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僕は魔王  作者:
5/8

崩れていく

「……その時私は、お腹が減って、何も、できなかった、のです」

 リサが、神妙な顔をして、語りだす。雰囲気を出したいのだろうか、区切り区切りで話している。最後の区切り方は、何かおかしいと思うが。

 僕は、少し真剣に、リサの話に耳を傾ける。

「ふらふらと歩いていたその時……!」

「その時……?」

 生唾は飲まないが、ちょっとしたオーバーリアクション。顔を前に突き出して、聞く。リサは、その反応に満足がいったみたいで、ふふん、と鼻を鳴らした。リサは間を空けてから、口を開いた。

「公園を見つけたのです……!!」

「普通だね……!!」

 ダメだ。聞いて損した。なぜ公園を見つけた事くらいで、もったいぶったりしたのだろうか。ただ単に、雰囲気重視で語っているだけなのかもしれない。実はそんなに衝撃的じゃない話だったりとか、するんではなかろうか。そんなオチは嫌だ。だが僕は、そのままの姿勢で、聞き続けることにした。

「そして、公園に入ると……!?」

「入ると……!?」

 今度はオーバーリアクションもなしで、神妙さをあらわしているのは、声色だけだ。どうせ次もつまらな――

「ティ○レックスがいたのです……」

「それ普通じゃないよ!!」

 ――くは、なかった。むしろ、この街の危険を感じ取ってしまった気がする。早く引越しをした方がいいのではないだろうか。

「冗談は置いといてですね」

「冗談だったんだ!?」

 騙された。またまた聞いて損した。というか、この街の心配をして損した。平和そのものじゃないか。いや、ティガ○ックスがいると聞いて、信じた僕がバカだったのかもしれない。

 僕は、ため息を一つついて、リサの話を聞く。

「すると草むらから、何やらいい匂いがしたのです」

「喋り方戻したね」

「ほっといてください」

 怒られてしまった。聞き手は僕なのに。

「そして近づいていくと……!!」

 僕は、普通に返す。

「どうしたの?」

「………………」

 ジト目で睨まれてしまった。それほどリサにとっては、声色が重要だ、と。雰囲気が重要だ、と。だが、僕は無視して、リサが話し出すのを待つ。リサは、うー、と唸ってから、また喋りだした。

「もういいです……。とりあえず、そこにあめちゃんが落ちていたのです」

「遠くから、あめの匂いがわかる人は凄いと思うんだ」

 犬並みの嗅覚ではないだろうか。

「どうでもいい事は置いといてですね」

「僕はどうでもよくない気がするけど」

 ギネスブックとかに載せれるくらい凄い事だと思う。草むらの匂いなんてわかるわけないだろう。

「そして、そのあめちゃんを食べて、倒れてしまったというわけです」

「君バカだね」

「人様の事をバカとは何ですか。常識はずれな人ですねぇっ」

「君にだけは言われたくないよ!!」

 草むらに落ちている、意味不明で危険なあめちゃんを拾い食いなんて、小さい子でもしないだろう。いくら飢えていても、それはしないだろう。

「そして数時間後、起きた直後に、あなたと出会ったわけです」

 リサは上を見上げて、さも完璧に語り終えたかのように、清々しい顔をしている。僕は、全体的にダメな話だと思ったが。

「特に涙は流してないけど」

「あなたが非情なだけです」

「ひどい言い分だね」

「まぁ、そんなどうでもいい話は置いといて」

「今、自分でどうでもいいって言ったよね!?」

「気のせいです」

「はぁ……」

 この子と一緒にいると、とても疲れていく気がする。もう、関わらない方が絶対にいい。僕は、リサを帰らせることにした。

「うん、わかった。わかったから、早く僕の家から出て行――」

「ということでここに住まわせてください」

「――って、って言おうとしたのに!!」

「だって住むところないんですもん」

「君の家は?」

「ありません」

 無いわけない。もしそうなら、今までどうやって生きてきたのだろうか。というか、女の子を住まわせるなんて、姉さんが許してくれないだろう。

「嘘はよくないよ」

「魔界から来たばっかりで、右も左もわからない状態なんですよ」

「……魔界?」

 ……この時点から、僕の人生は崩れていくわけだけども。 

こんにちは、鵺です。

この小説の更新がとてつもなく遅くて、申し訳ありませんっ……。

頑張っているのですが、他のことをしている時間もありまして、こんなにも経ってしまった……というわけです。

すいません……。

これから、また書き始めていきます!!

それでは、次話で。

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