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69話 戦闘準備!!

 里理は久しぶりに克己の隣で寝ていた。


「朝か……」


 里理は体を起こし、隣で寝ている克己を起こさないように布団から出ようとすると、克己に腕を掴まれる。


「起こしちゃった?」


「いや……今、目が覚めた……おはよう……里理ちゃん」


「おはよう、カッチャン……今日は生憎の天気のようだね……雨が降っているよ……」


「本当だ……足は大丈夫?」


「少し……痛みがある……かな……」


「無理はしちゃだめだよ?」


「今日のカッチャンは優しいね……」


「いつもと変わらないよ……さて、日本は晴れているのかな……?」


 克己は起き上がり服を着替えようとしてタンスの引き出しを引き出すと、レミーが慌ててやって来た。


「克己様! 起きていらっしゃいますか!!」


「ん?」


「な、何て恰好をしているんですか!!」


「いや、着替えていただけ……だけど……」


「そ、そんな事よりも異世界で軍隊が!」


「は? どっちの異世界を示しているの?」


「もう一つです! 日本ではありません!」


「軍隊かぁ……顔を洗ったら行くよ……ふぁ~! レミー、ルノール、ハミル、アルスで行くから準備して……」


「承知致しました!!」


 レミーは走ってアルス達を呼びに行くと、今度は電話がかかってきた。


「もー!! 里理ちゃん、出てくれる?」


「ん、分かった……もしもし……あ、紀一……どうしたの?」


『里理か? 克己はどうした?』


「今起きたばかりで着替えをしている最中。しかも異世界で軍隊が現れたと連絡があり、大変忙しそうだよ?」


『連絡が入っているなら話が早い。どうするつもりなのか聞いてくれないか?』


「カッチャン、どうするの? だって……」


「ん? 何が?」


「軍隊」


「話をしてみて、ダメだったら戦いになるだろうね。ノエルー! 留守番よろしくー!!」


 廊下から物凄い足を立ててノエルがやって来た。


「何で私はお留守番なんですか!」


「お前は里理ちゃんの傍で勉強! パソコンが使えないんだろ? せめてエクセルだけでも使用できるようになれよ」


「そ、そんなの役に立たないじゃないですか!」


「お前は俺の命令に逆らうのか?」


「うぅ……分かりました……」


「里理ちゃん、設計図の方はよろしくね」


「分かった。気を付けてね。カッチャン」


「はいよ」


 克己はそう言って部屋から出ていくと、ノエルは裸の里理を見て昨晩は里理と一緒だったのかと思いながら落ち込む。


「大丈夫だよ、ノエル。カッチャンは君の事も好きだよ。今度、ここに寝ているのは君の番だよ……」


「里理さん……」


「お互い大変だね……。森田ちゃんという強力な敵がいるから……本当に変わった子だよ……」


 里理はそう言って脱ぎ散らかした服を集め、着替え始めた。


「おはよう、皆。さっそくだけどあっち側に飛んでくれる? ハミル」


「承知いたしました」


 ハミルは魔法を唱えて異世界側の自衛隊が作った基地へと飛んでいった。


「こっちは雨が降ってないのか……いい天気だな……」


「克己様、皆さん慌ただしいですけど……」


 アルスが周りを見渡しながらそう言う。


「取り敢えず司令室へいくかな……」


 克己はそう言って司令室へと向かうと、途中で森田と宮川にあった。


「か、克己さん!! 丁度いいところに来てくれました! 今呼びに行こうと……」


「落ち着いて、宮川さん。何があったの?」


「通訳が必要なんです! あの機械は克己さんの物ですから……辞書を引きながら話しても意味が分からないんですよ!!」


「あ~、ハイハイ……分かりました……。どこに行けば……」


「司令室です」


 結局は司令室かと思いながら克己は向かい、森田は克己の臭いを嗅ぐ。


「昨日は里理さんと一緒だったんですね……」


「な、何? 森田ちゃん……」


「里理さんが使用している香水の匂いがします……お楽しみ……だったんですね……」


「そ、それは……」


「結婚したら……私を沢山愛してください……ね?」


「う、うん……」


 克己は少し怯えながら頷き、アルスは微笑ましく見ていた。


 司令室の前に到着すると、宮川は扉をノックして開ける。


「司令、成田さんを連れてまいりました!」


 そう言って扉を開け、敬礼をしてから宮川は中に入り、克己達も続く。


 部屋の中には困った顔をしている人達と、直立不動で立っている、鎧を着た男が中に居た。


