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僕は魔王  作者:
4/8

その少女は

夜中の三時。

姉さんの説教から開放された僕は。

また、正座していた。

「だから、あなたは“魔王”なのですっ!!」

ビシィィィ!!

そんな擬音が聞こえてくるような動作。

僕を指差すその少女は、とても可愛い。

……さて、さかのぼること数時間。


僕は、そっと自分の部屋の扉を開ける。

というのも、まだ寝ているかもしれないからだ。

誰がって?公園で気絶した少女です。

「起きてますかぁー……?」

僕は、小さい声で聞く。

扉を開けると、そこには。

部屋の中心で立ち尽くしている、少女。

青毛。さっきの子だ。

「……あの」

「きたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

「うわっ!!」

急に声を張り上げるもんだから、びっくりした。

しかも今は夜中だ。

近所迷惑にも程がある。

「ちょっと―――」

「キタキタキタキタ!来ましたよ!!ついに“魔王”の近くです!!魔力がハンパないのです!!どこですか!?どこにいるんですか出てきてください!!」

うるさい。

どれだけ声が大きいんだ。

さっきからわけのわからないことを言っていて、ホントに何もかもわけがわからない。

僕は耳を押さえて言う。

「うるさい―――!!」

僕が言った途端。

その少女がこちらを振り向いた。

それと同時に。

「あなたが“魔王”です!!」

「……は?」

何を言っているのかわからない。

アニメの見過ぎだろうか。

魔王?架空の存在だ。

「あの、言っている意味がわからないんだけど」

「だから、あなたが“魔王”なのです!!」

「だから、その意味がわからないっていってんだけど!」

「でも、あなたは“魔王”です!!」

「だーかーらー、それが意味不明だって!!」

「意味不明でも、あなたは“魔王”なのですっ!!!」

「だーかーらー!!!」

これの繰り返しで、数時間を潰した。

んで、今に至る。


「わかりましたか?」

「いえ、まったく」

わかるわけがない。

「だから、あなたは、“魔王”なのです」

またそのセリフ。

何回聞いただろうか。

軽く百は超えるのでは。

「……そもそも、その“魔王”ってなんなの?」

ゲームとかだと、なんかラスボスとかだったりするけど。

ここは現実(リアル)だ。

ゲームでもなんでもない。

「魔力がとてーも、とてーも高い人の事を言うのです」

「僕はそんな力持ってないけど」

魔法なんか使えない。

MPといったようなゲージも視界の左下には現れてない。

そもそも、魔力なんてものが存在するはずがないのだ。

「あなたからは、魔力をたくさん感じるのですっ。それに、私を助けてくださいました」

「いや、助けるのは当然で」

僕のせいで倒れたのだし。

助けるのは当然。

もし僕のせいじゃなかったとしても、見つけたら助けていただろう。

「これはおじいちゃんのお言葉です。『優しい人は“魔王”だ』と」

それは、この世界の優しい人全員が“魔王”だということなのだろうか。

“魔王”が溢れるこの世界。

……そんなのは嫌だ。

恐ろし過ぎるだろう。

「だから、あなたは“魔王”ですっ」

「……あー、うん。わかった。わかったから、名前教えてくれると嬉しい」

僕は賢い選択を選ぶことにした。

これは相手に話を合わせないと、話が進まない。

せめて名前を聞くだけでも。

「認めてくれるのですかっ!?」

「もう、それでいいから名前」

「やったー、ですっ!!」

その少女が手を広げて喜んでいる。

容姿は僕ら高校生と変わらないような()()なのだが、仕草がいちいち子供っぽい。

狙っているのだろうか。

「名前教えてよ……」

「ん?私の名前ですか?私の名前はリサですっ!!」

リサ。理沙。理佐。利沙。李左。

なんかいろいろあるから例はこれ以上挙げない。

無駄に頭を使うだけだ。

とりあえず、漢字なんてどーだっていいだろう。

「……んで、リサはなんであんなとこいたの?」

「…………どこですか?」

忘れていやがる。

頭を打ち付けたせいだろうか。

記憶が吹っ飛んだりしているのかもしれない。

「だから、公園の草むら」

「……ああ!!」

「やっと思い出したか……」

どうやら記憶喪失ではなかったらしい。

もし自分のせいで記憶喪失とかになられでもしたら、後味(あとあじ)が悪い。

そこは、良かったと言うべきなんだろう。

「これは涙無しには聞けない物語なのです」

「簡潔に頼むよ」

「虫さん見つけたから遊んでた」

「………………」

簡潔に、とは言ったが、僕が聞いたのは“過程”だ。

なぜあんな所にいたのか、と聞いたはずなんだけど。

「……もうちょっと詳しく教えてもらえると嬉しいんだけど」

「あなたが簡潔に、と言ったんじゃありませんか」

「何も結果だけ話してくれとは言ってないよ……」

「まぁいいです。では、もう少しだけ詳しく」

そう言って、リサは目を細くし、上を見上げる。

「……あれは3年前の事でし――」

「あくまでも、簡単にだよ。君の過去とか知りたいわけじゃないから」

「…………………」

リサが、あからさまにショックを受けている。

そんな姿をかわいそうだと思う僕も心の中にはいたが、早く寝たい僕の方が強かった。

多分弱い僕は、心の隅で足を抱えて縮こまっているであろう。

「とりあえず、今日の昼頃からの話をしてくれるかな」

「……わかりました」

リサは、不服そうな顔を作り、ムスっ、としている。

だが、そんな機嫌もすぐに直り、語り始める。

「……あれは、昼頃の話でした」

「知ってるよ」

「………………」

リサがジトーっとした目で僕の方を見てくる。

僕は何も変な事は言ってないはずだ。

「いきなり話の出鼻を折らないでください」

「……あぁ、ごめんごめん。続けて」

「……あれは、昼頃の話でした」

突っ込みそうになる僕の心を押さえ込み、リサの話をに耳を傾ける。

リサが、語り始めた。

こんにちはっ。鵺です。

読んでくださっているみなさん、どうもありがとうございます。

……といっても、まだ人数は少ないのですが。

それでも、感謝感謝です。

さて、最近他の人達の小説が気になり始めました。

そして、昨日ざっと見てみたんです。


“巫女”で検索

   ↓

 自分のを探す

   ↓

やっとの思いで見つける

   ↓

それまでに結構な時間がかかった事を確認

   ↓

  絶望


泣いてました。

親にいじめを受けているのかと勘違いされました。

はい、まだ新参者なので読んでもらえないのは当たり前ですが、もっといろんな人に読んでもらえるように、努力していきたいですっ。

では、また次話で。

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