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アランside①


両想いになった後、胸はあたたかかったが、物理的に寒くなってきたので、フローラを家に連れてきた。

決してやましい気持ちではなく。


床に座るフローラを後ろから抱きしめて座る。

まさか俺の長い片想いが報われる日が来ようとは。4ヶ月ほど前までは本当に想像もできなかった。

夢じゃありませんように、とフローラのふわふわの金髪に頭を埋める。


「そういえばアランっていつから、その、私のこと好きでいてくれたの?」

少し顔を赤くして、フローラがそっと上目遣いで俺を振り返る。


破壊力やばっ。

吸い寄せられるようにフローラの唇にキスを落とす。

フローラは目をぱちくりさせた後

「もう!ごまかさないで」

と拗ねた顔になる。そんな顔もかわいい。


けど誤魔化そうとしたわけじゃないので、口を開く。

「ほぼ4年前。他クラスだったけど学級委員の会議で一緒になった時、一目惚れ」

「えっ?そうなの?」

はやすぎたことに驚いたのか、容姿だったことがショックだったのか、フローラは口をパクパクさせる。


「もちろん見た目がどタイプだったこともあるけど、それだけじゃねぇよ」

フローラの頭をぽんっと撫でる。

その言葉に少しほっとしたように

「た、例えば?」

とためらいがちに聞いてくる。


「それを話し出すと長いんだけど、いい?」

フローラは迷うように視線を彷徨わせてから、こくりとうなずく。

「聞きたい。アランがどんな風に想ってくれていたのか」


そう言われて3年前のことを思い返す。


2年生になって、クラス表を見て胸が高鳴った。

フローラ、一緒のクラスなんだ。


1年生の時、学級委員の会議で集まった時に隣のクラスの委員として来ていたのがフローラだった。

透き通るような白い肌に、キラキラと輝く金髪にアイスブルーのまん丸な瞳、全てがかわいくて一瞬で目を奪われた。


年数回しかない他クラス合同の委員会議が待ち遠しくて仕方なかった。

廊下でたまに見かけると、それだけで気持ちが高揚した。


会議中に少し会話をして、その鈴の音のようなかわいらしい声と、花が咲いたような笑顔にさらに心惹かれた。


しかしフローラは常に自分のクラスの委員の男子とおり、俺は俺で自分のクラスの女子がはりついていたので、個人的な会話はほとんどできないまま1年生が終わってしまった。


なので2年生になって、クラス表に名前を見つけ、本当にうれしかった。

今年こそ仲良くなる、決意を固め、委員決めに臨んだ。


結果あっさり推薦で俺とフローラが学級委員に決まり、内心では飛び上がるほど喜んだ。

フローラはかわいらしい見た目と明るい性格で人気者のようだった。


「これからよろしく」

委員が決まり、話しかけるとフローラが嬉しそうに笑った。

「アランくん、よろしくね」

それから少し話して、俺は上機嫌だった。


同じクラスになって分かったのは、フローラは誰にでも平等だ。

分け隔てなく、誰とでも仲良く話す。

その分、俺にも他のみんなと全く同じ対応である。


でもそれが始めはうれしかった。

今までどうしても見た目や魔力のせいで、俺は注目されがちで、媚を売るか、変に萎縮して硬くなる子が多いなか、フローラは至って自然だった。


しかし少しずつ仲良くなると、それだけでは物足りなくなってきた。

俺にだけ笑顔を向けてほしい、特別に想って欲しい。

そう思い始めると、前以上にクラスでフローラに話しかけるようになった。


だけど、それが失敗だった。

「お前、気をつけろよ」

俺を心配そうに見ていたのは、同じクラスで親友のヴィルだった。

「なにが?」

全く思い当たる節がなかったので、首を傾げる。


「フローラのこと好きなんだろ」

突然言われた言葉に、反射的に顔が熱を帯びる。

誰にも言っていなかったので驚いた。

「そんな俺わかりやすい?」


「誰も彼も気付いてるわけじゃないけど、お前をずっと見てるやつは気付くレベルには漏れてる」

まずお前が自分から女子に話しかけるのが珍しいからな、とヴィルがちょっと呆れたように言う。


そう言われてみれば、その通りだ。

好意があると誤解されるのを防ぐため、女子とは一定の距離を保っていたし、こちらから話しかけるなど用事がない限りしていない。

なんてわかりやすい…。

自分では気づかなかった盲点に頭を抱える。


「親友としてはそんなお前は面白いし、いいと思うけど。でも気をつけろよ。アランのこと好きな女子にとっては面白くない状況だからな」

ヴィルが真剣な目で俺を見つめる。


「お前をフローラが受け入れても、振っても、どちらにせよフローラは攻撃されるぞ」

その言葉を聞いて冷静になった。

その通りだ。自分の想いを一方的に押し付けて、フローラが迷惑を被る可能性を考えていなかった。


態度を改めよう。

委員をする限り、接触は必ずある。

そうすると避けずに、フローラが特別だと悟られないようにするには、当時の幼稚な俺は強めに当たることしか思い浮かばなかった。


そんなことを始めてしまった矢先、フローラがルイスと付き合ってしまったのである。



アラン目線、あと1話で完結です!

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