「おぉ、成田さん……。早速来てもらってなんだが……」


 司令の小林陸将が手を差し出し喋りかける。


「承知致しました。通訳ですよね?」


 克己は握手をして答えた。


「恃む……」


 そう言われると、克己は鎧を着た男に喋りかける。


『初めまして。俺はこの人達と言葉を繋ぐためにやって来た、成田克己と言います。宜しく』


 克己が現地の言葉を話すと、男は少し驚いた顔をしてから安堵の表情を浮かべる。


『良かった、言葉が通じる相手が出てきてくれたのは助かる……。私はドトール王国の兵をしているカラツキと言う。単刀直入に言う! 我が国の支配下になれ!』


「随分偉そうに言ってくるなぁ……小林司令、支配下になれってさ……」


「そんなの無理に決まっているだろう……。君なら何と答えるのだ?」


「断ったらどうなるかを確認するかな……。それと、一戦構える」


「なるべく穏便で済ませたいが……」


 克己はカラツキと名乗る男に再び話しかける。


『断ったら?』


『数刻の内に我が国の精鋭が攻め混む事になるだろう……』


『成る程、あんたが帰らなかったら?』


『そ、それは……、こ、断ったと……お、同じことだ!』


『成る程ね、今伝えるからちょっと待ってて』


「断りゃ、数時間の内に攻め混むってさ。戦闘準備をお願い。これは訓練じゃない実戦だよ。何人いるかを確認するから待っててね」


 克己がカラツキと三度話しかけると、小林司令は戦闘準備の放送を入れさせる。その声にカラツキは一瞬怯える。だが、克己の質問が続くので、カラツキは必死に毅然とした態度をとる。


「司令、相手は2万。バカ正直に装備している武器まで教えてくれたよ……」


 克己はそう言って装備の説明をすると、司令は安堵の表情を浮かべる。武器は剣で、弓などは持っていない。遠距離攻撃は無いとの事だった。防具については盾と鎧、兜のみ。ハッキリ言うと、虐殺になるだろうと克己は伝える。


『答えは断る……だ、そうだ。ここは第三勢力とでも考えてくれる? こちらから攻めるつもりはないけど、襲ってくるなら……戦うよ。カラツキさん、そう伝えてもらってくれないか?』


『に、2万の大群に敵うと思っているのか!』


『ドトール王国に伝えてよ、こちらは500でしたって。降伏するなら早めにね?』


『ば、バカにしおって! 知らないからな!』


「司令、お帰りですって」


「うむ……、三曹、基地の外まで連れていけ、丁重にな」


 小林司令が森田を指名した瞬間、克己は目を大きく開く。森田は男を連れて部屋から出ていこうとしたので、克己は慌ててレミーに付いていくように命令をし、レミーは走って後を追いかける。


 司令は何故、克己が慌てたのかが分からず首を傾げる。


「し、司令、三曹は成田さんの恋人です……。下手な命令は控えた方が……」


 宮川が小さい声で小林司令に伝えると、司令の顔が青くなる。


「全く……。幾ら仕事だからって、良い気分にはなれないな……」


 克己は首を押さえながらそう呟き、司令の方を見る。司令は体をビクつかせ、克己を見る。


「司令、状況確認を急ぎましょう! 彼は数時間と言ってましたが、正確な時間は言っておりません。銃撃の準備と直ぐに指示できるようにしてください!」


 小林は慌てて克己の指示に従い、指揮系統確認を行わせ各員は配置についた。勿論、森田も例外ではなく土嚢に隠れながら機関銃を握り、防衛に務めている。克己はレミーに傍から離れないように命令。レミーは少し離れた場所で森田を見守っていた。


「三曹、本当に攻めて来ますかね……」


「伊藤二士、考えちゃダメ! 考えたら反応が鈍るわよ」


「そうですね、訓練通りにやります……」


「弾の補充をお願いね!」


「了解です!」


 伊藤は緊張した顔をしながら敬礼をして、弾の補充準備を行い、イメージトレーニングを繰り返した。


「おやおや、2万の兵隊かぁ……絶景だね。アルス、どう思う?」


「克己様の仰る通り、虐殺でしょうね……。武器の差がありすぎます。魔法が使えるなら話は別ですけどね」


 アルスは呆れながら言う。克己は目を凝らして森田達がいる場所を探し、ハミルを側に呼ぶ。


「ハミル、彼処に森田ちゃんがいる。レミーは少し後ろにいる。戦闘が始まったら敵兵を殺さないように倒せ! 一応捕虜の事も考えないといけないからな」


「承知致しました……」


 ハミルは森田達がいる方向に体を向けて、何時でも魔法を唱えられる準備を始めた。


 そして、数時間後に無数の銃弾の雨がドトール兵に降り注ぐのであった。

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