絵本
俺は言った。
「呪われる人には普通2つの特徴がある。
一つは、呪いに少しでも関心または興味がある人。
もう一つは、ある日突然対象にされてしまうことだ。」
子供は言う。
「呪いって怖いね。
お兄さんは見た感じいい人っぽいから呪いとは無関係そうだね。」
子供は呪いにかかった。
「はい、君の負け。後先悲しい人生だと思うけど頑張って背負って生きてくれ...。」
「お兄さん!突然暗くなったよ!怖いよ。助けて。」
「そうか。懇願されたらしょうがない。君を開放してあげよう。」
俺は子供の頭に手をかざすとタナトーシスと唱えた。
子供は突然もがき始めて意識を失ったかのように倒れてしまった。
「今時の絵本は凝っているなぁ。なぁ店主、こんな本売れるのか?」
「怖い話ってのは案外面白いもんだぜあんちゃん。」
俺は今故郷であるゴーイルを離れ、タンジェという立派な国にお出かけしに来ている。
この国に来たのは、この国の建築様式を学んだり雑貨店や商店街の探索などをメインとして遊びに来ている。ゴーイルは遥か遠くにあり、この国の人は耳にしたことがないぐらい知名度の低い街だ。
ゴーイルのためいろんな国や街に行き、いろんな勉強をしている。
んで、今はこの国の絵本を立ち読みしていたところだ。
怖い話だが、はるか昔に実際にあったことらしい。
絵本も一通り見たことだし、これから滞在する間のための宿泊先を予約しに行こうと思っている。
見知らぬ土地なので迷子にならないようにだけ気をつけていこうと思っている。
「絵本面白かったよ。」
「おう。あんちゃん見たところこの国の人ではなさそうだが、泊まれる場所とか知ってるのか?」
「そうなんですよ、実は探そうと思っていたのですが、周りを見てもいかにもここっていう看板が見当たらなくて、困っていました。」
「この国に看板はないぞ。この国はなこの世界で最も優れていると思うんだ。この国に入ってきたときになんか指輪みたいの貰っただろ?それを使うんだ。もちろん魔力はあるよな?」
「えぇ、少しあります。なるほど、指輪に魔力を通すと、地図みたいのが浮かんでくるっていうわけですか。」
「ああ。それをうまく使いこなして生活してるんだ俺らは。外から来た人は慣れるまで大変だろうと思うがそのうちすぐ慣れるさ。」
「いろいろありがとうございます。では。」
「今度は本買ってってくれよな。」
と、こんな感じに話をしてこの国での必需品と操作方法が分かったので俺は指輪を使い目的の宿泊移設へと向かった。