パリ伯ユーグ・カペー召喚!②
そう、それは昨日に遡る。彼女がここへやってきたのは、つまりはパリ伯ユーグ・カペーがここへやってきたのは
それは、まだ高校に入学して日が浅く(まだ日は浅いが、)初めての7時間授業の日だった。授業が本格始動し始めたので7時限も授業があるのは正直とてもダルい。
そして日が浅いということは、人の名前覚えてないは、友人関係も築いてないわで学校というものがつまらなく感じる。
まだ四月なのでこれを四月病とか命名しよう・・・何もなかったことにしよう。
例えば朝こんな会話があった
僕がその日教室に到着すると1分後ぐらいに松田が到着した。
松田とはある程度の友好関係を築いていたのでこれをものにしようと僕は積極的に会話を仕掛けた。
しかし、問題がある。 僕は名前を覚えていない
僕は「松田」の「ま」しか名前が出てこなかった。だから
「やぁ、Mr,Mおはよう。今日の調子はどうだい?」
この時はこれが一番の言葉だと確信していた。しかし、今あの松田の呆れと諦めの混ざった顔を思い出すと、確実にあの言葉は間違っていたんだろうと確信する。
そして松田はこんな言葉を返した
「僕の名前は松田だ!いい加減覚えろ!もう何回なまえがでてこないんだよ!」
おっしゃるとおりです。
まぁ、よくもこんな体たらくで会話をしようともしくは、友好関係、友人関係を築こうとしたものだと我ながら感心する
こんな感じでまだまだ名前も憶えられていない
こんな朝のつまらない会話は放っておいて本題に入ろう僕がどうやってパリ伯ユーグ・カペーと出会ったか
まぁ、授業をすべて終えて、帰宅の途に就いた。下校途中、奇跡的にある程度友好関係を築けた松田と別れ一人家へ帰った。
家には僕だけだ。そんなことを言うと僕が天涯孤独の身のような感じがするが、ちなみに両親は今も健在だ。何か不幸があったとかそんなことはなく、ただの海外出張。
まぁ、一年で家にいることなんてほぼないのだが・・・
それゆえに一人息子を心配してよく荷物を送ってくる。ほら今だってインターホンのチャイムが鳴り響いた、おそらく両親からの宅配の荷物だろう
高校に入学し授業も始まるということで中身は大量の参考書、高1の分だけではない。高2、高3とある。
「せめて、学年ごとに分けておっくてくればいいのに」
さすがの量にこうして独り言が口から漏れ出す。
取り合えず、荷物をもって痛々しい自室へ行く。
僕は部屋に入り、もはや日常と化した工程をこなしていく。
カバンや荷物を置き、パソコンの電源を付け、椅子に座る。
しかし今日はいつもと違う。椅子に座る前に、参考書を見てなぜか世界史の参考書を手に取ったのだ。そして椅子に座りパラパラとめくる。
何か知らないが「パリ伯ユーグ・カペー」に目が行った。
僕はこのときこう思ったのだ。「たぶん、この子はかわいい女の子なんだろうなぁ」と勝手に美少女なんだろうなと思っていたのだ。
そして記憶に新しいうちにマーカーペンでなぞったときにそれは起こった。
僕の目の前が光に包まれた。僕は驚き、光からにげるように椅子ごと転倒した。
光も消えて、視界が回復するとそこには彼女が立っていた。
「ユーグ・カペーです。ここは・・・どこですか?」
自ら名を語った。僕は急いで参考書を手に取る。そこには光に包まれる前と同様にパリ伯ユーグ・カペーという名がきっちりと印刷されている。
そして、男だということも・・・
この時僕はありえない現実に直面する。