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朱の世界  作者: 色音れい
プロローグ
2/10

第1話◆教会でステータスを◇


 まず状況を整理しよう……。

 えっと、彩さんとデートをして、帰っている途中……。段差に躓いて、顔を上げたらレディーア村に……。

 いやいや。おかしいって……。


 そもそも【朱の世界】は転移、転生物じゃない。村の少年の復讐劇を描いた小説だ。


 死んだ……。訳じゃないだろうしどうしてこんな事になったんだろう。

 ともかく、転移してしまったと仮定して考えよう……。そうすると力はどうなっているんだろう。


 試しに立ち上がって飛んでみたり、近くにあった木を殴ってみる。元と変わらないようだ。軽い気がしなくもないが興奮のせいだろう。


 手が普通に痛い……。


 この世界にはステータスという概念が存在する。『ステータス視認』というスキルがあれば自分の物を見れるが、持ってないものは教会に行く必要がある。一回でも開けばその後はスキルが無くても自分で開く事が出来る。


 我ながら優しい設定だ。


 ステータスに表示されるのは、力、防御、俊敏、体力、魔力、SPスキルポイントの六つの数値化とレベル、スキル、称号と言ったものだ。


 うん。ここは結構悩んだなぁ……。懐かしい。


 数値化できる力などはレベルアップにより、上昇するが、種族値が決まっており、その分しか上がらない。なので、スキルや称号の補正で個人差が出る。


「俺にもステータスってあるのかな……」


 ステータスは見れなかった。『ステータス視認』が無いのだろう。

 ……ちょっと待てよ。確か【朱の世界】の冒頭は……。主人公とヒロインが教会へ行く場面じゃないか。そしてここはその時通る道だ。


 接触するか否か。


 接触したとしてこの先の話にどれくらいの影響が出る?

 

 接触しなかったら俺の生きていける確率はどうなる?


 木下に座り、考え込む。


「……あの。大丈夫か?」

「……へっ? 何でここに……」


 目の前には主人公アレイとヒロインのリーズがいた。

 キャラデザのまんまだ……。すげぇ……ってそうじゃなくて。


「このお節介が体調が悪いのかもって心配して見に来たのよ。大丈夫?」


 そういうことかこのお節介……!!


「あはは……。大丈夫。ちょっと一休みしてたんだ」

「そっかそっか! 怪我とかしてなくて良かった! 僕はアレイ。よろしく」


 知ってる。


「私はリーズ。このお節介の見張り役ね……」


 うん。知ってる。2人とも俺の子供みたいなもんだ。

 ……序盤に片方殺してるけど。


「あ、俺はアカネって言います」


 とりあえず、本名とペンネームにも入っている『アカネ』と名乗っておく。


「にしてもどうしてこんな所に? アカネさんは冒険者?」


 アレイがそう聞いてくる。

 そうだよな……。冒険者でも中々立ち寄らない平和な村だ。


「まぁ……。そんな感じかな。二人は隣村に行くのかな」

「そう! ステータスを見に行くんだ。毎日鍛えてるから結構自信あるんだ!」


 序盤、アレイは国家騎士を目指している設定だ。

 レベルも歳にしては結構高い。

 2人の歳は16。この国では16になったら必ずステータスを確認すると言う義務がある。国民の人数把握と騎士の卵の発掘の為だ。


「……良かったら俺もついて行っていいかな? ステータスを見たくて」

「あれ? 私達より歳上よね? 16の時に確認しなかったの?」


 リーズが少し不思議そうに聞いてくる。


「えっと……。山奥! そう、山奥にずっと暮らしててそこから出なかったんだ。だから国の事情とかには疎くて」


 嘘です。国の事情とか全部決めたの俺です。

 にしても我ながらよくある言い訳を選んだものだ……。


「たまにいるわよね〜。なんだかエルフっぽいわ」

「別に悪い人でも無さそうだし、僕は構わないけどリーズは?」

「大丈夫。それに最近猪がいっぱい増えてて、林の中じゃなくても会うみたいだから人数は多い方が良いわ」

 

