが何なのかは分からないが……やたらと冷や汗をかいてしまいどう反応すればいいか分からなくなる。
「ああ〜完全に取り憑かれたな。そいつはお前を媒体にして蘇ろうとするだろう。そして逃げても無駄なのはもう十分承知してるはずだ。レッドキャップの逸話をしているならな。」
「ならお前は何なんだ。ゴブリンの中でお前もその類いじゃないのか?」
「かはは、悪いがそれに応えてやる義理はないな。お前はそのまま何も知らずに呪い殺されろ。そらどんどん生気が吸われていくぞ。残るのは抜け殻となったただの人形と化になってしまうのは目に見えているな。」
アイツの言う通り展開が既にカオスとなっていて何が何だかわけの分からない事となってはいる。でもハッキリと分かるのは……今目覚めたばかりの力がどんどん減少しているって言うのがひしひし伝わっている。このままでは本当にこの世界での魔力が切れて死んでしまうぞ。
「じゃあな。お前の力が最後までは分からなかったがまぁいい冥土土産にはなっただろう。安心して死ぬ…」
死ぬのはあなたです。クソッタレ野郎。
「何?」
スパーン!
ストン
「は?」
グリーンキャップは今何が起こったのか…自分の左腕が真下に落ちたのを確認して、何で地面に落ちたのだとそう確認しようとするがその前に腕から噴き出す大量の青い血…そして激痛に襲われその場で思いっきり苦痛の叫び声をあげる。
「うぉぉぉぉおああああ!!お、俺の腕が!!」
「何もそこまで叫ぶ事はないでしょう。単に空間を捻じ曲げて腕を切断しただけじゃないですか。痛みだってねじ込んだおかげで半減されてるはずだと思いますけど…」
「ぐぉぉぉ……チクショーめが…いったい何処から現れた!」
「北の森からやってきました♪それで納得いただけますか?」
千夜はまるで森のクマさんがやってきた様なセリフでグリーンキャップの問いに答え。それをグリーンキャップは苦痛な顔と共に怒りの視線を向ける。
「そんな怒った顔をしてどうしたんですか?まさか子どもの命を容易く奪うあなた方ピープルがコチラ側に負かされて怒りを込み上げているとでも思っているのですか?でしたらその考えは改めた方がいいですよ。所詮下衆な行動をしない奴はその程度の知能と下劣な趣向なんですから考えても無駄という事です。」
パン!
ヒュワーン!
グィ〜〜ン
グググ!
「くぅ……な、何だ急に体が楽に…」
な、なんだこの妙な壁は!コイツの体を蝕まれないだと!
「……な、どう言う事だ。アイツはもう死ぬ寸前だったのに…いったい何が…」
「一夜さんが規制された力が解放されたという事に免じて特別に教えてあげましょう。アレは単なる呪いの類いじゃありません。取り憑かれるという陳腐な芸当な技なのは間違いではなさそうですが、見た瞬間にハッキリと分かりましたよ。アレはただのドレイン方式の技です。本体はまだ生きてるんでしょうね何処かに…いえ直ぐそばに…」
「は!ハッタリだな。奴が生きている?そんな馬鹿な事が…」
「ではお呼び致しましょうか?今一夜さんの周りには私の空間の力で見えないドレインの力を和らげて防いでいます。今ならば一夜さんの雷の力で簡単にレッドキャップの位置が特定できるでしょう。」
そう言って千夜はその場から一夜の元へと空間移動する。
「お待たせ致しました一夜さん。よく踏ん張りましたね。というよりよく規制を解放してくれました。どうですかお力の方は?今は幾分か楽になってる筈だと思います。」
「あ、ああ…確かに力がだいぶ戻ってきてはいる。コレはお前がやったのか?」
「はい。と言っても一時的に防いでるだけですがね。それよりも一夜さん。あなたの力でここ一帯を落雷みたいに撃ち落とす事はできますか?」
「何でだ?そんな事をしたら森一帯にダメージが…」
「それは問題ありません。私の力で上手く的を射抜かせていただきますので…直ぐに分かりますよ。私の言ってる意味が…」




