パリ伯ユーグ・カペー召喚!①
「起きてください。朝です。」
美しい少女の声だ。
「あと5分。」
その一言は起きないやつのテンプレとも言っていいほどよくある言葉だ。
「そうですか・・・主はこのまま遅刻もしくは欠席してそのまま留年してダメ男の一歩を踏み出すのです・・・」
その言葉はあまりにも冷静で研ぎ澄まされた刃のように心に突き刺さる。しかしこんな言葉に屈する僕ではない。
「まだ留年するほど遅刻も欠席もつい取らんわぁぁぁ!」
僕の無駄な抵抗心と元気に任せ飛び起きる
どうやらはそんなこと織り込み済みのようだとでも言いたげなようにように隣で起こしに来た少女は冷静な顔をしていた。
そして、そんな冷静な顔を見て僕もふと我に返る。今は何時だ・・・時計を見る・・・短針が6長針が7!つまり導き出される答えは!・・・7時半!そしてつまり遅刻決定という悲しい末路である。
どうやら僕の抵抗は彼女の前では無力だったようだ。
ダッシュで家から駅まで行き電車を降りてダッシュで学校へ走る。
「はっ、はっ、ちこくだ~」
ふと聞き覚えのある声がした。
そしてふと昨日を振り返る。思い出すのは「パリ伯ユーグ・カペー」という名の少女となぜかその子を召喚?してしまったということです。そうなぜか「珍しく勉強なんてしようかな」なんて思って、しかもそれを行動に移してしまったのが間違いの始まりでした。そう、彼女の?彼の?どっちの代名詞が正解かはわからないが「パリ伯ユーグ・カペー」という名にマーカーを引いた時からすべては始まった。