 まぁ、この後出るのは猪じゃないんだけどな……。


 隣村……。クコ村はここから1時間ほど歩いたところにある。

 レディーア村よりは少し大きいと言うだけの特に変わらない村だ。

 間にある道は、平原。木はほとんどなく、現実ならば、まさにピクニックにはもってこいの場所だ。

 たわいもない話をしながら20分歩く。


 ……そろそろだな。


 平原にポツポツとある茂みの中から灰色の毛を持つ狼が姿を現す。ただの狼では無い。魔物化している。


「まさか猪じゃなくて狼が出るなんて……」

「ここじゃ逃げられない……。戦うしかない」


 遮るものや、隠れる場所がないこの場所では逃げられないと瞬時に判断したアレイは剣を抜く。

 本来なら、ちょっと苦戦した後に勝つのだが……。

 アレイが怪我をしてもただ見ているだけってのも気分が悪い。


「その狼はかならず飛び跳ねて上から噛み付いてくるから、飛び上がったら下に潜り込んで首を切れば大丈夫だ」

「……なんでそんなこと分かるのよ」

「まぁ、騙されたと思ってやって見てって」

「分かった!」

「ちょっといいの!?」

「大丈夫! そんな気がする!」


 流石初期のアレイ。人を疑うことをしない。

 実際勝つのもこのパターンに気づいた後だ。

 最初からわかっていれば、アレイの反射神経を持ってすると……。


「ガァァッ!」


 思った通りの上からの攻撃。

 それを言った通りに首を狙い、確実に仕留める。

 流石アレイ。


「アレイ凄いじゃない!」


 リーズはアレイに抱きつく。くそっ。

 この関係を作ったのは俺だが、目の前でリア充が出来上がるのは許せる気にはなれない。

 彩さん……。


 にしても……。


「おい。いつまでイチャイチャしてる気だ」

「「あ、ごめん」」


 そんな申し訳なさそうに見るな……。見るなぁぁっ。


 それからもイチャイチャする二人を見てストレスを溜めながら、クコ村に着く。


「ステータスを見に行こう!」


 全く元気だなぁ……。


「教会は確かあっちね」


 着いたのは小さい教会。


「なんか豪華な馬車が止まってるけど何だろう」

「あれは貴族の馬車だよ。気を付けておいた方がいいぞ」


 2人はよくわからないと言った顔をして、教会の中へ入っていく。

 中には、貴族とその従者。数人の少年少女達がいた。


「ようこそ。御三方もステータス確認でよろしいですかな?」


 優しいおじいちゃん神父だ。


「はい。ステータスを見に来ました」


 リーズがそう答える。


「では、そちらの右端の席が空いてますので、そちらにどうぞ」


 言われた通りに端へ行く。

 俺達には黒いインクの入った小瓶と1枚の紙そして小さい針が渡される。

 このインクと紙は少し特殊な物で、黒いインクは少量の竜の血が混ざっている。

 紙の方はステータスペーパーと言う物で、魔力でできた紙だ。見た目は紙と区別がつかないが、血判を施すことで所有者が決まり、所有者の意志によって出現させたり、体内へ消したりできる優れものだ。

……と言うのを神父が説明する。サラーっと聞き流していると儀式は次の段階である『天啓てんけい』と呼ばれるものに移る。

 『天啓』はスキルの1種で、職業が聖職者しか覚えることは出来ない、中級位ちゅうきゅういのスキルだ。

 効果は単純で使用した相手のステータスを紙に描き移すという物。


 その儀式で全員のステータスがステータスペーパーへと描き移される。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


 アカネ Lv.1

 体力:100 魔力:100

 力:20

 防御:10

 俊敏:10

 SP:0


 ・スキル

 無し


 ・称号

 創造者 徹夜慣れ


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



 なるほどなるほど……。これは一般男性……。と言うより、畑仕事をしている人達よりも弱いレベルだ。レベル1だし、称号もスキルもステータスの恩恵がないから標準値のまま。下手したら子供に負けるぞこれ。


 とりあえず、この称号の事だけでも見てみるか……。




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