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夜道

 私は夜道を歩いていた。

 都会の汚れた空気を抜けて、自然が溢れている山道を。

 別に、ここを目指して来たわけではない。

 ふらふらと、ただながれるままに行き着いたのだ。


 ここは素晴らしい。

 社会のルールなどありもしなければ、人間関係などもってのほかだ。

 誰に気を使うわけでもなく、神経を擦り減らすこともない。

 さらに言うならば、ここには街灯もなければ、家の光もない。

 ただ闇夜の道が続くだけだ。

 これもまた、私の感性に当てはまる。

 ここで家族を作って過ごせたら、どんなに幸せなことだろうか。

 いっそ昔のことなど忘れて、ここに永遠に住もうか…………いや、無駄な妄想はやめよう。

 第一それは叶わぬ夢のようだ。

 私を狙っている奴らがここまで捕らえに来てしまった。


 私は足を止める。

 背後から近づいてきた車の中から、男が数人でて来た。


「連続大量殺人の罪で指名手配中のお前を逮捕する」

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