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○第三話 本日の乱入者《ゲスト》は

第三話に投稿予定だった内容の一部が第二話にうつっています


まだ見ていない方はご注意ください

あのあとすぐ、俺の親友滝沢一樹タキザワカズキからメールがきた。


『今日貸してくれたやつ、中身見たらねこぷよフィーバーだっだんだけど?』


――――おせーよっ!



思わず携帯をたたきつけそうになったが、腕の痛みで我にかえった。



擦り傷二カ所

打撲傷三十六ヶ所…


紅咲にやられた傷は思ったよりも重傷だ。

全治一週間ってところか?



まあ二次元も三次元も

女の子って怒らすと怖い…。

まああんなに殴る三次元女子は紅咲くらいだけど

あれでも昔は大人しかったのになあ。


しかし…

「そういえばあいつ、何気にねこぷよ持って帰ったぞ」


無意識なのかわざとなのか…どちらにしろねこぷよをどうするつもりなのか気になる。



まともに返してくれる確率は、俺の部屋の机の引き出しがタイムマシンになって、ネコミミの少女がでてくる確率より低い…。

もし仮に返ったとしても、ゲームのディスクは粉々に…なるだろう。


返って来なかったら…



最悪捨てられる…。

―――冗談じゃない、あれでも8800円するんだぞ!しかもまだ全部みてねぇ!!



だが今から紅咲の家に行って

「返せよこんにゃろ―!!」

…何て言えない

返り討ちに合うに決まっている。

それどころか、あの紅咲家の家族は…

―――考えただけでも恐ろしい…。




なんやかんやと思い巡らしている間に、いつの間にか自分の部屋の前に立っていた。


俺は今現在、俺が通う黒潮学園直属の寮に住んでいる。

部屋はキッチンと風呂と狭いリビングっぽいのだけだが、一人暮らしは十分だ。

学園から10分くらいの所だからなおさら便利である。


ちなみにご飯は自炊か外食が原則

寮から食事はでない。



俺は、若干壊れかけているドアノブにてをかけた。


「…さて、風呂入ったら例のエロゲーの続きでも…」


――がたっ!


ん??


―――ガサガサッ


…………。

なに…この中に誰かいますよフラグは。



気のせいというレベルではない

確かに中で動く音が聞こえた…。



…この寮には玄関の受付に、寮長というそれはこわ〜いおじさんが一人いる。

寮長がいるかぎり、部外者は入ってこられない。



第一鍵は閉めたはずだし…俺の部屋は五階、窓から入るには余りに危険だ、だから入れるはずが……。


―――ドシンッ!


!!


――――…………。


…………。



…もしかして、あれか?

一昨日三階の部屋で起きた…

男が男の下着を盗むという怪事件!!


…それはごめんだ…


しかしこうして立ち往生しているわけには行かない。

金目のものなんか俺の部屋にはないが…もし俺のマイコレクションが盗まれたら…マジで困る!


強盗だったらちょっと怖いが、仕方ない。ここはもう勇気を振り絞って行くしかないぜ!!!

(この時どうして、寮長に言おうという発想が出来なかったんだろうかなあ…。)


俺はドアノブに手をかけた。


「(………ふう…)」


迷ってはいけない…


ここで迷ったら確実に失敗する

しかし開けてどうする?

俺は今乱入者を倒す武器や体力なんて残ってない…

素手では確実に負ける

…しかし小さい玄関の横にテニスラケットがあったはすだ。

買ったばかりの新品ものだが…ここはケチを言っているヒマはない。


扉を勢いよく開け…

ラケットを手にとり…

一気に攻め込む!


俺はそれを頭の中で反復しながら扉を


――――ガサッ


勢いよく


―――――ガサガサッ


開けたっ!!!!!!!



―ガタんっっっっ!!!!!


「!!」

「!?」



…………。



気づくと俺は乱入者と見つめ合っていた

しかし予想外の乱入者に俺の頭は大混乱中


……失礼ですが、


あなた女の子ですよね?


まさか乱入者が女の子!!

机の引き出しが…(略 より確率低いわ!!!


