72話 下手くそな絵!!
「克己、仕留めたんだから早く帰ろうぜ! 何匹仕留めれば気が済むんだよ……」
「煩い奴だな……ハミル、移動魔法は使えるか?」
「あと二回は使えます」
「じゃあ、涼介が煩いから戻るとしよう」
ハミルは返事をして街へと戻ると、ハミルは疲れた顔をする。
「悪いな、ハミル……リーズ、肩を貸してあげて」
「はい! 大丈夫? ハミル……」
「うん、大丈夫。ちょっと足に来ちゃっただけだから……」
リーズは肩を貸して克己達のあとに付いていく。目的地はギルドだ。
克己達がギルドの中に入ると、店内はざわめく。前に200も匹も魔物を倒したことで、ギルドに来ている人達の間で有名になっていた。
「よう、克己! 今日はどうしたんだ?」
受付にはコルットがおり、克己に声をかける。
「やあ、コルットさん。今日は大物を仕留めたんだ! 幾らになる?」
克己は袋の中から龍の角らしきものをチラリと見せる。
「か、克己、ま、まさか……」
「ジャジャーン!」
克己は一部だけ取り出すと、店内は大騒ぎとなった。
「そ、そりゃ……マダランダーじゃないか!! ど、どうやって倒したと言うんだ!!」
「人類の知恵を絞ってだよ、因みにこいつは五匹ほど始末した! どうだ? 凄いだろ!」
ざわめきは収まらず、皆が食い入るようにその死骸を見つめる。
「これを幾らで換金してくれるんだ?」
「ご、五匹……」
ゴクリと唾を飲みこみ、コルットは冷蔵庫の部屋まで克己達を連れて行くと、克己は死骸を取り出し、コルットは鑑定を始める。
「コルットさん、このマダランダーって始末した奴らは……いるの?」
「あ、あぁ……過去にいたという話は聞いた事があるが……まさか五匹も……どこに置けば良いのだというんだ……」
コルットは嬉しそうな表情をして鑑定して一匹の金額が出た。
「一匹500万……これでどうだろうか?」
「十分だね、五匹いるから2,500万か! こりゃ大儲けだな」
克己達は喜んでペソを貰い、自衛隊が作った基地へと向かった。
「大分出来上がったよな……基地」
涼介は住宅地区を歩きながら言う。
「そうですね、小さい家が一つあっただけだったのに……」
ハミルが懐かしそうに言うと、リーズは「へ~」と言って周りを見渡す。
「で、500万は俺の報酬で良いんだよな?」
涼介が克己に言うと、克己は袋の中からペソを取り出し、涼介に渡す。
「そうだよ、これが涼介の取り分だ」
克己は涼介にペソを渡し、再び歩き出す。
「涼介さんはこれからどうするのですか?」
リーズの質問に涼介は答える。
「そうだな……俺も何か商売ができたらいいな……」
ハミルとリーズは尊敬する目で涼介を見るが、克己は醒めた目で見ていた。
「商売ねぇ……お前、何か得意な事があるか?」
克己が聞くと、涼介は考えるが、特に浮かばない。涼介は苦笑いをして誤魔化した。
克己は、やはりなと思いつつ街で涼介と別れる。
「さて、今日はいったん家に帰り、明日行動に移すかな。あっちの店の状況を確認しないといけないなぁ」
克己はそう呟き、里理たちが待つ異世界へと帰っていく。
「ただいま~」
克己が家に戻ると、ライラが出迎える。
「お帰りなさいませ、克己様! 今日は如何なされます? お風呂にされますか? それともお食事にされますか?」
「お風呂に入ろうかな? 沸いているんでしょ?」
「はい! では、お着替えをお持ち致しますので、お風呂にお入りになってください!」
ライラはそう言うと、克己の部屋がある方へと向かい、克己はお風呂場の方へと向かう。リーズとハミルはその後ろに付いて行った。
お風呂場に到着し、服を脱ぎ始める克己。ハミルとリーズも一緒に服を脱ぎ始める。
「いいなぁ……ハミルの胸。私も……もう少しあったらいいのに……」
「女は胸じゃないわよ、森田さんだってリーズと変わらないくらいの大きさだし……」
「そうなの? もう少し有るように見えるけど……」
ハミルとリーズは胸の話をしながら服を脱ぎ終える。
「お前達……何をしてんだ……?」
ハミルとリーズは動きを止め、お互いの顔を見合い頷く。そして二人同時に克己の方を見て笑うが、克己にはその目が光ったように見え、一瞬固まる。
「たまには私達にもご褒美が必要だと思います……」
ハミルが裸でジリジリと寄ってくる。
「今回は、私も頑張りましたし……ご褒美が……」
リーズもジリジリ寄ってくる。しかも手の動きがヤバく、指をワニワニしていた。
この後克己は、ハミルとリーズの二人にコッテリと搾り取られ、腰を押さえながらお風呂から出たのであった。
翌朝になり、克己はもう一つの異世界へガルボと一緒に出掛けた。
「パルコの街に似ていますね……」
「そう思うだろ? だけど、雰囲気だけで実際は違うんだよ」
克己とガルボは話ながら街を歩いていると、普段に比べ雰囲気がおかしい。
「克己様、確かに街の雰囲気は違いますね……。殺伐としている感じが……」
「あれ? 普段はこんなに兵士がいないんだけど……」
克己とガルボは、兵士が多いのが気になり周りを見渡す。
「誰かを探している? そんな感じだな……」
「そうですね……。王国の姫でも逃げたのでしょうか……」
「まさか、そんなギャグは無いだろ……」
二人は先へと進んでいくと、兵士に呼び止められた。
「おい、人を探している! この男の心当たりは無いか!」
兵士が見せた紙には下手くそで性別すら判断できない絵で、克己は知らないと答えようとしたが、下に名前が書いてあり、克己は驚く。
「お、俺の名前じゃん! この下手くそな絵は俺ってことかよ……」
克己は声を上げて驚くと、兵士は克己の腕を掴んだ。
「お前がこの絵の人物か? なら、一緒に来て貰おうか!」
兵士は仲間を呼び克己達を囲んだ。




