平民育ちのあたしが実は王女なんだそーな
うちは王都の端っこで小さな食堂やっててさ。
定休日の今日、立派な身なりのおっちゃん達が来た。
そしてあたしみたいな小娘に丁寧に説明してくれた。
「ふーん、バカなこともあるもんだ」
「し、信じていただけるので?」
「そりゃ信じるよ」
だってたかが庶民の子一人騙すのに王家の紋章出してくるなんてあり得んもん。
ウソだとバレたら侮辱詐欺不敬罪のトリプルパンチで、確実に縛り首だもん。
こんな目立つ馬車で乗りつけちゃ誤魔化すこともできんし。
じゃあこのおっちゃんの言う通り、マジであたしは王女なんだろ。
王家からの使者の言うことにはこうだった。
先日亡くなった正妃様はメッチャやきもち焼きで、陛下が側妃を持つのを許さなかったんだそうな。
ところがあたしは王宮の女官が陛下に愛されて生まれた子なんだって。
あたしの実の母ちゃんである女官はお産の時に亡くなったんだけど、収まらないのは正妃様で。
そんな子は捨ててこいってことで里子に出されたとゆー。
「父ちゃん母ちゃんの把握している事実と矛盾はないん?」
「あ? ああ。子供のなかった俺達の元に、赤ちゃんが届けられたというのは事実だ」
「イスズが陛下の胤だなんて知らなかったんだよ」
「愛情一杯に育ててもらったことはわかってるから、ゲンコツや尻叩きに関する不敬罪は勘弁してやるけれども」
アハハと笑い合う。
一応王女だから、当然どこにいるかはマークしてあったんだろうな。
正妃様が亡くなったから晴れて王宮に迎えられる、か。
正妃様は遺言を残していったんだって。
わたくしが死んでも後添いを置くなと。
もしこれを違えた場合、わたくしは天界から地獄に堕ちても王家を呪うと。
どんだけ執念深いんだ。
……使者が来た理由なんかわかってる。
要するに正妃様の悋気のせいで、王位継承権保持者が極端に少ないってことなんでしょ?
直系では正妃様唯一の子フレッド王子しかいない。
これでは様々な憶測を生み、思惑が飛び交っちゃうくらいのことは、平民のあたしでもわかる。
だからスペアとしてあたしを担ぎ出しとけとゆー考えがあるんだろ。
これは断れないと見ていい。
とゆーかこんなん断ったら非国民だわ。
だったら正当な要求だけは突きつけておかないと。
「それでイスズ姫。できればすぐに王宮に来ていただければと思いますが……」
「条件があるよ」
「何でございましょう?」
「王女であるあたしの養育を担当したうちの父ちゃんと母ちゃんには褒美があるべきじゃん? 現在の食堂で看板娘であるあたしが抜ける補償も必要だな」
「ごもっともで」
「父ちゃん母ちゃんはもっと大きな食堂をやりたいみたいなんだ。国が出資してくれると嬉しいな」
これならノーリスクで新しい店を開けるだろ。
いい人雇ってね。
「その程度のことでしたら」
「よーし、王宮行こうか。父ちゃん母ちゃんさらば。時々遊びに来るよ」
◇
――――――――――王宮にて。メートレン王国第一王子フレッド視点。
噂としては僕も知っていた。
異母妹がいるが、デリア母上に追い出されたということは。
母上が亡くなったので、王宮に呼び寄せることにしたとのことだが?
もっともなことではある。
どんな顔をして会えばいいのか、ちょっと悩んだ。
だって僕の実母のせいで、正統な王女としての権利を享受できていなかったんだぞ?
恨まれているかもしれない。
僕のせいじゃないところがモヤる。
来年王立アカデミー入学の年齢って言ってたから一二歳か。
僕より二つ下。
緊張するなあ。
しかし顔合わせの時だ、悩むだけバカみたいだと思ったのは。
「兄ちゃん、こんにちはー。あたしがイスズだよ。にこっ!」
陽気で可愛い女の子だった。
庶民育ちと言うから少しは遠慮があるかと思えば、全くそんなこともなく。
僕に対して拘りがないようで、すごく気が楽になった。
「うむ、御機嫌よう。イスズはフレンドリーだな」
「フレンドリーか。あたしと兄ちゃんはライバルではないじゃん?」
「えっ?」
いきなりだったから面食らった。
ライバル?