しかし、乱入者に対して言うにはあれだが…

なかなかの美少女だ。


明るい茶色の髪に


「……見つけたぞ!」


紅色で強そうだが可愛い目


「オヌシが父上達をやった仇だな!」


そして華奢な身体に似合う可愛らしい声


「拙者の名は侍女竹刀サブラメシナイ!! 父上と母上の仇っこの刀でうけよ!!! はあぁっ!!」



しかも華麗に飛び上がったときになびく、二つに分けた後髪がとても綺麗で…


…飛び上がる!?



我に返ったときには、その少女は俺の頭上にいた

銀色に輝く刀を振り上げながら…



「……って、おいっ!!!」

シャキ――――ン


間一髪、少女の振り下げた刀を避ける。

そして振り返った時には、俺のラケットは真っ二つになっていた。


「え!ちょっ…」


「やるな、しかし諦めぬ!!!」


少女はUターンしてさらに一発…


「ちょっと待てっ!!! 何で俺襲われてんの!!!?」


「この…をこのしれ者が!!! 拙者の家族を殺したのはオヌシではないか――!!!」


「ぎゃあぁ!!!」


サッパリ状況がわからんっ!!!

家族を殺した??

をこのしれ者??

どういうことか説明を!!!


「逃げてばかりだな! それでもオヌシは武士か!? 武士なら名を名乗り正々堂々と戦え!!!」


いやいやいや俺武士じゃないっす!

そもそも武士なんてこの平成時代にはいないだろ!!



―ビリビリっ!


あ――!!! 俺の戦士少女マコの限定ポスターが!!!


―シャキ――ンっ


ああ―――!!! 俺の戦士少女マコスーパーフィギュア(メイドVer)が―!!!


「たあぁっ!!!」


時間がたつごとに、俺の部屋がどんどん傷だらけに…


もう限界だ!!

これ以上俺のコレクションに傷をつけてたまるものか!!



俺は攻撃を回避しながらとっさにキッチンに逃げ、棚の扉から…


「はあっ!!」

「ほいっ!!」


―――キィィィィンっ!!



ギリギリ間に合った。

買ったものの使うことがなかった新品同然の鉄のフライパンっ!!


「…うっ」


金属同士のぶつかり合いで生じる振動で、一瞬少女に隙がでた。


今だ!


俺は少女に素早くツッコミ…


「なにっ…!!」

「ほぉい!!!」



俺は彼女の右腕にチョップをあたえた。



「いっ…!!」



少女に対してなんてことを…と思われるかもしれないが、コレクションを傷だらけにされるならやむを得ない。


少女は刀を床に落とした

そして俺は間髪入れずに取り上げた。



「なっ!」


「さあ…、もう武器はないぞ…」


お互い息切れて上手く話せない。

全く…狭い部屋でここまで暴れまくるとは

後で寮長に見つかったら追い出しくらうかもなあ。


「はぁ…はぁ………ふっ、オヌシ…やるな」


そういって彼女はすっと正座をした



「え??」


「もうよい、拙者の負けじゃ…好きにするがよい」


…よくわからないが、とりあえず諦めたみたいだ…

俺はフライパンを下ろしてようやく少女を落ち着いて見ることが出来た。

「…あのさ」


「何?」


「それ…何のコスプレ?」

「こすぷれ??何だそれは、おかしなことを言うやつだな」


いやいやコスプレはコスプレだろ。

赤と白の服で…何かいかにも戦国系シミュレーションに出てきそうな格好じゃないか

教科書に載っていた武士はそんな派手な格好じゃないぞ。


「てかこんな刀持ってたら危ないだろ、もっと偽物なら偽物らしく…」


「偽物!? このをこのしれ者が! これは我が家に伝わる天下の名刀じゃ!!」



だから、をこのしれ者ってなんだ!

もう…こいつと話すと疲れる…


「はあ…とりあえずな、俺を襲った理由をちゃんと説明してくれ」


「何度言わせたら気が済む! 拙者の家族を殺した仇を……」


――え?


へなへなへな…



少女は力無く俺の前で倒れた


「腹…減った……」

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