初めての戦闘
外は、特に変わった事もなく見慣れた景色。
どこにでもある住宅街。
ひとまず、深呼吸を1回。
浮き足だっていたら、重要な事を見過ごすかもしれない。
少しだけ、自分が落ち着いた事を確認すると、ユックリと歩き出す。
特に目的地はないが、避難所指定されている公園へ向かう。
歩いている途中でも、何か分からない生き物の鳴き声や人の叫び声が聞こえた。
まずは情報収集を第一優先に設定して、公園へと足を速める。
ケータイの事にしても、周りの騒ぎにしても、何かとんでもない事が起こっている様に思う。
慎重かつ柔軟な対応をしなければ、自分が自分でいられなくなると、何となく感じる。
こういったカンも、今までの経験則から来るものだろうと、感じたカンを心の片隅に留めておく事にした。
周りの騒がしさと反して、公園までの道のりは何事もなく進む。
遊具があり、陸上のトラックやサッカーゴールがあるグラウンドを横目に公民館へ足を向けると、向こう側から、何かが向かってくる。かなりの速さだ。
左腕を前にして、腰を少し落として構える。
すぐにドンッと凄い衝撃が襲ってきて、ふらつきそうになったが堪えると、すぐさま右手の棒を思いっ切り振り抜いた。
〔ギャンッ。〕
鳴き声が聞こえたが、攻撃を仕掛けてきたのは相手だ。
あのタックルは、敵意を感じられた。
目標物を確認する事無く、初撃で蹲る生き物をたこ殴りにする。
どの位、殴ったのだろう。
ピクリとも動かなくなった生き物が淡い光に包まれて消えた。
そして、頭の中でファンファーレが鳴り響く。
【たららっ、たった、たったた~。】
ファンファーレだけでは終わらない。
【コウはレベルが上がった。】
益々、RPGっぽい。
【ファーストアタックボーナス】
【ファーストキルボーナス】
【ファーストエリアボーナス】
【ファーストレベルアップボーナス】
【レベル10到達1位ボーナス】
何だか色々とボーナス入ったし。
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コウ・ミヤムラ
学生 17歳
レベル 12
HP 75
MP 102
攻撃 43
魔攻 54
特攻 48
防御 40
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レベルもステータスも上がりまくってます。
・・・・・
僕、何を倒したんだろ?