王位継承権を巡る、ということか?
まあ僕は男児だし正妃の子だし、ライバルではないな、うん。
「だったらあたしみたいな可愛い妹ができれば、兄ちゃんは嬉しいに決まってる」
「おおう、そういう理屈か」
あけすけではあるが、貴族みたいな考え方だな。
平民の中で育ってこの考え方ができるのは、すごく頭がいいのかもしれない。
初対面の時から何の隔意も屈託もないのはいい。
あの感情の乗った笑顔が印象的だと思った。
で、今日もイスズに会った。
む、外出着か?
「兄ちゃん、おっはよー。ぎゅー」
「どうした、抱きついてきて。イスズは甘えん坊だな」
「せっかく美形の兄ちゃんができたから、そのメリットを最大限に享受しないとと思って」
ハハッ、まあ僕も悪い気はしないから全然構わん。
「どこかへ出かけるのか?」
「アポが取れたんで、辺境伯のお宅へ遊びに行くんだ」
「えっ?」
グレッグ・オルパートリッジ辺境伯は僕の母方の祖父だ。
普段はずっと領地にいるが、今は母上の葬儀に伴って王都に来ている。
何故イスズがオルパートリッジ辺境伯家邸へ?
「時間があるなら兄ちゃんも行かない?」
「うむ、僕も爺上に挨拶しておくかな。しかしイスズは何の用なんだ?」
まさか母上への不満を爺上にぶつけるということではあるまい?
頭のいいイスズがしそうにないことだ。
「直系の王位継承権保持者が少ないというのは、メートレン王家のわかりやすい弱点じゃん? 今になってあたしが迎えられるとゆーのも、そのせいなんだろうし」
気持ちいいくらい直球だなあ。
しかしその通り。
「正妃様が亡くなった今、陛下が新たに妃を娶るべきだとあたしは考えるんだよ」
「……僕も同意見だ。父陛下はまだ若いから、子を得られる可能性は高かろう」
「だよね。あたしの周りも賛成してくれる人が多いの」
「でも母上の遺言があるのだ。わたくしが死んでも後添いを置くなという」
「聞いた聞いた。言うこと聞かないと呪うぞってやつね」
深刻な問題だと思うのだが、イスズが言ってるとユーモラスだな。
「正妃様の遺言はさておき、オルパートリッジ辺境伯家の考えは聞いておきたいじゃん? 正妃様の遺言に準ずるのか、あるいは王朝の安定を重視して陛下は新たな妃を娶るべきと考えているのか」
「それは……確かに」
「辺境伯が新妃容認なら、障害は呪いだけでしょ」
言われてみればイスズの言う通りだ。
実に賢いな。
母上の遺言という存在に縛られていたが、王朝の安定と量りにかけるべきではなかった。
呪いは気味が悪いが……。
「バルカンのじっちゃんによると、呪いはどうにでもなるそーな」
「えっ?」
もうバルカン宮廷魔道士長と知り合いになってるのか?
