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○第四話 その頃とそのころ (挿)

雑ですが挿絵をつけました


携帯の仕様上画像が横にしか登録できないため不自然になっています

御了承ください

そのころ…


「もお…なんで私がこんなことしなきゃいけないの!?」


私…紅咲美恵は、『間違えて無意識に』もって帰ったソフトを手に日が暮れて暗くなった道路を走っていた。


私の家とたつやのいる寮は、歩いても20分もかからない

ましてや走って行けば5分強で寮に着くことが出来る。

だけど、親にあれだけ頭さげてこの時間帯に外に出られたのだから…

できるだけ早く行かなければ。



「はあ…まったく、こんなゲームのどこがいいの…?」


赤信号を待ちながら私はたつやのソフトをみた。



「ねこぷよ!(R18)」


私が一度遊んだねこぷよフィーバーに、若干え……そういう雰囲気を見せる所はあったけど

こういうことだったのね。


…実は、私が怒ったのはこのゲームをたつやがしているという事だけではなかった。

ま、たつやだって、頼りないけど一応男だし…

こういうのに興味をもつお年頃だっていうのは理解している。


まあ完全にそういう世界を認めることは到底むりだけど。


「(てか…あいつまだ18じゃないわよ! まったく!!)」



だけど…

私が怒った1番の…理由は


たつやが私のことをそういう対象として見ているのではないかという恐怖だった。


他人から見れば…大した事じゃないと思うかもしれない。


だけど…私は小さい頃から一緒だった彼を、ずっと普通の友達と見ていた

ただ一緒にいて、話して、また学校で会って……そうやって、いつまでも仲良くやっていけるって……。


なのに、彼はそう思ってないかもしれない…


――ただの女


そんなふうに見ているかもしれない…



たつやが友達とそういうソフトの話をしているときから、

何と無くそんな気がしていたが



いざ本物に出会って


同様して


泣きたくて


だけど泣くなんて恥ずかしいから…怒った




「たつや…」


私は気がついたら独りで彼の名をつぶやいていた


たつやが…私の知らない存在に変わっていく…


また…遠くへ………離れていく………





あの時と……同じように……



「…あっ!」


気がついたら、私はたつやの寮の前にいた。


はあ…私ったら何考えてるんだろ

あんなぼーっとしたやつが、そこまで考えてる訳がないじゃない!!

第一…あいつが悪いんだから!

たつやの馬鹿!

馬鹿馬鹿馬鹿!!!



ふう……

開き直ったら楽になった。


さて

受付にいって、もう一人頭をさげなければ…










「さあ、これを食え!」


俺は飢えて死にそうで可愛そうな乱入者&襲撃者のために、即席でつくったご飯を大皿に乗せ、小さなテーブルにどんっ!と置いた。

その勢いに、竹刀とかいう少女もびっくりしたようだ。



まったく…どこの何時代気分のやつか知らないが…

これならコスプレーヤーだろうが時をかける少女だろうが食えるだろう。


俺の実家、新潟県のお米のおにぎり20個!

勿論、具なんてものは入ってない。

新潟県産のは具なんて無くても上手いんだ!


「…いらぬ!」


お腹をぐーぐーいわせながら竹刀はツンッと言った。


「おいおい…誰のためにつくったとでも」


「をこのしれ者が!! 敵陣の食い物なんぞ食える訳が無かろう!! 毒が入っているに決まっておる!」


―――ぐぅ〜〜〜っ!



全く…どこまで面倒なんだこいつは!!


「仕方ねーなあ」


俺は適当におにぎりをひとつ掴むと、がぶりと一口



「ほら、毒味したぞ、わかったか?」



「………」



竹刀は警戒しながらも、おにぎりを手にとり


ぱくっ…


「どうだ?」


「……。」


「……。」


「……うまい…」



それから竹刀は次々と口のなかに放り込んだ



挿絵(By みてみん)


しかし…おにぎり一個毒味して安心するとは、警戒心かなり浅いな

よほどお腹が空いたのか?


「お茶、いるか?」


「もがっ(いるっ)」


俺はお茶をとりに行くためにキッチンへむかおうと立ち上がったとき


……カシャッ


その勢いで彼女の刀が俺の腰で動いた。


あの時とりあげた刀はまだ返さないでいる…返してまた暴れられたら、今度こそヤバい。

とりあえずはしばらくは返さないほうがいいだろう。



「(しかしこの刀…)」



重さ、質感、音、そして

周りの壁の…(悲劇としかいいようがない)この傷…

どう考えても本物としか思えない。


こんな物騒なもの、簡単に手に入るわけがない。

骨董品にだってこんなものは無いはずだ。


それに、口調といい…格好といい

もしかしたら…


本当に…



「あ〜〜〜腹一杯じゃ!」


…考えすぎかあ


「さて、話を聞かせてもらおうか」


「?」


「俺を襲った理由、あと…お前がどういうやつか」


「…仕方ない。にぎりの礼がある…よかろう」



竹刀は座りなおした

刀が無かったら、あっという間におとなしくなったな、こいつ。


「あれは、戦を終えて帰ってきた時だった…」

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