メルティ・マーター
山本一夜は草原の中をひたらすら走っていた。
「ハァ、ハァ、くそ!LBのやつなんて事をしやがる俺を殺す気まんまんじゃないか!」
山本一夜の後ろにはとてつもない量のイノシシの大群が迫っていた。何故かというと…
「ふふ……先輩にはお仕置きが必要ですね私の顔に2回も泥を着けたんですから、容赦なくいきますよ!」
LAST BOOKは空に閃光弾みたいな者を打ち上げていた。なんとそれは…
「ブヒーーーー!!!!」
「な!」
それは、敵をおびき寄せる閃光弾だったのだ!LAST BOOKはどうやら相当怒ってるみたいだ。
なんとかしなければとそう思った瞬間……
「ブヒーーーー!!!」
もう、間近に迫っていて考える余地などなかったため山本一夜はその場から全力で逃げ出した。
そしてそれを眺めながらLAST BOOKは…
「先輩!助けて欲しいですか!」
「な、なんだ!やっぱり助けてくれるのか!胸だけがデカくて何の取り柄もないただの技規制マゾヒストかと思ったけどやっぱり俺の味方なんだな!」
そうここで俺はしょうもない事を言ってしまったせいでLAST BOOKの怒りをかってしまった。
「………」
「セ・ン・パ・イ…死に物ぐるいで逃げて下さいよ?でないと本当に死にますからね!」
LAST BOOKは完全にキレてしまいとうとう俺を救ってはくれなかった。
「……」
俺は青ざめた表情で、全速力で後ろにいるイノシシから逃げていった。
そして今の現状がこれなのだ。
「ブヒーーーー!!!」
後ろからモンスターに追われLAST BOOKには結局支援してくれないまま旅をする事になってしまった。
「はぁ!はぁ!くそ!あいつやっぱり俺の敵じゃないのか!たかが冗談じゃないか!ここまでする意味あんのかよ!」
LAST BOOKの悪口を叫びながら逃げて行き、走る限界がちかくなって来てしまった。
「くそ!誰でもいいからたすけてくれ!技も何も使えないまま死にたくねぇよ!!」
山本一夜は助けを求めて叫びながら後ろのイノシシやモンスターから逃げ続けている時後ろから…
「我、水のことわりにて命ずる…螺旋水臥!」
山本一夜の後ろから、モンスターもろともライオンみたいに人かぶりと水を円の様な形を生み出し敵事包みこみ一掃してしまった。
「ほへーー」
俺は、口を開けたままとんでもない魔法かなにかを見てしまった。
「大丈夫ですか?」
赤髪の短髪の鎧を着た女の子が俺を助けてくれたらしい。
「あ!ああ!助かったありがとう!」
俺は彼女にお礼をいい、すると彼女から想定内の反応が返ってきた。
「こんなところで、何をしていたのですか?こんな大量のモンスターに追いかけられる人初めて見ました。」
そりゃあそうですよね、俺だってこんな出来事初めてだよ、だけどもさすがにLAST BOOKの事は話せないので、追いかけられた別の事情を彼女に説明した。
「そうだったのですか、それは災難でしたね、私がいなかったらきっともっと大変な事になってたかもしれませんね。」
俺は彼女に変な違和感を感じた。助けて貰ったのはありがたいが何故そんな自己主張?みたいな言い方をしたのだろうと気にしたのだが、今はとにかく話を続けた。
「すみませんが、お名前を聞かせてもらってもよろいしいでしょうか?あ!因みに俺の名前は山本一夜、よろしく!」
俺はちゃんと自分の名前も言わなければと思い、彼女の名前を聞く代わりに自分の名を自己紹介した。
「ヤマモトカズヤ?変わった名前ですね…おっとすみません、私の名前はメルティ・マーターどうぞメルティとお呼び下さいませ。」
「ああ!よろしくメルティ!」
彼女の名前を聞き、とりあえずお互いの自己紹介も済ませ、お互い聞きたい事を質問し始めた。
「えーと、質問してもよろしいでしょうか?ヤマモトカズヤさん?」
「一夜でいいよ俺も聞きたい事があるんだけどまずはそっちからでいいよ」
俺は彼女が打ち解けしやすいように下の名前で呼ぶようにうながした。
「えーと、ヤマモトカズヤさんはどうしてそんな変な格好されているのですか?どう見てもこの世界の住人ではないかと思うのですが…」
俺は彼女メルティに、打ち解けやすいよう下の名前でうながしたのに見事にスルーされてしまった。
「俺今回、スルーされるパターン多くね?なんか旅する自信なくしてきそう…」
「?」
彼女は不思議そうにこっちを見てきたそりゃそうだ、いきなりの初対面相手に気安くするっていうのは無理がある。
「俺は…」
山本一夜は自分がこの世界、つまり違う世界の人間だという事とLAST BOOKの名前は出さなかったがここの世界の管理者によって召喚された救世主だという事を包み隠さず話した。すると彼女の反応は……
「………」
「あのー」
そりゃあそうだよな、突然異世界からきたのだの召喚された救世主だのそんなの信じるはずがないと思っていたのだが…
「まさか!あなた様が!世界文献の伝承まつわる救世主様なのですか!」
彼女は目を輝かせさせながらジリジリとこちらに近づいてきた。
(ち!近い!それに胸がでかいなLBとまでは行かないがD〜Eぐらいの中間ぐらいの大きさはあるぞ)
俺は彼女の顔つきから下先まで観察してしまったが
雑念を払い、無理矢理話をした。
「知っ、知っているのか救世主の事を」
「はい!7つの世界が危機に陥る時、世界管理者によって召喚され7つの世界を救う!これは7つの世界何処にも共通してる文献なんですよ!」
「そ、そうなのか…」
俺はどこか思う所があった、文献に出てくる世界管理者これは恐らくLAST BOOKの事を言ってるのだろう…だけど7つの世界で共通してるっていうのが引っかかる…俺が違う世界へ行くたびに俺のことを脅威としてみてくる輩もいるんじゃないか?