行動力があるなあ。
宮廷魔道士長が大丈夫というなら、呪いも無視できる。
「なら辺境伯の許可を得られたら、兄ちゃんから陛下に新しいお妃もらえって言ってよ」
「何故僕が……いや、わかった」
今後弟が生まれれば、母上を亡くして影響力の低くなった僕より王に向いていると考える者もいるかもしれない。
イスズの言うライバルだ。
それでも王朝の存続と安定を優先するなら、誰あろう僕が進言すべき。
イスズが言いたいのはそういうことだろう。
「一つ聞きたい」
「何だろ?」
「これはイスズにとって損得関係ないことだろう? どうして積極的に口を出そうとするのだ?」
首をかしげる様も可愛いな。
「……直接的なメリットではないかもしれないけど、国が安定しているとゆーことは国民全員にとってありがたいことじゃん?」
「大局的にメリットということか」
「そうそう。民が満足してりゃ王族も嬉しい。とゆー理屈だね」
「よくわかった」
イスズが支配者の視点を持っているということが。
こういう妹ができたことは、僕にとっても嬉しいことだ。
「あたしも王家の一員になったからには、義務からは逃げられんわけよ」
「ふむ、弱点を塞ぐのは義務と見るわけだな?」
「まーあたしの権限の及ばんところじゃどうしようもないけどさ。この件に関しては違うじゃん。やるべきことはやらないと、宿題残してるみたいで気持ちが悪いの」
一々もっともだ。
イスズは偉い。
「ところで王立アカデミー入学までに勉強を間に合わせろと言われているのだろう?」
「言われているね。でも気になることがあると勉強も捗らんのだわ。行こうか」
◇
――――――――――王の間にて。宮廷魔道士長バルカン視点。
「ふむ、大したものじゃの」
「行動が異常に早いですぞ。実に素晴らしい」
何がか。
フレッド殿下が新しい妃をもらえと陛下に奏上したのだ。
陛下が大したものだと仰るくらい、優れた判断力だと言わざるを得ない。
「フレッドはイスズとともに辺境伯グレッグ殿の意見を聞きに行ったとか」
「はい。辺境伯殿は正妃デリア様と考えが違い、王統を強固たらしめるために陛下は新しい妃を娶るべきだと」
「理屈ではその通りなのだがの。呪いについては問題ないと、そなたが太鼓判を押したそうじゃが」
「宮廷魔道士は呪術も研究しておりますれば」
正妃様に呪術の心得はない。
魔力も小さい。
遺書の内容はただの脅しだと断言できる。
ただあのヒステリックな正妃様の遺言だからなあ。
知らず知らずの内に従わねばならんものと、誰もが考えていたのではなかろうか?
捉われなかったのはすごいと思う。
「フレッドが言うには、イスズのアイデアなのだろう?」
「らしいですな。わしの元にもイスズ姫は訪れ、呪いについて聞いていきました」
「呪いのことを聞くためだけに、イスズは魔道士棟まで行ったのか?」
「いや、魔法に興味があるようですな。姫は魔法の才能もなかなかですぞ」
持ち魔力量が大きい。
なかなかというより、年齢とこれまで魔道に縁がなかったことを踏まえればかなりのレベルだ。
「イスズ、についてどう思う?」
「大変に優れた王女だと、一目見ただけでわかります。これまで市井で育ってきたというのが惜しまれますな。もっとも市井にいたからこそ磨かれた感性なのかもしれませぬが」
「イスズは王女ではないのじゃ」
「は?」
「誰も信じてくれんのじゃが」
「い、いや何という名前でしたか。姫の母の女官は陛下のお気に入りだったではありませんか」
「エルフィアか。気の利いた女官だった。ユニークな意見を出してくれるので、予も重宝していた。が、男女の関係になったことは誓ってない」
そうだったのか?
ではイスズ姫は誰の子なのだ?
