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夢の国  作者: 虎月
3/5

三、ミラーハウス

一面が鏡の迷路の中、私だけが映し出されている。


「騙してたみたいでごめんね」


巴が、寂しげに笑う。

ちゃんとそこにいるのに、巴は映し出されていない。

やはり、巴は生きた人間ではなかったのだと納得したが、感じたのは恐怖ではなく、私の中で、誰かが泣き叫んでいるような悲しさだった。

私は黙って首を横に振る。


そうだ。巴は私の友人だった。

何もこんな時に思い出さなくても良かったじゃないか、と心中で呟く。


「死んでても、巴は私の親友だよ」


そう言うと、巴は悲しげに笑った。


「……ありがとうね」


そう言うと、巴は迷路を先導して進み、迷い戸惑いながら私は着いて行く。

出口で巴は笑ってこう言った。


「最後に、一緒に観覧車に乗りたいな」


私は頷き、暑い日差しの中へと確りと手を繋いで出ていった。

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