特に7魔神あたりが…
「どうかされましたか救世主様?」
「いや。他にも聞きたい事があるんだけどって救世主様!」
「はい?救世主様で間違っていませんよね?」
「そうだけど…いや今はとりあえず他の質問をしたいのだがいいかな?」
俺は急に彼女が救世主様って言う言葉を発したのにびっくりした。けど今はそのことではなく別の事を質問しなければならないと思い無理矢理質問した。
「はい!なんなんりと私の知っている事で良ければなんですけど!」
俺は1つ目の世界つまりこの世界の事について彼女に聞き始めた。
「この世界はなんていう名前の世界なんだ?」
俺はLAST BOOKから聞いた。人と獣の世界とは聞いたが名前ぐらいはあるんじゃないかとメルティに聞いてみた。
「名前ですか…よく私にもわからないんですがLine warriorという名前らしいですよ。何でもこの7つの世界を束ねる賢者さんが作ったとか」
Line warrior?英語なんだろうか?とても意味がある名前とは思えないし放置でもいいかな?賢者という言葉も気にかかるけどそれは後にしよう。俺は次の質問へと変えた。
「メルティ、この世界は今どうなっているか状況を知りたいんだがいいかな?」
「はい!構いませんけど、その前にこんな草原の中で話すよりは町にいきませんか?美味しいご飯を食べながらゆっくり話をした方がいいと思うのですが!」
すると俺のお腹は正直に返事をした
「ギューー」
「うっ確かにこの世界にきてからまだ何にも食べてなかった。」
「ふふ、それではいきましょうか!町は少し先に行った場所がありますので、そこでお話ししましょうか少し歩きますが救世主様大丈夫ですか?」
メルティは心配そうにこっちを見てきた。
「ああ、大丈夫だ後その救世主様って言うのはやめてくれないかな?」
俺は先程の救世主様って言葉がどうしてもしっくりこなかったので彼女にその名を呼ばないようやめるようにいったのだが
「ではなんとお呼びすれば?」
「普通に名前で呼んでくれればいいから!」
「うーんそうですね…わかりました!」
彼女は納得してくれたみたいだ俺はほっとした瞬間彼女からとんでもない事を言い始めた。
「ご主人様とお呼びになってもよろしいですか!」
「な!」
俺は気恥ずかしさと驚きでいろいろと戸惑っていた。
「な、なんで、ご主人様なんだ?」
「だって、私にとっては世界を救う救世主様を名前で呼ぶなんて滅相もございません!それに私は救世主様と色んな世界を旅する事が夢なんです!だからいずれ救世主様を主として支えながらご主人様とよべたらいいなって、そんな単純な理由です。えへへ」
なんだろ、こんな俺が主だとこんな可愛い子にそんな事を呼ばせていいんだろうか?まあ彼女が呼びたいっていってるのなら無理強いはできないか…
「わかった!好きに呼べばいいさ!俺も男だ!名前ぐらいでいちいち気にしてたら話にならんしな!」
「ありがとうございます!これからよらしくお願いしますね!ご主人様!」
「あ、ああ…」
やっぱり慣れない自分がいた。
ピコーン!
「なんだ?」
突然変な音が聞こえた。
「どうしました?ご主人様?」
「いや、なんか変な音聞こえなかった?」
俺は彼女に聞いてみると。
「いえ、何も聞こえませんでしたが」
「そうか…」
多分気のせいかなんかだろうと思った。いろいろと変な事を聞かされてきたから、疲れてきたんだと俺は思った。
「それじゃご主人様こっちです。付いてきて下さい!」
元気だなと思いながら彼女の後をついて行こうとした瞬間…
「あ!」
彼女は石ころにつまづいてしまい、転んでしまった。
「だ、大丈夫か?」
「だ、大丈夫です……う〜」
彼女は恥ずかしそうにしながらこっちを向こうとはせず痛がっていた。
「ま、まあこう言うこともあるさ、ははは」
俺はなんとか彼女を元気付けようとした、それに転んだ拍子にスカートの中が見えてしまった事を隠そうとしたのだが
「ご主人様みましたね!私のスカートの中みましたね!」
俺は嘘を隠しきれないのだろうか彼女は普通に怪しんできた。
「見てないぞ!決してピンク色が見えたとか決して見てないからな!」
俺はつい口が滑ってしまいメルティは頬を膨らませながら恥ずかしいそうにスカートを抑えつけた。
「ご主人様の変態!スケベ!!もう知らないです!」
「あ!待って!その先は」
俺はおもむろにに彼女を呼び止めようとしたのだが…
「え?キャーーー!!!!」
メルティが後ろを振り返った瞬間、見事に斜面から転げ落ちていった。
「見事に転げ落ちていったな彼女は天然なのかそれともただのドジっ子なのだろうかまた変な子が現れたな…」
俺は彼女と一緒に無事に町に辿りつけるんだろうかと心配しつつ彼女が転げ落ちていった方向に助けにいった。
「た〜す〜け〜て〜下さい!目が回る〜」