「隣国レハラの王子ヒューバート殿の子だと、エルフィアは言っていた」
「ヒューバート殿下の……」
確かに友好使節として滞在していたことがあった。
しかしヒューバート殿下は政争に巻き込まれて、その後命を落としたと聞いた。
「ヒューバート殿もまた才気に溢れた御仁だった。予とは気の合う間柄でな。ヒューバート殿が王位に就いていたなら、レハラとの関係も全然違ったものだったろうに。惜しまれてならん」
「……」
「イスズがヒューバート殿とエルフィアの娘なら、利口で当然じゃな」
「何故陛下の娘ということになったのです?」
「デリアがそう騒いだからじゃ。予は違うといっておるのに、誰も信じようとしなかった」
「ああ……」
いかにもありそうな話だったから。
思わず苦笑してしまう。
「……この件を知っているのは?」
「予だけだろうと思う。エルフィアは予の娘を妊娠したという噂を利用した方が、子供のためにいいと考えていたようだし」
「今改めてイスズ姫を手元に囲ったのは、いかなる理由がおありで?」
「最も重要な理由はフレッドの危険の分散じゃな」
わかる。
直系の王位継承権保持者がフレッド殿下一人では危な過ぎる。
妃として娘を送り込もうとするならともかく、暗殺すれば新しい王朝だなどという考えを誰かが起こさないとも限らない。
もう一人の直系の娘という体でイスズ姫がいるだけで、フレッド殿下の安全度は増す。
「エルフィアの遺児を引き取りたい、ヒューバート殿の無念を忘れたくないという、ある種の感傷もある」
「陛下はロマンチストですなあ」
「ここから現実的な話になるのじゃ。親子関係を否定する魔道具を作れるか?」
「は……」
今日わしを呼んだ理由はこれか。
「新妃を娶り子が生まれると、イスズの価値はなくなる」
「陛下と血の繋がりがないのならばそうですなあ」
「その時点で予とイスズの親子関係を否定し、イスズをフレッドの妃とする可能性を残しておきたい」
「何と!」
驚くべき構想だ。
しかしイスズ姫の人懐こさと頭のよさ、行動力は、確かに王妃に向いている。
「……面白い、実に面白いですな」
「イスズが順調に育てばの話だ」
「了解にございます。親子関係を否定する魔道具、基礎理論はあります。製作を急ぎまする」
「今日話したことは他言無用じゃぞ」
◇
――――――――――三年後、父ちゃん母ちゃんの食堂の個室にて。イスズ視点。
「うまーい!」
「不思議な辛味だな。食べたことがない」
「外国の香辛料を使っておるのです」
父ちゃん母ちゃん誇らしげ。
王家の出資で料理屋を始めたんだけど、どうせなら新しいことしようって、新食材のアンテナショップみたいなことやってるの。
新規の食材を使えるということでやる気のある料理人が入ってくれるし、珍しくて美味いものが食べられるから大繁盛。
交易活性化に貢献しているとゆーことで、陛下のウケもいいのだ。
父ちゃん母ちゃんは現場から経営の方に身を引いた。
「いつまで経ってもイスズは変わらんなあ」
「幼少期の教育のせいだね」
アハハと笑い合う。
「ではごゆっくり」
「父ちゃん母ちゃんありがとう!」
お辞儀をして父ちゃん母ちゃんが辞去した。
兄ちゃんと二人きりだ。
しかし……。
「美形の兄ちゃんが兄ちゃんじゃなかった件。何を言っているのかわからねーと思うが、ありのまま今起こったことを話すぜ……」
「イスズは何を言っているのだ」
あたしが王宮に来て三年、色々なことがあったわ。
まず陛下がどこぞの伯爵家から新しい妃を迎えて。
新妃様の実家が伯爵家と家格が若干低めなのは、次代の王はフレッドだというメッセージだと思う。
王子が生まれて、さらに現在もう一人妊娠中。
めでたし!
あたしは王立アカデミーに入学した。
いやあ、学ぶことって面白いな。
知識が増えるにつれ見渡せる範囲が広くなる気がするのだ。
あたしの成績はメッチャいい方。
入学前勉強で苦しんだのがウソのよう。
まー王女だと周りも気を使ってくれるしな。
その分こっちも気を使ってやりゃウィンウィンだろってことで、やたらと人脈が広がった。
あちこちに影響力を及ぼせて楽しい楽しい。
あたしはやるぜ。
バルカンのじっちゃんに魔法を教わって、既にかなり使えるようになっている。
魔法も実に興味深いね。
最初はチンプンカンプンだったけれども。
王宮には魔道士棟があるんだから、王子王女は皆魔法を教わりにいけばいいのにな?
