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僕は魔王  作者:
6/8

なんともファンタジーな

「……というわけです」

「そうなんだ……?」

「はい……」

「聞きたいことがあるんだけどさ」

「何でしょう?」


「まだ何も話してもらってないよね?」


 あたかも、話し終わったかのように入ったわけだけれども。実際は、何も話してもらっていなかった。

「そうですねー」

「なんでどうでもいい、みたいな顔してんの!?」

 とてつもなく気になる単語を言ったのはリサなのに、まったく話そうとしない。とても気になるんだけど……魔界。

「では話させていただきましょう」

「最初からそうしてくれてたら嬉しかったんだけど」

「うるさいですね」

「君、最初の方とキャラ変わったよね?凄く冷酷な性格になった気がするんだけど」

「作ってるだけです♪」

「じゃあやめてよ!!」

 僕は、これでもか、というくらいに、リサに振り回されていた。これは本当に、一緒にいたら疲れるタイプだ。明日には力尽きてたり、とか。絶対そうだ。

「まぁいいです。説明しますね」

「うん……。よろしく」

 僕は苦笑いを浮かべて、ぐだぐだと話を聞く態度へ。リサは、一瞬だけ嫌そうな顔を作ったが、すぐに話し始める。

「魔界とは、私が住んでいた世界なのです」

「さっき聞いたよ……」

「じゃあ、何が聞きたいんですか」

「どんな所か、とか?」

 他にも聞きたいことはあったが、全部聞くと、きりがないだろう。ここはあえて、無難に『どんなとこ?』だ。

「お城とか浮いています」

「なんともファンタジーな世界だね」

「魔界ですからね」

「君も、魔界はそういう認識なんだ」

「全時空共通の感性です」

 何か、偉そうに胸を張っている。全時空、とか何を基準にして言っているのだろうか。というか、魔界とか痛い子の象徴のようなものじゃないか。

「とりあえず。話を戻しますが」

「何の話だっけ?」

「あなたは魔王、という話です」

「あぁ、そうそう」

 すっかり忘れていた。いろいろ話が割り込んでくるものだから、話の根本を忘れ去ってしまっていた。

「ということで、ここに住まわせてください」

「話の繋がりがわかんないよ!?」

 僕は、魔王=リサがここに住む。

 まったく繋がらない。

「いいじゃないですか」

「姉さんが許してくれるわけな――」

「その話、聞かせてもらったわ!!」

 僕が言いかけた時、部屋の扉が、バンっ、と開かれた。そこにいたのは、

「あなたをここに住まわせてあげる!!」

「何言ってんの姉さん!?」 

 姉さんだった。どうやら、全て盗み聞きしていたようだ。

「ありがとうございます!!では、おやすみなさい」

「そこ、何勝手に寝てんの!?しかも僕のベッド!!」

「………………」

「おーい……」

「………………」

 もう既に、寝息しか聞こえなくなっていた。寝付き良すぎだろ。僕は、起こしてやろうと、立ち上がった。だが、姉さんが、それを阻む。  

「まぁまぁ」

「いや、僕のベッドが……」

 このまま占領されていたら、僕はどこで寝るんだろう。床かな?床なのかな?

「詳しいことは、明日決めればいいでしょ?」

 姉さんは、僕を見ずにリサの方を見つめて、言った。珍しく優しい、暖かい声で言ったものだから、ついつい言葉を失う。

「そう、だね……」

 リサが、幸せそうに寝ている。その寝顔を見ていると、こっちも幸せな気分になる。僕は、そう思った。

「じゃ、おやすみ」

「うん。おやすみなさい」

 さっきとは違う、普通の声で、僕らは挨拶を交わした。そして、姉さんは、扉から下の階へと戻っていった。

「さ、寝るかな……」

 僕は、当たり前のように――床で寝た。

こんにちはっ。鵺です。

最近、AngelBeats!というアニメにはまっています!!

とても面白いですよ。是非、見てみてくださいっ。

では、次話で。ノシ

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