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不老少年と御伽噺  作者: 無月 心太
4/16

少女の追想 1

***


その日は、気持ちいいくらいの青空だった。


「ロッティ!」

キッチンの方から自分を呼ぶ声が聞こえる。

ロッティは自室のベッドの上で、お気に入りの本にふけっているところだった。

あぁ、今いいところなのに……。

「なーに?」

とりあえず返事をしてから、読みかけの本に栞を挟み、ベッドから起き上がる。本を片手に母のいるキッチンへと向かい声をかける。

「お母さん、なぁに?」

ロッティが来たのを確認してから、母はバスケットをロッティに差し出しながら言う。

「お使いに行ってきてくれないかしら。お母さん今手が離せなくて」

たしかに、母の後ろには作りかけの鍋や料理が置いてある。

「えぇ……」

読んでいる本の続きが気になるのに……。

だが、母の頼みを断るわけにはいかず、ロッティはお使いに行くことにした。

家は村のはずれにあり、買い物に行くにも村まで行くのに一苦労だ。

「んじゃ、行ってくるね」

手に持っていた本を机の上に置き、掛けてあったお気に入りの赤いフードのついた上着を羽織り外へ出て行った。

外に出ると、家の前に一人の少年が立っているのを見つけた。

「あ、ロッティ」

少年はロッティが家から出てきたのを見ると、陽気にこちらへと駆けてきた。

その少年を、ロッティは知っている。

「ルディ、また来ていたの。家に上がればいいのに」

同い年だと思う背格好に、ロッティと似たようなブロンドの髪。ルディと呼ばれた少年は細い首を横に振る。

「いや、いいんだ。ところで、今から買い物かい?」

「そうよ。お母さんのお使いに行くの。……一緒に行く?」

「いや、俺は遠慮しておくよ」

「そう。じゃあ、私行ってくるわね」

「あぁ。気をつけて」

たわいもない挨拶を交わし、ロッティは村へと向かった。




村にある市場はかなり賑わっていた。

「やぁロッティ。買い物に来たのかい?えらいねぇ」

市場にいたおばさんが、優しく声をかけてくれる。

「そういえば、最近シャルロッテの体調はどうなの?」

「今は薬を飲まなくても元気にしているよ。たまにひどくなるみたいだけど、最近は大丈夫よ」

ロッティの母、シャルロッテは昔から体が弱かった。

街医者にもよくかかり、処方される薬を毎日、何種類も飲んでいたくらいだ。

しかし、最近はロッティの言う通り体調は良好。薬も今は必要ない。

「そう、それはよかったわねぇ。ところで、何を買いに来たの?」

おばさんはニコニコしながら聞いてくる。

「このメモに書いてあるものよ。どこが安いかしら?」

ロッティはそう言い、バスケットの中に入っていた買い物メモをおばさんに見せる。

「んー……そうねぇ、あの角に店を出しているところで買いなさいな。私からって言えばまけてもらえるわよ」

言いながらおばさんは右の通路を指差す。

「あと、この辺は私の家にあるから少しあげるわ」

「え⁉︎いいの?」

「ロッティもシャルロッテも頑張り屋さんだからね。おばさんは二人に協力しちゃう」

「ありがとう!」

ニコニコしながら頭を撫でてくれるおばさんに、ロッティの顔がほころんだ。

「じゃあ、先にお店に行ってくるね!」

「えぇ。買い物が済んだら私の家へおいで」

「うん!」

そう言い、ロッティは思う。いい人たちに囲まれて、私はなんて幸せなんだろう、と。

おばさんと一旦別れ、紹介してもらった店へと向かった。

そこの店主はやさしく、おばさんの紹介ということもありかなりまけてもらえた。

おばさんの家で残りのお使いも済ませ、さらに手作りのお菓子までいただいた。

あとは、家に帰って夕飯までに、本の続きを読もう。あの主人公の少女は、これからどうなるのだろう。

小さい頃、母が読み聞かせてくれたような気がするが、その内容はあまり覚えていない。

物語について考えながら帰路につくロッティだったが、途中、行きにもあったルディがいた。

「ロッティ……少し話をしよう」

ルディは真剣味溢れる顔でそう言うと、私の隣に立ち歩き始めた。

「どうしたの?」

「うん……」

聞いてもルディはあまりはっきりした返事はしなかった。が、しばらくしてから口を開いた。

「……ロッティは、おとぎ話を信じるか?」

「おとぎ話?……まぁ、実際にあったら素敵だと思うわ」

今読んでいる本もおとぎ話の類だ。それを好んで読むロッティにとって、おとぎ話とは憧れの夢の世界(おはなし)なのだ。

「そうか、そうだよな……」

隣を歩くルディは、そう言うと、少しだけ視線を下げた。

「なに?突然、そんな話をして……」

「いや、俺はおとぎ話が、あまり好きじゃないから……」

苦笑まじりにそう言うルディ。おとぎ話が好きなロッティにとっては聞き捨てならなかった。

「どうして?素敵じゃないの」

一歩前にでて、一緒に歩くルディの前にでる。

「最後はハッピーエンドなのよ?あぁ、いいお話だったって思いながら本を閉じるの」

「…………ハッピーエンドだけじゃない……」

ルディは独り言のように呟くと、歩みを止めた。

「え?」

その声は小さく、ロッティには聞き取れなかった。

「ロッティ、君は、俺が守るから。大丈夫だ」

「なに言って」

「大丈夫」

ロッティが言い終わるのも待たずにルディは短く答え、ロッティの鳩尾を殴った。

「⁉︎」

「ごめん。ロッティ」



そこで、ロッティの意識は途絶えた。







第3話?です!




少女、ロッティの回想シーンでした!

まだ少し続きますが……おつきあいください!

少し日が空いてしまいましたが、続きはもう少しはやく投稿できたらいいなぁ……と。(笑)



続きも宜しくおねがいします



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