ただ魔法は才能がないと効果が小さいのだそうで。
たまたまあたしは才能がある子だったので恵まれてるって、バルカンのじっちゃんが言ってた。
また魔法は習得困難で変人が覚えるものと言われているそーな。
王子王女が学ぶなら魔法より帝王学や完璧なマナーが先ですからなと、バルカンのじっちゃんが言ってた。
なるほどなあ。
ところがここで驚きの事態が発覚。
あたし、陛下の子じゃないことが判明。
何それ?
あたしが王宮に呼ばれた意味がなくなるじゃん。
予想外も過ぎる。
「父陛下は最初から自分の子でないとわかっていたそうだぞ? 心当たりがないって」
「いや、もう何が何だかわけわかめ。どゆこと?」
「父陛下以外は皆、イスズは王の胤と信じていたという前提があってな」
「あたしだって信じてたわ。そんなところで誤魔化されると思わんもん」
「王家の永続性を考えれば、王位継承権保持者が一人より二人の方が安全だろう?」
あたしが王女だよって威張ってた方が都合がよかったからか。
あたしはいかにも王女っぽくて可愛らしいしな?
理屈はわかるけど、ウソの吐き方が大胆極まりないわ。
「イスズの実母である女官を、父陛下が重宝していたことは事実なんだ。それで娘を引き取りたいと思ったということはあったそうだ」
「……あれ? ひょっとしてあたしの実の父ちゃんが重要人物だったりするの?」
「鋭いな。父陛下もそのようなことを臭わせていた。ただ現在それを知ることは、意味がもうないとも言っていた」
じゃあ故人か。
そして今ではあたしの真の父ちゃんが誰か知れると、却って害があるかもしれないとゆーことだな?
了解。
「で、兄ちゃんはいつ頃からあたしが妹じゃないって知ってたのよ?」
「一年ほど前からだな。おそらく方針が決まったから」
「げ、一年も前から知ってたのか。迂闊にぎゅーしにいくんじゃなかったわ」
「スキンシップだからいいんだぞ?」
「兄妹ならいいやと思ってたよ? でも兄妹じゃないなら話が違うじゃん」
痴女かバカップルだわ。
恥ずかしいったらないわ。
「方針ってのは兄ちゃんとあたしが婚約ってこと?」
「うむ。異母弟が生まれたこともある。イスズもまたアカデミーで人脈を広げ、影響力を行使し、成績も優秀だからな。僕の婚約者、将来のメートレン王妃として不足のないところを見せつけたから」
「えへへー」
いや、兄ちゃん一七歳にもなるのに婚約しない、話も出ないのはおかしいなーと思ってはいた。
まさかあたしがお相手候補一番手だからだったとは。
読めない展開ってあるもんだ。
「兄ちゃんはあたしが婚約者でいいん?」
「むしろ他に誰が、という気持ちだ」
「マジか。あたし評価高いな。喋りを丁寧に直した方がいい?」
「もう慣らされてしまったからな。将来の王妃が誰かにへりくだらざるを得ないこともあるまい。話していて不快でないから、構わないのではないか?」
「ええ?」
兄ちゃんあたしに甘くない?
とゆーか、雰囲気がもうちょい甘くてもよくない?
「兄ちゃん、行くぞー」
「む、来い」
「ぎゅー」
ハグしてもただの挨拶だわ。
ドキドキ感がない。
まさか婚約するなんて思わんかったもん。
「何とゆーことだ。損した気分だわ」
「ハハッ、目を瞑れ」
「ん」
あ、兄ちゃんが目蓋にキスしてくれた。
これはちょっとドキドキするな。
「兄ちゃんはやめて、フレッドと呼んでくれ」
「フレッド……あれ? こんなんでハートに来ちゃうぞ?」
「新しい発見があるものだな」
「ねえフレッド。あたしのことイスズって呼んで」
「いつも言っているではないか。イスズ」
「おおう、婚約者に言われていると思うときゅんと来るわ。ありがとう!」
兄ちゃんの、フレッドの目が優しい。
そうだ、二人でメートレン王国を盛り上げていこうぜ!
最後までお読みいただきありがとうございました。
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よろしくお願いいたします。




