窓飾
「雪だ」と彼がつぶやいた。
5分の沈黙から彼が話した言葉
外を見てみる。
本当に雪は降っていた。
みぞれに近い雪。道路に落ちて水になってしまう、
でも本物の雪。
私は窓から彼へ顔を向け、すぐに彼の持つカップへ視線を落とした。彼がじっと私をみてた。それはものすごく意外なことだった。だって窓の外の雪を見てると思ったから。
彼は「今」になって外の雪を見てる、微笑んで。
彼は何を考えてるんだろう
その疑問は非難するものでもなく、好奇心でもない。
ただただ微かな気持ちの揺らぎ、何か素敵な物語の始まり。そんな気がする